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DAIHATSU ムーヴコンテ

L、X [エクステリア インパネ・収納 シート周り 荷室その他&試乗]

カスタムRS [エクステリア 外装パーツ インパネ・収納 シート周り 荷室その他]

プレミアムソファシート この車の一番の特徴は、シートにあります。
 まずは、このプレミアムソファシートと呼ばれるフロントベンチシートです。
 座面もシートバックも余裕のあるサイズで、しっかり体を包んでくれます。
 特に、シートバックのショルダー部の幅がしっかりしていて、センターピラーにつきそうなくらいギリギリまで大型化しています。
 この形状によって、普通の軽では遊んでしまいがちな肩周りまでもしっかり包み込んでくれるため、ひとクラス上の車に乗っているような感覚になれるのです。
 また、ヘッドレストもかなり前に押し出されたデザインになっていて、頭をしっかり支えてくれるため、これも他の軽にはない感覚でした。
 ただし、このヘッドレスト形状によって、シートバックの高さが体型に合っていない場合に、ヘッドレストの高さをちゃんと調整しないと首に違和感を感じますので、その点だけは注意が必要です。
 特に男性の場合は軽のシートバックのサイズでは足りない場合が多いため、乗る人ごとにヘッドレストの高さを調整しないと、変に首を後ろから押されたような感じになってしまうので、助手席に人を乗せるときはその都度ヘッドレストの調整をしてあげたほうがいいかもしれません。
 そういった状況をメーカーもわかっているのか、ヘッドレストの調整が他の車より軽くスムーズにできる感じがしました。
 クッションの状態ですが、実際に座ってみるまではもっとフワフワなのかと思っていましたが、しっとりしっかり受け止めてくれる上質な座り心地でした。
 シート生地がしっとりした感じなことも影響していると思いますが、想像していたよりもずっと大人っぽい座り心地で、確かにプレミアムソファシートだなと思いました。

フランス人デザイナーの手によるおしゃれなシート生地 このシートは、フランス人デザイナーが手がけたというだけあって、よく見ると本当に凝っています。
 ライトグレーにレッドのパイピングを施し、それだけでもおしゃれだと思いますが、よく見ると異なる素材を組み合わせてそれを重ね合わせるようにしてデザインされています。
 後席から見るとショルダー部のアクセントカラーがさらに強調されるようにデザインされていて、ここまでデザインにこだわったシートというのは普通車でもなかなかありません。
 「ムーヴ」のように先進性を追求した車ではありませんが、インテリアの雰囲気へのこだわりはどの車よりも進んでいるかもしれません。

運転席パワーエントリーシート そして、もうひとつのシートの特徴が、軽で初めての電動シートの採用です(写真は、そのスイッチです)。
 最近は軽でも高級車の装備をいち早く取り入れるようになってきましたが、さすがにパワーシートだけは昔から高級車だけに許される装備でした。
 それがついに、軽にも採用されたのです。
 しかも、ただ電動というだけでなく、メモリー付きで降車時のアウェイ機能まで付いているのですから、驚きです。
 電動はスライド機能のみで、メモリーは1名分、アウェイ機能はオートではないなど、簡易的なシステムにはなっていますが、それでもメモリー付きパワーシートなんて、高級車の上級グレードにしか装備されないような贅沢装備なのです。
 それが、1,113,000円からのグレードに付いているのですから、本当に驚きです。
 具体的なシステムを説明すると、まず、自分のベストポジションに位置を調整し、左側上の「SET」スイッチで記憶させます。
 そうすると、その位置がマイポジションとしてメモリーされるため、他の人が運転してシートを動かしても、右上のマイポジションスイッチでいつでも元の位置に戻せるのです。
 家族で1台を共有している場合などに、毎回調整し直す手間がなくなるので、非常に便利です。
 さらに、降車時に右下のバックスイッチを押すことで、シートが最大80mm下がり、スムーズに降りることができます(アウェイ機能)。
 もちろん、乗車時には再びマイポジションスイッチを押せばいつもの位置に戻ります。
 こうやって想像しただけでも、どれだけ便利な装備かわかりますよね。
 こういった装備は、車の大小に関係なく必要な装備だと思いますので、これからも採用を拡大して欲しいですね。

電動スライドスイッチ シートをお好みの位置にスライドさせるには、シートの前側に付いているこのスイッチを使います。
 このスイッチをパワーウインドウスイッチのように押し込んだり引き上げたりすることでシートが前後にスライドします。
 電動シートの良いところは、力が要らないことと、無段階に調整できるということで、簡単快適にシートポジションを調整できます。
 動作音も静かですし、エンジンを切っていても動きますので、不便に感じることもありません。
 スライド以外は手動ですが、スライド以外は動かさないと決めておけばメモリーでいつでも同じ状態に戻せますし、スライドが一番操作しにくい部分なので、これが電動というだけでかなり調整がラクになります。
 何より、後ろに人を乗せるときにシートを少し前にスライドしてあげるのが苦にならなくなりますし、「え?電動?」ときっと驚かれますので、ちょっと自慢できちゃいますよ。
 ちなみに、電動シートのグレードにはシートリフターやチルトステアリングなどのアジャスタブルパックも標準装備となっています。

センターアームレスト フロントシートにはセンターアームレストも装備されていますが、これがまたすばらしいです。
 幅は「ムーヴ」などと同レベルで、おそらくこれが軽の限界サイズですが、長さが他の車とは違います。
 先端にポケットを設けた分かなり長くなっています。
 アームレストの高さは「ムーヴ」などと比べるとやや低めになっているのですが、この長さにはこの高さがジャストで、アームレストの先端を持つ感じで腕を置くと本当に最高のポジションなんです。
 ドアアームレストとの高さのバランスも違和感がありません。
 ダイハツは、車種によって微妙にアームレストのサイズや高さを変えてきましたが、試行錯誤を繰り返した結果、この車でついにベストポジションを得ることができたのではないかと思います。
 しかも、ポケットとフタ付きの収納ボックスまで装備していて、機能的にも完璧です。
 これは、現時点で最高のアームレストだと言っていいと思います。
 プレミアムソファシートとこのアームレストでくつろぐと、本当に軽であることを忘れてしまいます。

シートアンダートレー 助手席の下にはシートアンダートレーが装備されていますが、ここにもまたこだわりがあります。
 助手席シートアンダートレーは特に珍しい装備ではありませんが、普通は浅くて使い物にならないものが多いのです。
 しかし、この車のトレーは約10cmの深さがあり、奥行きもかなりあります。
 一見して、他の車のものとは容量がぜんぜん違うことがわかります。
 しかも、重量も2kgまでOKです。
 これなら少々大きめの靴だって入るし、本など重いものも入れられます。
 そして、これだけの大容量のトレーを装備していながら、後席の足入れスペースも犠牲になっていないというのがまたすばらしく、運転席側もパワーシートなのに足入れスペースはしっかり確保されています。
 収納スペースにも重点を置いたスペース効率の高さという点では、居住空間最優先の「タント」よりも優れたパッケージングと言えるかもしれません。
 なお、助手席のシートバックにはショッピングフックとシートバックポケットも装備しています。

リヤシート リヤシートも、フロントシートと同じイメージで仕上げています。
 この手の車ではリヤシートがフワフワになっていることも多いのですが、この車はフロントと同じような座り心地で、しっとりしっかりした座り心地です。
 しかし、平坦な形なので、包まれ感はフロントより劣ります。
 足元の広さは、驚くほどのスペースではありませんが、それでもゆったり余裕を持って座れるレベルです。
 前述のように、フロントシートの下に足入れスペースがしっかり確保されていますし、広さに関しては何の不満もなく、スライドができないことも特に問題にはならないでしょう。
 数値上も、室内長は2000mmもあり、室内幅も1335mmあるのですから、「タント」と比べるとインパクトはないものの、絶対的にはかなり広いのです。
 ただ、リヤシートに座ってみてちょっと気になるのは、「タント」や「ムーヴ」と比べて閉塞感があるということです。
 ショルダー部まで大きなフロントシートが壁のように目の前にあり、サイドウインドウはトールワゴンとしては小さめで、さらに前後に分割されているためその支柱が目に入って、どうも閉塞感があるのです。
 これを心地よい包まれ感と感じるか閉塞感と感じるかは人それぞれだと思いますが、座り心地がよいだけに、もう少し開放的な雰囲気でもよかったのではないかと思います。
 また、リクライニングは2段階しかできず、左右の移動のときに運転席のシートレールが少し邪魔になるなど、気になる部分も多々あります。
 この車は、どちらかというと「ムーヴ」や「タント」よりも前席優先のパーソナルカーという感じがしますね。

フルフラット フルフラットシートはもちろんOKです。
 スクエアボディならではの広い天井を見つめて寝るのは最高だと思います。
 「タント」がフルフラットができなくなってしまったので、フルフラットが必須条件の人はこの車がその問題を解決してくれるかもしれません。
 ただ、シートへのこだわりが招いたいくつかの問題もあります。
 まず、包まれ感を重視したプレミアムソファシートは、フルフラットにしたときには凹凸が大きく、フラット感が今ひとつになってしまいます。
 ちょっとした休憩程度なら問題ないと思いますが、本格的な寝心地を追求したい人は注意が必要です。
 そして、電動シートもフルフラットにするときはちょっと厄介です。
 助手席は一気に一番前までスライドできますが、運転席は電動でゆっくりスライドするので時間がかかるんです。
 フルフラットを多様する人にとっては電動シートは邪魔な存在になるかもしれません。
 もちろん、一番前にスライドさせた状態でメモリーしておけば、スイッチひとつで勝手にスライドしてくれるという使い方もありますが、とにかくフルフラットを多用する人にはあまり向いていないシートで、とりあえずフルフラットにすることもできるという程度に考えたほうがいいでしょう。

フロントドアトリム ドアトリムは、一体成型でスイッチ周り以外に継ぎ目がなく、非常にすっきりした印象です。
 クロス入りではなく全面プラスチックですが、インパネから続くアクセントカラーや、前後に貫くドアアームレストなどによってチープな印象はありません。
 ドアアームレストの幅がやや足りない印象はありますが、肘の当たる部分をえぐって幅を広くするなど、細かい努力は見られます。
 ドアポケットはそれほど大きくないですが、インパネやシートなどに収納が多数あるので、問題ないでしょう。

リヤドアトリム リヤドアトリムもフロントと同じイメージですが、ドアアームレストの幅が狭く、あまりくつろげる感じではありません。
 ドアアームレスト上にパワーウインドウスイッチを設けたり、ドアポケットにドリンクホルダー機能を持たせたりと、使い勝手に関しては合格点ですが、アクセントカラーもなく、特別な印象はないですね。

 次は、荷室を中心に紹介します。


     

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