カーチェック

MITSUBISHI eKワゴン

[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り スライドドア 荷室&試乗レポ]

荷室 ボディ形状をそのままに室内を広くして、そのしわ寄せが来てしまったのが荷室です。
 旧型と比べると、10cmほど奥行きが短くなっています。
 リヤシートのスライドができないため、4名乗車時は荷室を広げることもできません。
 幅や開口部の大きさは問題ありませんが、奥行きだけは不満に思うことがあるかもしれませんね。
 床下にはスペアタイヤが収納されていて、アンダーボックスなどは装備されていません。

荷室拡大 リヤのシートバックを倒して荷室を拡大すると、こうなります。
 ヘッドレストを外さずにレバー操作だけで倒すことができ、復帰するときはレバー操作不要なので、操作の面では優れています。
 しかし、気になるのは、7〜8cmほどの大きな段差ができてしまうことです。
 硬いボードを採用して旧型よりも若干使いやすくなった感じはありますが、この段差については改善されないままでした。
 一般の使用ではあまり問題にならないかもしれませんが、大きな荷物を積む場合には段差を埋める工夫が必要でしょう。
 インテリアの使い勝手はかなり良くなっていますが、あとは荷室の使い勝手にもう一工夫あればよかったですね。

天井 天井は、消臭機能付き。
 残念なのは、ルームランプが一つしかないことです。
 バニティミラー照明が無いのはまだ許せるとしても、マップランプやラゲッジルームランプさえも無いのです。
 これでは、夜間の使い勝手は非常に悪いでしょう。
 開発段階で、真っ暗な状態で試してみればすぐに不便さに気づいたはずです。
 収納などの使い勝手は非常に良くなっているだけに、この点は惜しいと思います。
 アシストグリップは固定式ですが、これはコスト優先ということでしょう。

エンジン エンジンは、3気筒SOHCエンジンの1種類のみで、スペックは、50馬力/6.3kg・mとなっています。
 ミッションは、5MT、3AT、4ATの3種類。
 メカニズム面で特に注目すべき点は無く、スペックも旧型と同じです。
 燃費も旧型とほぼ同水準の19.4km/L(「M」(3AT・2WD))などとなっていて、今回のフルモデルチェンジは主に使い勝手の向上に力が注がれたようです。
 最小回転半径は4.4m。
 燃料タンクは30Lです。
 車両重量は旧型よりも20kg程度重くなり、810kg(同)などとなっています。
 スライドドア仕様はさらに20kgほど重くなり、ボディに特別な補強がなされます。
 このあたりが走りにどう影響しているのかも気になる点ですので、試乗車が用意されたら確かめてみたいと思います。

<ここから試乗レポートです>

 試乗したのは、スライドドアの3AT仕様である「MS」の2WD車です。
 早速エンジンをかけてみると、やはり旧型と同じエンジンということで聴き慣れたエンジン音がしますが、音量は旧型よりも抑えられているように感じました。
 停止中の振動も3気筒としては抑えられているほうです。
 車道に出る際の段差では、サスペンションが非常に柔らかく、不快感がまったくありません。
 そして、そのまま走り出すと非常に滑らかでスムーズな走り出しで、外観があまり変わっていないだけに、あきらかに旧型とは違う乗り心地に少々驚きました。
 ロードノイズや風切り音もよく抑えてあり、ボディ剛性の高さも感じます。
 スライドドア仕様は特別なボディ補強がされているということで、それによるしっかり感もあるのかもしれません。
 心配していた左右の重量バランスに関しても、激しいコーナリングをすれば影響があるのかもしれませんが、通常走行ではまったく気になりませんでした。
 低速トルク重視のエンジンなので、発進時もあまりアクセルを踏み込まずにスムーズに加速してくれ、車両重量が若干重くなったことは特にマイナスにはなっていないように思います。
 むしろ、旧型の特徴だったどっしり感がさらに増したように思えて好印象でした。
 そして、さらに気に入ったのが足回りで、サスペンション形式は旧型と変わりないものの、低速時にはより柔らかく、高速時にはより引き締まる感じになっていて、快適性と走行安定性をうまく両立しています。
 ロールが少なく安定しているのに不快な突き上げがないのは、タイヤサイズとサスペンションのバランスが良いからではないでしょうか。
 着座位置が低くなったこともカーブでの不安感を和らげています。
 ただ、アクセルを踏み込んで加速したときはやはり力不足を感じますし、高回転の苦手なこのエンジンはうなり音を上げます。
 音質に関しても、「グィーン」という、「いかにも軽だな」と感じさせるものです。
 旧型と比べると若干ジェントルになった感じはありますが、新型エンジンなどを採用すればもっと改善できたのではないかという気持ちは残ります。
 運転のしやすさという点では、旧型よりも開放的で視界が良くなったような印象を受け、また、センターメーターの視線移動も少なくなったようなので、気持ちよく運転できました。
 曇りだったのでヒートプロテクトガラスの効果を実感することはできませんでしたが、価格の割には快適性の高い車だと感じました。
 運転に関して気になったことと言えば、インパネシフトがやや遠く感じたことくらいです。
 高回転を重視する人には「eKスポーツ」のターボがありますから、街乗り重視と割り切って考えれば、横揺れの少ない安定した走りと快適性の高さは実際の価格以上の価値があると思います。
 特に、「サスペンションが硬いのはイヤだけど安定した走りを求めたい」という人にはオススメの車ではないかと感じました。

 いかがでしたか?
 外観上はほとんど変わっていないように見える二代目「eKワゴン」ですが、使い勝手の良さにさらに磨きをかけ、独自のポジションをしっかり確立しているという印象を受けました。
 何よりも、このボディサイズで、この価格で、電動スライドドアを実現させたという事実には驚かされます。
 この車は、軽自動車の可能性をまた一つ広げた車と言えるでしょう。


  

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