カーチェック
(2013/2〜)
取材日:2013/3/21

SUZUKI スペーシア(MK32S)

(MAZDA フレアワゴン)

X[外観 外装パーツ インパネ周り 収納 シート周り 荷室&試乗レポ]

カスタムXS[外観 インパネ周り 収納&シート周り]

荷室

 荷室は、標準的な広さです。
 荷室のフロア高はタントとNボックスの中間で、開口部の広さなどもトータルで考えると平均的。
 バックドアを閉めるときにやたら重く感じたのがちょっと気になりました。

荷室拡大

 リヤシートを前にスライドさせると荷室を広くすることができますが、このようにシートレールが邪魔になってしまうので、使い勝手はあまりよくありません。

ラゲッジアンダーボックス

 荷室の下には、アンダーボックスが装備されていますが、タイヤパンク修理セットがあるので収納としてはほとんど使えません。
 見えないからいいとはいえ、白の発泡スチロールというのは珍しいような・・・。

ダブルフォールダウン

 リヤシートを床に落とし込めば、このように広大な荷室スペースが作れます。
 しかし、一度シートバックを倒し、さらに座面を落とし込むという二段階の操作になるので、ちょっと面倒です。
 また、この状態にするにはフロントシートをやや前にスライドさせないといけないので、その点も少し不満ですね。
 さらに、床面に3cm程度の段差ができてしまうのも残念なポイントです。
 どうしても荷室容量を大きくということであれば仕方ないですが、容量にそこまでこだわらない場合は、普段使いにはワゴンRのほうが便利そうです。

助手席前倒し

 助手席の前倒し機構を使えば、このように室内長いっぱいの荷室スペースを作ることも可能です。

バニティミラー

 バニティミラーは、全車運転席のみ装備。
 大きさは大きめですが、照明は付いていません。
 室内照明は、フロント、後席上、荷室横の3つのみです。

新型R06Aエンジン

 エンジンは、MRワゴンから採用されている、スズキの新世代エンジンR06A型。
 このエンジンは、パワーは標準的ですが、スムーズで低燃費なのが特徴。
 ワゴンRと同じく、軽量ボディと副変速機構付CVTとの組み合わせです。
 一番驚くのは燃費の良さ。
 29.0km/Lという数値は、もちろんスペース系ワゴンの中ではダントツトップで、同じ技術を使いスペーシアよりも軽いワゴンRよりもなぜか良い数値。
 この燃費なら、広さと引き換えに燃費をあきらめるという必要はなくなりますね。
 燃料タンクは27Lに縮小されていますが、パレットからの乗り換えだと1回の給油で走れる距離は確実に増えそうです。

 さて、ここからは試乗レポートをお届けします。
 試乗したのは、量販グレードのXです。
 乗って一番に思ったのは、やはり広くなったということです。
 ルーフの幅が広くなったことで、一回り大きな車に乗っているような感覚になります。
 しかし、コーナーでも背の高い車特有のゆすられ感が少なく、安定しているのがちょっと意外でした。
 安定性をかなり重視しているのか、乗り心地もフワフワしていなくて、どちらかというとやや硬めとも思えるくらい。
 このしっかりしたサスセッティングとフロントスタビライザーのおかげもあって、背の高いワゴンなのに安心してコーナーでもある程度スピードが出せる感じでした。
 ただ、ワゴンRと比べると、ややエンジン音が気になります。
 同じエンジンなのにエンジン音が気になるということは、やはりボンネットが短いことにより音が侵入しやすいのかもしれません。
 また、パレットと比べて軽くなったといっても、ワゴンRほどの軽さは感じませんでした。
 もちろん、数値上重いのだから当たり前なのですが、ワゴンRのような軽快感を期待する車ではなく、軽量化によってもやはりスペース系ワゴン特有の加速のもっさり感というものは残っています。
 ただ、足周りのしっかり感やブレーキの効きなどはワゴンRよりも印象が良く、下り坂ではむしろスペーシアのほうが走りが良いようにさえ思えました。
 両側スライドドアであることを考えても、ボディはかなりしっかりしているように感じます。
 静粛性に関しては、エンジン音以外の騒音がうまく抑えられていて、ロードノイズもあまり気になりませんでした。
 シートの形状がしっかりしていることもあり、快適性は高いです。
 遅れて発売されるカスタムモデルは、おそらく遮音性もアップすると思うので、そのターボモデルだとスペース系ワゴンとは思えないようなかなり良い走りをするのではないかと期待できました。
 アイドリングストップは、時速13kmの段階から作動するようになっていて、信号などで停車したときにはすでにエンジンが停止していて、いつの間にかエンジンが止まっているという感覚です。
 実際には、常に停車前からストップするわけではなく、停車してからストップすることのほうが多いようです。
 エンジンの再始動も素早いので、慣れてしまえば渋滞などで頻繁にエンジンの再始動があってもストレスに感じることはないでしょう。
 全体的に、これといった特徴はないですが、見た目から想像するよりもずっとシャキッとした走りをしてくれるので、その点は好印象でした。

 いかがでしたか?
 軽トップレベルの広さと軽ワゴントップレベルの燃費を両立し、使い勝手の良さや走りの良さも追求しているこの車は、毎日使っているうちにじわじわとありがたみがわかってくるような車かもしれません。
 派手な特徴はあまりないですが、どこをとっても不満が出ない、そんなオールマイティなファミリーカーといえるかもしれません。


     

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