カーチェック

SUZUKI ワゴンR RR−DI

[(RR)外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室]
[(ノーマル)外観デザイン 外装パーツ インテリア&試乗レポ]

フルフラットシート ご覧のように、もちろんフルフラットは可能です。
 やや凸凹はありますが、仮眠をとるには十分でしょう。
 少し話はそれますが、新型「ワゴンR」は、安全面でもしっかり進化しています。
 ABSは乗車人数などによって後輪の制動力を最適にコントロールするEBD付きとなり、より安定したブレーキ性能を確保しています。
 また、万一の時に備え、ピラーなどに衝撃吸収材を内蔵したり、衝突時にブレーキペダルが後退するのを抑制する機構を採用したり、歩行者へのダメージを軽減する構造を採用したりと、総合的に安全性を向上させているのです。
 サイドエアバッグも「RR−DI」にオプション設定されています。
 そして、キーレス以外で解錠してドアを開けるとブザーやホーンなどが鳴るセキュリティアラームシステム(作動させるには設定が必要)を標準装備し、不必要な鍵穴は廃止するなど、交通事故以外の安全にも配慮しています。

助手席前倒し機構 シートアレンジの話に戻りますが、助手席の座面を前に持ち上げ、シートバックを完全に前に倒してしまうことができます。
 こうすることで、前後の車内移動も可能となりますし、後席の人が足を前に投げ出してオットマン代わりにするという裏技(?)も可能。
 旧型ではシートバックがトレーになっていて、ここをテーブル代わりに使うことができましたが、トレーが廃止されシートバックポケットが付いたため、テーブルには使えなくなりました。
 となると、この助手席前倒し機構はあまり使う機会がないように思えますが・・・。
 座面の下には大きなBOXがあり、ここに洗車道具などを入れておくことができます。
 また、そのBOXは取っ手がついていて、そのまま車外に持ち出せるというのも便利です。
 こちらはけっこう重宝しそうですね。

ラゲッジスペース ラゲッジスペースの広さは「ワゴンR」の特徴の一つですから、新型も十分なスペースを確保しています。
 開口部の広さもそれなりに確保されていますし、床面も低いです。
 日常の使い方で不満を感じることはまずないでしょう。
 居室の最大化を目指した「ムーヴ」に対して、居室と荷室の最適バランスを目指した「ワゴンR」という目標の違いがはっきり出ているようです。
 もちろん、リアシートをスライドさせれば荷室容量を広げることが可能ですが、ここで一つ「ムーヴ」との大きな違いがあります。
 写真左上がリアシートを一番前にスライドさせた状態なのですが、違いがわかりますでしょうか。
 「なんだ、変わらないじゃん」と思われた方も多いと思います。
 これは写真が小さいからわかりにくいのではなく、床面積は実際に変わらないのです。
 どういうことかと言いますと、シートと荷室の床の間には、フォールダウン時に隙間ができないように板が取り付けられています。
 シートをスライドさせても、この板の角度が変わるだけで、床と板の接点は変わらないので、荷室容量は増えても床面積は常に一定なのです。
 「ムーヴ」の場合は、2枚の板が重なって床を形成していて、シートをスライドすると1枚の板が一緒にスライドするので、床面積自体が大きくなるのです。
 「ワゴンR」はスライド量が135mmとそれほど大きくない上に、床面積が一定なので、それほど極端に荷室容量を変えることはできません。
 ですから、左右独立でスライドが可能といっても、それほど意味がないのです。
 あくまで「いざというとき」ではなく「日常」の使い勝手を優先しているようで、もともとのパッケージングがベストバランスだという考えなのでしょう。

フォールダウン 荷物をたくさん積むときは、このようにリアシートをフォールダウンできますが、このときに背の低いシートバックが威力を発揮します。
 フォールダウンの操作が実に簡単で、シートバック上部についたレバーを引き上げて前に押し倒すだけで完了です。
 これだけで、低くフラットな荷室を作ることが可能なのです。
 ヘッドレストを外す必要もなく、「ライフ」のように改めて座面を落とし込まなくても勝手に座面が下がってくれます。
 考えてみれば、日常の場面ではシートスライドよりもフォールダウンを使う機会が多いわけで、必要なときにワンタッチですぐに操作できるという利便性の高さはうれしいですね。
 ラゲッジスペースの壁面にはフタ付きで大きめのラゲッジサイドボックスが装備されていますので、防犯上外から見られたくないものや汚れ物などを収納しておくのに便利です。

直噴ターボエンジン さて、これが注目の「RR−DI」に搭載された軽初となる直噴ターボエンジンです。
 スペックは、64馬力/10.5kg・mというもので、旧型よりもトルクが若干細くなっています。
 その代わりに、燃費は19.0km/Lという軽ターボAT車としてはトップの数値となっています。
 また、ハイパワーターボでありながら「超−低排出ガス認定車」となっており、グリーン税制の対象となっています。(H15年10月現在の話です)
 「RR」は直噴でないエンジンですが、同スペックでありながら燃費は18.0km/Lとなっていますので、単純に考えれば直噴にするだけで1.0km/Lも燃費が良くなるということになり、やはり直噴は燃費とパワーの両立に有利なのだと実感します。(ただし、実走行で必ずしも燃費が良いとは限りません)
 実は、「RR」のエンジンも旧型より0.6km/L燃費が良くなっており、やや実用性重視のエンジンになったようです。(車両重量は旧型と同じです)
 プラットフォームを一新し、新開発したサスペンションに直噴ターボと、走りに関する部分はかなり変更されていますから、おそらく旧型とは違った走りが楽しめると思いますが、残念ながらまだ試乗車が用意されていませんでしたので、ひとまずエンジンだけかけてみました。
 印象としては、エンジン単体の音はそれほど静かではないですが、室内に侵入してくる音はかなり抑えられているように感じました。
 これは、吸音タイプのダッシュサイレンサーや2重化されたフロントドアシール(縁ゴムがボディ側とドア側に装備され、2重になってます)などのおかげでしょう。
 また、3気筒エンジンにしてはスムーズで、音も軽快な感じだったので、「これはけっこう期待できるかな」と思いました。
 試乗車が用意されたら、改めて試乗レポを追加したいと思います。

 ひとまず「RR−DI」を中心に紹介しましたが、いかがでしたか?
 私は、シンプルで扱いやすく、「日常」を大切にした車だという印象を受けました。
 軽市場全体で高級化が進む中で、フラッグシップモデルである車をこのような実用主義に仕立てたことは、ある意味挑戦だと思います。
 この「挑戦」が市場にどのように受け入れられるのか、非常に楽しみです。

 次ページからは、「RR」シリーズとは外観やエンジンなどが異なるいわゆる「普通のワゴンR」について紹介していますので、続けてご覧下さい。


        


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