カーチェック

ここでは、毎回1車種をピックアップし、雑誌等ではあまり触れられていない
デザイン、質感、使い勝手にこだわって徹底的にチェックしていきます。

(2006/10〜)
取材日:2006/10/7

DAIHATSU ムーヴ

L [外観 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室その他]

カスタムRS [外観 外装パーツ インパネ周り シート周り&試乗レポ]

 先進の装備と積極的なモデルチェンジによって、常に注目の存在となっている「ムーヴ」が、フルモデルチェンジしました。
 新規格軽自動車として初の3代目突入となる車でもあり、室内の広さや安全装備などは他車を圧倒する内容となっています。
 まさにダイハツのフラッグシップカーと呼ぶに相応しいこの車を、早速細かくチェックしていきたいと思います。
 ノーマルシリーズとカスタムシリーズで外観や装備内容が大きく異なりますので、先にノーマルシリーズの「L」で共通部分を含め全般的に紹介し、後にカスタムシリーズの特徴的な装備などを中心に紹介します。
 なお、グレードや年式によって装備内容等は異なりますので、購入を検討される際は、必ずカタログ等でご確認ください。

フロントフェイス フロントは、直線基調だった旧型と比べるとずいぶん丸みを帯びた感じがしますが、ヘッドライトがかなりつりあがったデザインになっているため、全体としては押し出しの強い印象になりました。
 ワイドなバンパー開口部など旧型の特徴もやや残ってはいるものの、歴代「ムーヴ」の中ではもっとも変化の大きいモデルチェンジと言えるでしょう。
 全高は1630mmで旧型と変わっていませんが、フロントガラスの傾斜が強くなりボンネットが短くなったことなどによって、旧型よりも少し小さくなったように見えます。
 前に立って見た感じは、ちょうど初代「MRワゴン」のようです。
 「ムーヴ」と言えば、ダイハツの中では定番車種なのですが、これだけ個性的なフロントマスクとした背景には、強烈な印象を与えることで「ムーヴ」の知名度を高め、ライバルの「ワゴンR」を追い抜こうとする狙いもあるのかもしれません。
 フロント周りのデザインにはグレードによる違いは無く、フロントグリルの2段のメッキモールが上質感を出しています。
 フォグランプはオプションとなります。

斜めから 斜めから見ると、基本フォルムが大きく変わったことがわかります。
 歴代の典型的なトールワゴンスタイルを捨て、ワンモーションフォルムに近い近未来的なイメージを持つ車へと変身していますね。
 ハリのあるデザインのドアパネルやフロントグリルを強調するデザインのボンネットなど、旧型と比べると明らかに上質かつ洗練されています。
 写真の車は廉価グレードの「L」ですが、廉価グレードであっても安っぽさは感じませんね。
 ただ、フロントピラーの手動式ピラーアンテナだけは、全体の質感とつりあっていないように思います。
 正面から見るとちょっと怖い顔つきのように思えますが、斜めから見ると意外にかわいい印象なのがおもしろいです。

サイドビュー 横から見ると、旧型の面影はまったくありません。
 初代MRワゴンと似たシルエットですが、それよりもさらにボンネットは短く、ホイールベースは長いです。
 2490mmというホイールベースは、旧型よりも10cmも長く、リヤミッドシップエンジンの「アイ」よりは短いものの、フロントエンジンの軽としては最長です。
 そして、「アイ」とは違ってそのロングホイールベースを居住空間の確保にフル活用しているという点もこの車の特徴です。
 ホイールベースが延長されると、犠牲になるのが最小回転半径(つまり小回り性能)ですが、数値はグレードにより4.2〜4.5mとなっていて、実質的には10cm程度の差しかないので、実際の運転では気になるレベルではないでしょう。
 スモークガラスは全車標準装備となっていて、フロントもUVカット機能付きガラスとなっています。

斜め後ろ 大きく変わったフロント周りに対して、リヤは歴代「ムーヴ」の特徴を受け継ぐデザインとなっています。
 ただ、やはり全体に丸みを帯びているため、旧型よりはやさしい印象になっています。
 「ムーヴ」のグレードは、廉価グレードの「L」、量販グレードの「X」、上級グレードの「Xリミテッド」という3種類で、特殊グレードとして電動昇降シートを備えた「フロントシートリフト」も用意されています。
 ボディカラーは、濃いピンクやオレンジなどのメタリック色といった新色を含む全9色が用意されていて、個性的な外観を華やかに彩るラインナップとなっています。
 ダイハツは、「ソニカ」や「ジーノ」などにプレミアムコートを採用していますが、カタログを見る限りでは「ムーヴ」は通常の塗装のようです。
 この車は質感も軽トップレベルを目指していますが、あくまで日常ユースを前提とした質感としている点が、プレミアム感を全面に押し出した「ソニカ」とは違う点で、それは走りなどからも感じ取ることができます。

リヤビュー 旧型のイメージを強く残したリヤビューは、リヤコンビランプ、バックドアハンドル、エンブレムの位置などもほとんどそのままです。
 大きな違いと言えば、ハイマウントストップランプがルーフについたことくらいです。
 バックドアハンドルから横に伸びるプレスラインは2代目のイメージを復活させたもので、全体的な印象も2代目に近い印象です。
 この車は、歴代「ムーヴ」の特徴を随所に盛り込んでいるのが特徴で、フロントピラーから延びるボンネットとフェンダーの分割ラインなどには初代の面影もあります。
 装備も広さも軽の限界に挑戦したこの車は、まさに歴代「ムーヴ」の集大成として開発されたのでしょう。
 スズキとのシェア争いに決着をつける車という意気込みを感じますね。
 なお、リヤワイパーは全車リバース連動となっていて、フロントワイパーのスイッチが入っているときにギヤをリバースに入れると自動的に数回作動するようになっているので、雨の日のバックの際は便利です。

 次は、エクステリアのパーツを見てましょう。


   

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