(2003/12〜モデル) 取材日:2003/12/13
SUBARU R2
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り 収納 シート周り 荷室&試乗レポ]
各社が新型車を続々と発表する中で、平成10年の規格変更以来唯一新型車を発表していなかったメーカーのスバル。 そのスバルから、ついに新型車が発売されました。 それも、スバルらしいこだわりのある車です。 他のメーカーにはマネできない、この車ならではの魅力を早速チェックしてみましょう。
フロントの特徴は、なんといっても今までに見たことの無いデザインを採用したフロントグリルでしょう。 スバル(富士重工業)というメーカーは、自動車部門以外にも航空宇宙部門や産業機器部門なども手がけていますが、中でも航空機メーカーとしてはあのボーイング社からも絶大な信頼を得ているほど技術力の高いメーカーです。 この独特なデザインのフロントグリルは、その航空機メーカーとしての側面を持つスバルというメーカーを象徴するもので、航空機の翼をイメージしているそうです。 それだけこの車に対する思いは強く、この「R2」こそ、これからのスバルを象徴する車だということなのでしょう。 全体的に丸みを帯びたデザインでありながら、縦に大きく切れ込んだヘッドライトなどのおかげで、キリッと引き締まった表情になっています。 写真の車はスーパーチャージャーエンジンを搭載する「S」というグレードで、最近の車としては珍しく、ボンネットに大きなエアインテークが装備されていますが、その他のグレードにはエアインテークは装備されませんので、もうすこしスッキリした印象になります。 写真で見ると特徴のありすぎるフロントマスクに見えますが、実車を目の前にすると、違和感がないどころか、かなりかっこいいのです。
斜めから見た印象は非常に伸びやかで、軽自動車の規格によるサイズの制約をまったく感じさせないデザインです。 バンパーからボンネット、そして傾斜したフロントウィンドウまで段差無く連続しているワンモーションフォルムは、スピード感とかたまり感があります。 そして、大径タイヤを強調するかのようにクッキリと張り出したフェンダーは、軽とは思えない迫力があります。 止まっていても躍動感があり、いかにも速そうなデザインは、非常に新鮮です。 全高は1525mm(「S」以外は1520mm)と、意外に大きめなのですが、この流れるようなデザインのおかげで、空気抵抗はかなり低いのではないでしょうか。 グレードは写真の「S」の他に、DOHCエンジン+充実装備の「R」と、SOHCエンジン+簡略装備の「i」があります。 フォグランプは、「i」以外に標準装備となっています。
サイドビューも特徴があります。 軽自動車というのは、限られたサイズの中で少しでも室内空間を広く確保するために、できるだけルーフを水平にし、窓を大きくし、前後とも垂直に近いデザインを採用する傾向があります。 ところが、この車はそんな軽らしさをみじんも感じさせないのです。 ルーフは丸く、サイドウィンドウは面積が小さく、リアはフェンダーだけが飛び出したようなデザインで、そのどれもがとにかく新鮮。 リアサイドウィンドウのデザインなどは、日本車ではないような雰囲気さえあります。 また、前後にまっすぐ貫くサイドプロテクターはドアハンドルやウィンカーなどまで一体化したデザインで、これもまた新鮮。 大きく張り出したフェンダーに収まる15インチアルミホイールも目を引きます。 今までのスバルにはやや保守的なイメージを持っていたのですが、この車は違いますね。 車に興味がない人でも思わず目で追ってしまうはずです。
リアサイドビューです。 これだけ躍動感のあるデザインの軽は他に見当たりません。 あえてライバルを挙げるとすれば、輸入車である「スマートK」くらいでしょうか。 この角度では、サイドウィンドウの狭さがより強調されて、まるで3ドアクーペであるかのようにも見えます。 リアの絞り込みが大きく、フェンダーだけが大きく張り出したデザインはインパクトがありますね。 この車はライトパープルオパールというボディカラーで、非常にきれいな色です。 シャープさとやさしさが同居したこの車のデザインにはなかなか似合う色だと思いました。 この車はボディカラーが豊富で、全部で11色もあります。 他車ではあまり見ないような色が多い上に、「菫(すみれ)」「杜若(かきつばた)」など、それぞれに和名も付けてあるところなんかはこだわりを感じますね。
リアビューのボリュームは、すごいですね。 リアフェンダーの張り出しがここまで強調された車というのは、普通車でもなかなか見ません。 リアもフロント同様バンパーの段差がなく、非常に複雑な三次元曲面で構成されています。 下へ行くほど膨らみを増す滑らかなリアビューは、ずっと見ていても飽きません。 高い位置に取り付けられたリアコンビランプとは別に、低い位置に配置した反射板は、左右の大きなフェンダーを強調する役目もあるのかもしれません。 かなりボリュームのあるデザインですが、もちろん軽の枠に収まっているわけですから、全幅は他車と同じ1475mmです。 ですから、結果的にルーフの幅はかなり狭くなっています。 これは室内の広さに当然影響してくるわけですが、室内空間を優先する車が多い中で、それを犠牲にしてでも個性的なデザインを採用している点こそ、この車の魅力なのです。 人や荷物を乗せることよりも、見られる悦びや所有する悦びを第一に考えたいと思う人も少なくないはず。 そういう人にとっては、まさに「待ってました」と言える車なのです。 この車はオプションのスモークガラスが装備されていますが、最近では珍しくスモークガラスは全車オプション扱いです。
では、こだわりの外装パーツ類を見てみます。
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