DAIHATSU ムーヴコンテカスタム
L、X [エクステリア インパネ・収納 シート周り 荷室その他&試乗]
カスタムRS [エクステリア 外装パーツ インパネ・収納 シート周り 荷室その他]
ノーマルシリーズのページでも紹介しましたが、フランス人デザイナーの手によって実現したこのプレミアムソファシートは、まさにプレミアム感たっぷりのシートです。 全体的にボリュームがあり、軽自動車のものとは思えないゴージャスな雰囲気です。 特に、肩周りの幅が非常に広く、これは他の軽自動車のシートと大きく違うところです。 デザインも、質感の異なるアクセントカラーの生地を縁に施すことで、今までにないオシャレな雰囲気となっています。 カスタムシリーズはインテリアがブラックになっているので、シートも、ざっくりした手触りのブラックの生地にシルバーのアクセントカラーという組み合わせになっています。 名前からはフワフワの座り心地を想像していまいますが、実際には柔らかいですがしっかりした座り心地で、フワフワではありません。 肩周りまでしっかり包み込み、座面も長いので太もももしっかり支えてくれます。 この軽自動車らしくない座り心地こそ、この車の最大の魅力です。 「カスタムRS」には、シートリフターやチルトステアリングなどのアジャスタブルパックも標準装備されていて、オプションでしか装備されない「ムーヴ」よりも、フロントシートにかなりコストがかけられています。
このシートには、さらに軽自動車初となる装備も採用しています。 それが、運転席パワーエントリーシートです。 パワーシートなんて、普通車でも高級車や上級グレードにしか採用されていないような高級装備です。 しかも、単に電動というだけではなく、いつものポジションを記憶してワンタッチで復帰できるメモリー機能付き。 これがノーマルシリーズの110万円ほどのグレードから標準装備というのが驚きです。 カスタムシリーズでは、「RS」にはもちろん標準装備ですし、「カスタムX」にも約7万円のメーカーオプションとして設定されています。 機能的には、電動なのはスライドのみで、メモリーも1名分と簡易的なものとなっていますが、それでも軽自動車にパワーシートが採用されたというのは大きなニュースですし、プレミアムソファシートと合わせて軽自動車らしくない雰囲気が味わえます。 この写真はそのスイッチで、シートの前部についているスイッチ(写真右上)で前後のスライドができます。 そして、好みの位置でインパネの「SET」スイッチを押すと、そこのポジションが記憶されます。 車から降りるときには、右のスイッチの下側を押せばシートが最大80mm後ろにスライドし、スムーズに乗り降りできるようになります。 車に乗るときには、エンジンをかけた後に右のスイッチの上側を押せば、記憶されたいつものポジションまで自動的にスライドしてくれるという具合です。 高級車のような全自動のシステムではありませんが、これでも十分にプレミアム感は味わえますし、複数の人で車を共有している場合には、スイッチひとつでいつでも同じポジションに戻せるというのは大変便利です。 軽自動車は、その便利さや経済性の高さから、家族で共有しているケースも多いと思いますので、こういう装備はぜひ採用車種を広げて欲しいですね。
アームレストはかなり大きいです。 高さはもう少し高めでもいいと思いますが、大きさは二人で十分に使える幅がありますし、長さも非常に長いです。 収納も、フタ付きのボックス+先端にドリンクホルダーとしても使えるポケットを装備していて、容量も使い勝手も十分すぎるほどです。 アームレストの先端を手でつかむような感じで腕を置くと、体が非常に安定します。 ショルダー部の大きなシートなのに、これだけ大きなアームレストを実現できたのはさすがです。 このよくできたアームレストも、ゆったりした前席の雰囲気に大きく貢献しています。
リヤシートは、前席ほどのゆったり感はありませんが、落ち着いた座り心地で快適性はまずまずです。 室内長は2000mmとなっていて、軽自動車としてはかなり広い室内です。 足元も十分な余裕があります。 しかし、この車のリヤシートはスライドができないため、「ムーヴ」と比べると驚くような広さではありませんし、フロントシートのシートバックの厚みがかなりあるので、ひざ周りの余裕がやや犠牲になっています。 また、フロントシートの肩周りが大きいことも後席の視界には悪影響で、それを考慮して後席を若干高くしているものの、やはり前方視界はあまりよくありません。 写真で見てもわかるとおり、広い後席空間であることは間違いないのですが、「ムーヴ」と比べるとやはり前席優先で作られている車です。 また、広さだけでなく、リクライニングも2段階しかできず、写真のようにわずかな角度しかつけられません。 後ろに人を乗せる機会が多いなら、「ムーヴ」と後席の快適性についてよく比較してみる必要があるでしょう。
フルフラットは、もちろん可能です。 シートを前にスライドさせてヘッドレストを外せば、リヤシートときれいにつながります。 センターアームレストが大きいので隙間がほとんどできず、フロントシートの幅が広いため室内幅ぎりぎりまでベッドになります。 サイドサポートの出っ張りは気になりますが、そこを避けてうまく使えばしっとりしたクッションは小休憩にも心地よく、プレミアムソファシートは、使い方次第でプレミアムソファベッドにもなるというわけです。 ただし、操作性の面では、パワーシートであることがマイナスとなっています。 フルフラットにするときにシートを前にスライドしなければいけませんが、パワーシートだとこれに時間がかかってしまうのです。 フルフラットを多用する人にとっては、これはちょっと厄介ですね。
フロントドアトリムは、一体成型で質感が高く、肘の当たる部分をえぐってドアアームレストの使い心地を確保するなど、デザインは非常によくできています。 メッキインナードアハンドルやインパネからつながったアクセントパネルなども、質感を高めています。 ただ、カスタムシリーズでもクロス張りでないのはちょっとさびしいですね。 豪華なシートと合わせて、フロントだけでもクロス張りにすれば、さらにプレミアム感が高まったと思います。
リヤも、メッキインナードアハンドルや一体成型のトリムなどによって質感はなかなか良いです。 ドアアームレストの幅は狭いですが、パワーウインドウスイッチの位置も良いですし、ドリンクホルダーも装備して使い勝手は良いです。 ダイハツの車は、約90度まで開く直角開きドアを採用していて、この車も前後とも直角近くまで開きます。 これによってドアトリムに靴が当たることなく乗り降りができますし、荷物の積み下ろし時にドアが邪魔になることもありません。 ちょっと心配なのは、勢いよく開けて隣の車や壁にぶつけてしまわないかということなのですが、そういったことにも配慮して、最近は一定以上の角度になるとストッパーが強くかかるように設定されていて、普通に開けると60°くらいで止まります。 周囲の安全が確認できているときは、さらに少し強めにグイッと開ければ直角近くまで開くことができますよ。
最終ページは、荷室やその他の装備などです。
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