(2009/12〜) 取材日:2009/12/30 更新日:2010/2/15
DAIHATSU タントエグゼ
G [外観 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]
カスタムRS [外観 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室ほか]
カスタムシリーズについての情報を6ページ目以降に追加しました!(2010/2/15)
「ムーヴ」「タント」「コンテ」と、毎年トールワゴンの新型を発売しているダイハツから、まったく新しいコンセプトの新型車「タントエグゼ」が発売されました。 「タント」の名前が付いていることからもわかるとおり、広い室内空間を持つ「タント」の派生車種となりますが、「タント」がファミリーユースを意識しているのに対して、この「タントエグゼ」は大人4人のための移動空間を意識して開発されています。 それでは、どういったところがいままでの軽自動車と違うのか、早速たくさんの写真で紹介していくことにします。
なお、「タントエグゼ」も他のトールワゴンと同様にノーマルシリーズとカスタムシリーズが用意されていますが、カスタムシリーズの生産開始が数ヶ月遅れとなったため、先にノーマルシリーズでこの車の特徴を詳しく紹介し、後日カスタムシリーズについての情報を追加しています。 そのため、カスタムシリーズについては、ノーマルシリーズとの違いに焦点を当て、共通部分については省略して紹介していますので、この車の特徴をすべて理解したい方は、こちらのノーマルシリーズのページから順番にご覧いただくことをおすすめします。
「タントエグゼ」のフロントマスクは、かなりシンプルです。 唯一の特徴は、かなり下方に位置するメッキフロントグリルのみで、その他にはこれといった特徴がありません。 「タント」よりも若干シャープな印象になっていますが、個性を主張するのでなく、全体的に控えめな印象です。 この車は、かなり主張の強いインテリアに対して外観がとても控えめになっているのが特徴で、個性的なデザインが多いダイハツ車の中では逆に珍しい存在です。 これは、あえて主張しすぎない控えめなデザインとすることで、大人っぽさを狙ったものだと思います。 実際、前に立って見たときの印象も、「タント」と「ムーヴ」の中間といった感じの車で、両極端な両車の間を埋めるために作られた車といえるでしょう。 なお、フロント周りがちょっと寂しいと感じてしまう人は、ディーラーオプションのフォグランプとフードガーニッシュを装備することで存在感を増すことができます。 左右のヘッドライト間の空間を埋めるメッキのフードガーニッシュは、中央に「Exe」というエンブレムがデザインされていて、標準のエンブレムは取り外しとなるので、ダイハツのエンブレムが気に入らないという人にもおすすめです。
この車は、直接のライバルを挙げるのが非常に難しい車です。 一番のライバルは「パレット」になると思いますが、スライドドアではないので、「ワゴンR」のほうが直接のライバルになるかもしれません。 もちろん、「ライフ」や「ゼスト」もライバルになりますが、それらよりもずっと全高が高く、居住空間も圧倒的に広いです。 サイズ的には、エクステリアもインテリアも「パレット」とほぼ同じなので、「パレット」を意識して作られた車であることは間違いないでしょう。 BピラーとCピラーがブラックアウトされたサイドウインドウのイメージは「ステラ」に近いですが、ステラの後継車種はダイハツからのOEMとなるので、この車がそのままステラの後継車種となる可能性もあり、ライバル関係にあるとは言い難い状態です。 実は、この微妙なポジションこそこの車の狙いなのです。 ダイハツは、広さや高級感や燃費など、それぞれについて徹底追求した車を発売し、確かに数値上は常にそれぞれでトップの性能を誇ってきましたが、それゆえにちょうどバランスのとれた車というのが存在せず、そこが他メーカーに対する弱みとなっていたのです。 そこで、他メーカーのすべてのトールワゴンに対抗できる微妙なポジションの新型車を新たに投入することで、完璧なラインナップを実現したというわけなのです。
サイドビューの特徴は、ブラックアウトされたBピラー、Cピラーと、ドアミラー付近で一度下がってから後ろ上がりになっているウエストラインです。 ドアのプレスラインもウエストラインと合わせたラインになっているほか、オプションで用意されるサイドショルダーモールによって、ウエストラインをさらに強調することもできるようになっており、この車のエクステリアの中でもっとも主張の強い部分となっています。 ホイールベースは、「タント」と同じ2490mmで、軽自動車としては超ロングホイールベースです。 「タント」は左側がスライドドアで右側がヒンジドアのリヤドアとなりますが、この車の場合は両側ヒンジドアとなっています。 これには、ファミリーユースを前提としていないため、スライドドアが必須ではないという理由のほかに、軽量化による燃費の向上といった目的もあります。 また、全高は、「タント」よりも20mm低い1730mmとなっていて、フロントウインドウの傾斜も強くなっていますが、これも空気抵抗の低減による燃費の向上を目的としたものと思われます。 つまり、「タントエグゼ」は、「タント」で不評の燃費の悪さを改善するために生まれた車という面も持っているのです。
やや低くなった全高やウエストラインの段差を強調したデザインなどによって、リヤビューは「タント」よりもひと回り小さく見えますが、室内高は「タント」よりも30mm高い1385mmとなっていて、トールワゴンの中では「トッポBJ」に次ぐ数値となっています。 「タントエグゼ」は、グレード構成が少し変わっていて、2WDと4WDでグレードが完全に分かれています。 つまり、同一グレードの2WD/4WDという概念が存在しないのです(カスタムの一部を除く)。 ミッションに関しても、2WD車はCVT、4WD車は4ATと、強制的に決められています。 具体的なグレード構成は、豪華装備の「G」、量販グレードの「X」、装備を簡素化した「Xスペシャル」、4WDの上級グレード「S」と廉価グレード「L」という5種類。 ボディカラーも、全8色のうち半分の4色がオプション色となっているなど、様々な面で今までとは違う新たな試みが見られる車です。
リヤビューは、コの字型のデザインのリヤコンビランプ以外にはあまり特徴がありません。 車格から考えると、もう少し高級感というか存在感が欲しい気もするのですが、この車は、外観はできるだけシンプルにしながら、こだわりたい人は徹底してこだわることができるようにディーラーオプションを充実させています。 アンダースポイラーの設定はないものの、大型のバックドアスポイラー、サイドショルダーモールから続くバックドアアッパーモール、さらにはクリアタイプのリヤコンビランプまで、他の車ではあまり見られないようなオプションが多数用意されているので、標準のエクステリアで物足りないと感じる人は、オプションでガラリと雰囲気を変えることも可能となっているのです。 派手なエアロパーツは用意されず、小技の効いたユニークなオプションパーツが多数用意されているというところからも、大人のための軽自動車を意識した車であることを感じ取ることができます。 リヤワイパーは全車に標準装備で、バック時に自動的に数回ワイパーが作動するリバース連動式となっています。
次は、外装パーツをもう少し細かく見ていきます。
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