独立行政法人自動車事故対策機構(JNCAP)の予防安全性能アセスメントにおいて、スズキのハスラーが軽自動車で初めて満点の46点を獲得しました。
これまでの軽自動車の最高得点はスペーシアの45.8点でしたが、今回ハスラーがそれを上回り軽自動車でもっとも予防安全性能の優れた車と評価されたことになります。
ちなみに、ダイハツの新型車であるキャストについては33.6点となっていて、JNCAPの試験結果からは、スズキが採用するステレオカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート」とダイハツが採用するレーダー+単眼カメラ方式の「スマートアシスト2」では予防安全性能に開きがあるという結果になっています。
サイズの制約があることから、軽自動車は衝突安全性能の面では心配があるという人も多いかもしれませんが、この数年で予防安全性能が飛躍的に向上し、ついには最高得点を獲得する車まで登場したことにより、予防安全という観点からは軽自動車と普通車の差はほぼ無くなったと言える状況になってきました(あくまで試験結果からの話ですが)。
実際の事故はどのような状況で起こるかわからないので、試験の結果がすべてではありませんし、エアバッグの個数ではキャストが最大6個に対してハスラーは2個と、メーカーによって考え方が異なっている部分もありますので、予防安全性能アセスメントの点数だけで安全性を語ることはできません。
しかし、車の大きさが関係しない(むしろ小さい車のほうが有利な面も多い)予防安全の分野が進化したことで、軽自動車の総合的な安全性は飛躍的に向上したと言えるのは間違いないです。
車両価格や維持費の安い軽自動車に高性能な予防安全装備が搭載されるようになってきたことで、この数年で自動ブレーキや誤発進抑制システムなどの衝突回避支援システムを搭載した車の普及が飛躍的に加速してきました。
衝突回避支援システム搭載車が普及すれば、それは不幸な交通事故の激減につながります。
軽自動車税の増税によってやや人気が落ち着いた感のある軽自動車ですが、今回のニュースによって軽自動車の魅力が再認識されることになりそうです。
(参考)
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