(2002/10〜2006/9モデル) 取材日:2002/10/17
DAIHATSU ムーヴ カスタム
1998年10月の規格変更によって一斉に登場した新規格軽自動車の中で、トップを切ってムーヴがフルモデルチェンジしました。 この車は、軽がまた新しい時代を迎えたことを感じさせてくれる一台です。 その魅力の数々をさっそくチェックしてみました。
[(カスタム)外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室 試乗レポ]
[(ムーヴ)外観デザイン 外装パーツ インパネ周り 試乗レポ]
写真の車は、カスタムXというグレードです。 最初にこのフロントマスクをカタログで見たときは、「なんだかかわいくなってしまったし、好みが分かれそうだな」という印象でしたが、実車を見てみると意外にも一般受けしそうな品の良い顔立ちでした。 ライトの下部がバンパーに入り込んだデザインもごく自然に受け入れられ、メッキの控えめなグリルの効果もあって、スポーティというより高級感のほうが強い気がします。 旧型に比べるとボンネットが短くなっているので、迫力よりも流麗さを感じます。 ターボモデルにもボンネットのエアインテークはつかず、デザインはこのまま。 どうにかして迫力を出そうとしていた旧型に比べると、上品さやきれいさを大事にしているようで、それがまた落ち着いた雰囲気を出しています。
短いボンネットにロングキャビン、そしてエッジの効いたフェンダーなど、ちょっとeKワゴンを連想させるようなシルエットですが、ムーヴは1630mmという全高で、天井も高く、前後左右とも最大限に室内を広げていますので、室内の広さではムーヴが一枚上手です。 フロントガラスが大きく、ワイパーもアームの形を工夫して視界の邪魔をしないように配慮されていますので、前方視界は良好です。 少し残念なのは、センターアンテナを採用しなかったこと。 別にセンターでなくても良いのですけど、ピラー上部についているアンテナはデザイン上も質感を下げてしまいますし、窓から手を出して伸ばすのは面倒でかっこ悪いです。 最近流行の可倒式の樹脂製センターアンテナなら、いちいち手を伸ばす必要もないですし、折れたり曲がったりする心配もありません。 隅々まで質感にこだわった車なのに、採用しなかったのには何か訳があるのでしょうか。
横から見ると旧型との違いがよくわかります。 フロントガラスがぐーっと前に移動して室内空間を大きく広げているのがはっきりわかります。 また、ホイールベース(前輪と後輪との距離)も2390mmという軽としては限界に近い長さを実現しており、これも室内の拡大に貢献しています。 安定性の面でも旧型より向上しているのではないかと期待できます。 旧型同様ガラスエリアがとても広く開放感がありますが、デザインを工夫して旧型よりもどっしりとした印象になっています。
斜め後ろか見ると、かなり四角い車であることがわかります。 車のデザインは、丸くなったり四角くなったりということを繰り返す傾向がありますが、最近はこのようにシャープなラインの中に丸みを持たせる(あるいはその逆)というのが流行です。 この車も、スペース効率を優先するためかなり直線的なデザインになっていますが、ヘッドライトやフェンダーの丸みを強調してそれをアクセントにすることで、スタイリッシュな印象を持たせてあります。 このアングルだと、室内がかなり広いのが外からでも想像できますね。 この車の色はスチールグレーメタリックですが、カスタムのボディカラーは全部で8色が用意されていて、中にはディープパープルクリスタルメタリックという妖しい?色も用意されています。 新しい塗料の開発から取り組み、これまでにない"深み"と"輝き"を実現したと言いますから、ぜひ実車のボディをじっくり見てみてください。
リアビューは、旧型のイメージを残しながらも直線基調のシャープなデザインで、非常に大きく見えます。 最近は当たり前になってきましたが、バックドアにはキーシリンダーがないのですっきりとした印象です。 また、ナンバーがバックドア中央にあるのでなんとなく軽でないような気がして、人気の高いステップワゴンやノアなどのミニバンのリアビューのようにも見えますね。 ルーフの幅を広くして頭上空間を確保していますが、1BOXのような実用重視の車には見えないです。 ストップランプの位置も高くて視認性も良く、全体的に非常によくできたデザインだと思います。 しかし、何と言っても一番驚いたのは、バックドアが上開きも選べるようになったこと。 ムーヴは登場以来ずっと横開きを採用してきましたが、「横開きだからムーヴはやめた」という話をよく聞きました。 営業マンも、「横開きでダメになったケースも多いです」と言っていたくらいで、ワゴンRやライフに比べて人気がイマイチだった理由の一つがその「横開き」だったと考えられます。 さすがにダイハツもこの意見は無視できなくなったようで、今回上開きも選べるように設定されました。(1〜1.5万円増) バックドアの開き方が選べるというのは、軽に限らずともかなり珍しいことです。
それでは、まず外装パーツから細かくチェックしていきましょう。
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