2016年2月の軽四輪車通称名別新車販売速報によれば、最新の販売台数トップ10のランキングは以下のとおりとなっています。
ここで、この販売台数ランキングについて少し詳しい分析と解説をしてみたいと思います。
この人気ランキングにはいくつか注目ポイントがありますが、2015年11月まで続いてきたN-BOXの1位独走が、2015年12月のタントのマイナーチェンジによってストップし、その後ずっと1位を明け渡したままになっている点が一番の注目点です。
N-BOXは本当によく売れていますが、さすがに多すぎて見飽きてきた感が否めないので、そろそろホンダも次の手を考えないといけない時期に来てますね。
N-BOXは、N-BOXプラスとN-BOXスラッシュを合わせた数字なのに対し、タントは派生車種のない単独の数字ですから、(自社登録などの事情を無視すれば)実質的な人気ではタントのほうがかなり上ということになりそうです。
3位のデイズはずっと安定した人気となっていますが、これはデイズとデイズルークスを合わせた台数で、日産の軽乗用車のほとんどがここにカウントされるため、この順位で安定しているという事情があります。
アルトとミラの順位がここへきて若干上がってきているのは、新社会人や大学生になる人が増えるこの時期は低価格車が売れる傾向が強くなるためです。
また、企業が営業車として年度末に購入するケースが増えるという事情もあるでしょう。
アルトに関してはアルトワークスの発売も影響していると思われますが、燃費ナンバーワンということで経済性重視で購入されているケースが多いと思われます。
ちなみに、ミラにはミライースとミラココアが含まれていて、現在5MTのみの仕様となっているミラはほとんどが営業車としての需要しかないので、一般ユーザー目線で考えればミライースとミラココアが売れているということになります。
ここへきて急激に順位を上げてきたのがN-WGNで、使い勝手の良いトールワゴンタイプでありながら109万円からという価格が、新社会人や大学生などに評価されているのではないかと思われます。
6位から9位には、スズキとダイハツのSUVとトールワゴンが仲良くランキング入りしています。
ハスラーは安定した人気で、約108万円台からという価格のおかげもあり、去年発売されたばかりのキャストを上回っています。
キャストは、新型車でありながらアクティバ・スタイル・スポーツという3車種を合わせてもハスラーに及ばず、やや苦戦気味といった感じです。
非常にコストのかかった車なのですが、安い車に人気が集まるこの時期はやや苦戦している模様で、4月以降に人気を盛り返せるかがカギといえそうです。
ワゴンRとムーヴはやや人気を落としている感じで、特に代表車種であるワゴンRとスペーシアの順位がイマイチのスズキは、なんらかの対策を考えないといけないのではないでしょうか。
こうやって見てみると、単なる販売台数ランキングでもいろいろな事情が見えてきますよね。
2015年4月の軽自動車税増税の影響が大きいのか、軽自動車全体の販売台数は下降気味で、先行きが不安な面もあります。
個人的に、2016年に入ってから軽自動車メーカーの動きがぱったり止まっているのが非常に気になっていて、以前の記事で話した軽自動車廃止論が現実にならなければいいのですが・・・。