DAIHATSU ムーヴ
カスタムX [外観 外装パーツ インパネ周り シート周り&収納 荷室ほか]
X [外観 インパネ周り シート周り]
プロジェクター式のディスチャージヘッドランプ(ロービーム)とマルチリフレクター式のハロゲンランプ(ハイビーム)の4灯式ヘッドライトは先代と同じですが、新型は大きく2つの点が変更になっています。 ひとつは、ウインカーがバンパーからヘッドライト部へ移動したこと、そしてもうひとつが、軽では初となるLED内蔵型ヘッドライトとなっていることです。 ドイツの高級車メーカーのアウディが凝ったLED内蔵ヘッドライトを採用して人気となったことで、国内メーカーにも採用が急速に広がっているのですが、アウディの車のようにたくさんのLEDが並んでいるわけではないので、実際にはそこまで目立ちません。 写真ではわかりにくいと思いますが、夜間はヘッドランプの下にあるブルーのラインが浮かび上がることになります。
リヤコンビランプもLED化されました。 LEDリヤコンビランプは、軽でも「eKワゴン」や「ラパン」などですでに採用されていますが、この車は、その目的が視認性の向上だけでなく、燃費性能の向上のためでもある点が新しいといえます(詳しくは後で説明します)。 ランプ類は、下から、テールランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウインカーとなっていて、テールランプとブレーキランプが別になっているのもこの車の特徴です。 これによって、夜間でもブレーキランプの点灯がわかりやすく、安全性も向上しています。 先代ではカスタム系とノーマル系でまったく別のデザインのリヤコンビランプが採用されていましたが、新型では色の違いだけになっています。 ダイハツは、部品調達の徹底したコストカットを進めており、部品をなるべく共通とすることでコストダウンを図っているものと思われます。 実際、最上級グレードの「カスタムRS」は、旧型よりも数万円価格が安くなっていて、手が届きやすくなっています。 装備内容の見直し等もあり単純には比較できませんが、質感や燃費を向上しながら、カスタムシリーズは全体的に旧型より価格がリーズナブルになっているので、今まで価格の面でカスタムシリーズをあきらめていた人も、新型なら手が届くかもしれません。 これはコストダウンのひとつの成果といえるのではないでしょうか。
グリップ式のドアハンドルは、新しいデザインを採用し、握り心地がややしっかりしました。 リクエストスイッチの位置も変更され、より使いやすくなっています。 今後発売される新型車にも、このドアハンドルが採用されていくことになるでしょう。 先代ではボディ同色でしたが、新型ではシルバー塗装となっていて、プレミアム感もアップしています。 キーフリーシステムは、カスタム系の全車に標準装備です。
新型「ムーヴ」の一番の特徴は、CMでも宣伝しているとおり、発売時点ではガソリン車トップとなる、27.0km/Lという超低燃費を実現したことです。 なぜ「発売時点で」としているかというと、2011年に登場予定の「イース」が約30.0km/Lを達成する予定であることと、マツダがスカイテックという技術でガソリン車の燃費を今後大幅に向上させることが確実となっているため、この数値はあくまで短期間限定のトップであるからです。 しかし、軽自動車の規格内で、従来のデザインや広さや走りなどをほとんど犠牲にすることなく、27.0km/Lという燃費を達成したことには大きな意味があり、軽自動車にもまだまだ無限の可能性があることを実証してくれたダイハツには拍手を送りたいですね。 この低燃費の実現には、エンジンの改良や軽量化や、その他様々な技術が使われているわけですが、もっとも大きく貢献しているのが、「エコアイドル」と名付けられたアイドリングストップシステムであることは言うまでもありません。 今や環境性能の高い車はステータスシンボルともなっており、写真のエンブレムも、この車が先進のエコカーであることをアピールしています。
アイドリングストップシステムとは、信号停車時などに自動でエンジンを停止し、発進時には自動的にエンジンを始動してくれるというもので、停車時の無駄な燃料消費を抑えてくれるため、燃費向上のためには非常に有効なシステムです。 この車の場合、急な上り坂や渋滞中などにはアイドリングストップが作動しないような制御を行ってくれますし、緩やかな上り坂で停車した場合には、エンジンを停止させても発進時の後退を防ぐヒルスタートシステムが作動してくれますから、ドライバーは何も意識することなく、このシステムを利用することができます。 また、スイッチ操作により、システムをOFFにすることも可能です。 ただひとつ残念なのは、このシステムを採用しているグレードが一部グレードに限られている点です。 もちろん、その他のグレードでも、オルタネータ回生制御などによって大幅に燃費が向上していますが、ターボエンジンに関しては先代とほぼ同数値となっている点が惜しいです。 また、アイドリングストップ時にはエアコンが送風に切り替わってしまうなど、まだまだ改良を期待する点はあるので、今後の展開に期待したいところです。 なお、前に触れたLEDリヤコンビランプの目的についてですが、LEDは消費電力が少ないため、ブレーキランプを点灯させたままアイドリングストップを行ってもバッテリーへの負荷があまりかからず、オルタネータ(発電機)の負担も減らすことができます。 つまり、アイドリングストップシステムの実現とエンジンの効率アップにはブレーキランプのLED化が有効で、新型「ムーヴ」はそういった目的からもLED化を行っているのです。
最近は軽自動車でも15インチが珍しくなくなりましたが、「ムーヴ」は先代からSUVタイプ以外では唯一の16インチアルミホイールを採用しています(「RS」のみ)。 タイヤサイズは、165/50R16で、見るからにホイールが大きく、そしてタイヤが薄いです。 新型では、さらにアルミホイールのデザインを一新し、流行のねじれ&コンビネーションスポークを取り入れた非常にスタイリッシュなものとなっています。 また、15mmローダウンサスペンションの採用もあって、ホイールの大きさがとても目立ちます。 もちろん、見た目だけでなく、前後スタビライザーやベンチレーテッドディスクブレーキなど、走りを安定させる装備もしっかり標準装備としています(RSのみ)。 なお、「RS」以外のグレードには、写真左下の14インチアルミホイールが標準装備となります(4WD車は15インチもあります)。 タイヤサイズは155/65R14で、先代から変更はありませんが、ホイールベースの短縮により、最小回転半径は先代より0.1m小さい4.4mとなっています(「RS」は4.7mで先代と変わらず)。 ABSは全車に標準装備で、VSCは「RS」のみにメーカーオプションとなっています。
次は、インテリアを見ていきます。
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