SUBARU　ステラ

[カスタムの外観　外装パーツ　インパネ周り　シート周り　荷室ほか]
[ノーマルの外観　ノーマルの室内＆試乗レポ]

　荷室は、ボディから想像するほど広くはありません。
　もしかしたらプレオよりも狭くなっているかもしれないと思うくらいで、これは正直ちょっと期待はずれでした。
　一応、ベビーカーをタテに積むことができるということになっていますが、それよりも普通に４人乗りで手荷物を積もうとしたら積めるかどうか心配になる感じです。
　奥行きもあまりないですが、４輪独立サスペンションのせいなのか、左右の出っ張りが大きいため、床面の幅が非常に狭いです。
　そして、さらに高さを稼ぐために床面が一段低くなっているため、より狭く感じます。
　テールゲート開口の幅はそれなりにありますが、段差が大きいため重いものの積み下ろしは苦労しそうです。
　車のタイプとしてはトールワゴンタイプですが、使い方としては日常の買い物程度に使うセダンタイプと考えていたほうがよいかもしれません。
　シートバックの後ろにはフックがついていて、荷物固定用のベルトが装備されます。
　これはなにかと便利そうですね。

　シートバックを倒して荷室を拡大することもできます。
　操作は非常に簡単で、ショルダー部にあるレバーでロックを解除して前に押し倒すだけです。
　ヘッドレストを外す必要もなく、１アクションで操作が完了するのはうれしいですね。
　そして、「Ｒ２」では倒したシートバックがロックされてしまうため、元に戻すときにわざわざリヤドアから入ってロックを解除する必要があったのですが、この車では元に戻すときも荷室からシートバックを引き起こすだけでＯＫなので、ずいぶん使い勝手がよくなっています。
　ただ、荷室との段差が非常に大きくなってしまうのが難点ですね。
　大きな荷物をよく積む人は、購入前にはよく確認する必要があるでしょう。

　シートバックを倒さなくても、リヤシートをスライドさせることで荷室を少し広げることができます。
　しかし、スライドさせると写真のようにシートレールが丸見えになってしまうんですね。
　これでは荷物が汚れたりつぶれたりしないか心配ですし、床が凸凹なので荷物も安定しません。
　荷室をフラットにするオプションパーツもいくつか用意されてはいますが、ノーマルの状態である程度使い勝手のよい荷室にしないと、特にトールワゴンの分野ではライバルと比べて見劣りしてしまいます。
　全体的に実用性の高い車だと思いますが、荷室だけはもう少し工夫が必要なのではないかと思いました。
　それと、テールゲートがやや重い感じがしたので、このあたりはマイナーチェンジで改良されることを期待したいですね。

　なかなか良いなと思ったのが、この助手席前倒し機構です。
　ショルダー部のヒモを引いて倒すだけなので、運転席からでも後席からでも簡単に操作でき、テーブルとして使ったり写真のように後席と合わせて長尺物の積載に使ったりと、なかなか重宝しそうです。
　また、助手席を前倒ししたまま後席に座ると、まるでリムジンに乗ったような雰囲気になります。
　ユーティリティパッケージとしてパックオプションになっていますが、検討の価値はある装備だと思います。

　この車の「Ｒ２」との一番の違いは、運転のしやすさかもしれません。
　曲面の多いボディ形状やまったく見えないボンネットなどによって車両感覚がつかみにくい「Ｒ２」に対して、「ステラ」は直線的なボディで車両の向きがわかりやすく、また、ボンネットの左右の盛り上がり（写真の矢印の部分）が運転席から見えるので、車両感覚がつかみやすいのです。
　サイドミラーやクォーターウインドウも大きいのでバックでの車庫入れも苦にならないでしょう。
　「Ｒ２」のデザインは非常に魅力的なのですが、メーカーとしてはこのように運転しやすい車というのも用意しておかないと、シェアを確保していくことはできませんからね。
　そのあたりもマジメに考えた車なのではないかという感じがしました。

　エンジンは、全車４気筒ＤＯＨＣで、「カスタムＲＳ」のみがスーパーチャージャー付きとなります。
　スペックは、ＮＡエンジンが５４馬力／６．４ｋｇ・ｍで、スーパーチャージャー付きが６４馬力／９．５ｋｇ・ｍとなっています。
　ＮＡエンジンは「Ｒ２」と同スペックですが、スーパーチャージャー付きは前に述べたとおりレギュラー仕様に変更されたことによってトルクが若干細くなっています。
　ミッションは全車ｉ−ＣＶＴのみで、これも前述のとおりマニュアルモードの設定はありません。
　また、５ＭＴの設定もないので、プレオのＭＴ車から乗り換えようと思っていた人にとってはガッカリかもしれませんね。
　駆動方式は全グレードで２ＷＤか４ＷＤが選べるようになっています。
　最小回転半径は４．７ｍとなっていて、軽自動車としては大きめですが、車両感覚がつかみやすいのであまり気にならないかもしれません。
　「Ｒ２」は燃費が良いと好評のようですが、「ステラ」もカタログ値で１８．８ｋｍ／Ｌから２２．５ｋｍ／Ｌ（２ＷＤの数値）となっていて、「Ｒ２」に近い好燃費が期待できます。
　車両重量は８６０ｋｇから８９０ｋｇ（２ＷＤの数値）とやや重めなのですが、そこは新開発のＣＶＴががんばってくれることに期待しましょう。

　次ページからは、ノーマルシリーズについてカスタムシリーズとの違いを中心に見て行きます。
　また、最終ページには試乗レポートも追加しています。