DAIHATSU ミラ アヴィ
[(アヴィ)外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室及び試乗レポ]
[(ミラ)外観デザイン 外装パーツ及びインパネ周り インテリア及びエンジン]
先ほどから何度か触れてますパワーウィンドウのスイッチ。 運転席もこれなんです。 使い慣れた人にとっては気にならないのかもしれませんが、私のようにドアアームレストに手を置いたまま操作するのに慣れている人にとっては操作しにくいです。 ちゃんと照明がついているので夜間に手探りで探すということはないですが、ウィンドウを上げる時には手を返して操作するようになるので、特に2つのスイッチを同時に操作するときなどは、けっこうやりにくいんです。 できればドアに移してほしいです。 隣にあるのはドアミラーのスイッチですが、これにもちゃんと照明が点きます。 そして、このスイッチ類の下には大きめのフタ付き収納ボックスがあり、これはなかなか使えそうです。
この車、贅沢にもセダンタイプなのにルームランプを2つも装備しています。 これはありがたいですね。 軽ではまだルームランプがフロントに一つだけという車も多いのですが、これだと夜間後席の足元に何か落としてしまったときなどは探すのが非常に大変です。 また、ラゲッジルームランプのない車では、リアシートに光が遮られてラゲッジルームはまったく見えなくなります。 その点、この車は気が利いてますね。 そして、さらにマップランプも装備しているので、手元だけを照らすこともでき、とても便利です。 操作も、フラットに埋め込まれたレンズを直接指でプッシュするというなかなかおしゃれな演出。 そしてこのランプ類がアヴィには全車標準装備なのです。 バニティミラーはさすがに照明付きではないですが、フタがスライド式で使い勝手が良く、サイズも特大で完璧です。 フロントのルームランプがミラーの照明代わりになりますから、夜間の使用も問題ないでしょう。 最近、ダイハツの車もルーフの色が明るくなり、表皮も高級感のあるものになってきました。 最近のダイハツ車のインテリアが上質なのは、すぐれたデザインとともにこういった細かい改善のおかげもあるのでしょう。
ラゲッジルームはセダンタイプの一般的なレベルの広さです。 トノカバーがついているので直射日光を遮断でき、リアタイヤ付近からの騒音も若干遮ってくれます。 床はビニールになっているので質感はイマイチですが、汚れものなども気にせずに置けそうです。 開口部は非常に広く、実際の使い勝手はなかなか良さそうですよ。 どうでもいいことかもしれませんが、テールゲートを支えるダンパーが1本しかありませんでした。 最近は2本が主流なのですが、極太のダンパー1本で支えていました。 このほうが邪魔な出っ張りがなくていいし、交換の時の費用も安くつくということでしょうか。 本当にどうでもいいことなのですが、ちょっと気づいたので・・・。
大きな荷物を載せるときは、このようにトノカバーを外してリアシートを倒せば荷室を拡大できます。 しかし、いくつか気になる部分があります。 まずは、床にできる段差。 かなり大きな段差ができるので、大きな荷物を載せる予定の人はよく確認したほうが良さそうです。 また、操作感も気になりました。 トノカバーを外し、シートバックについたレバーを両方とも操作する必要があり、少々面倒です。 また、向かって右側のレバーの動きがかなり悪く、個体差かと思いノーマルミラも試してみたのですが、やはり右側が固いのです。 偶然その2台がそうだったのであればいいのですが、購入を検討される際は一度確認してみてください。
さて、メカニズムについても若干紹介しておきましょう。 アヴィのエンジンはDVVT付DOHCエンジンと、DOHCターボエンジンの2種類で、3気筒のみの設定となります。 NAエンジンは旧型と同スペックですが、ターボエンジンは旧型よりも最大トルクがより低回転で発生されるようチューニングされており、扱いやすさが増しているようです。 車重は旧型よりも数十キロ重くなっているのに、燃費が1割程度向上しているのはうれしいですね。 また、ガソリンタンク容量が36Lあるので、給油の回数がかなり少なくて済みそうです。 サスペンションは新開発のもので、基本的にはムーヴと同じもののようですが、実際の走りはムーヴとは少々性格が違います。 700kg台の軽い車重と低重心のフォルムはムーヴよりも走りの面で有利ですので、キビキビとした走りが可能となっています。 基本的に2WD車は4ATのみで、4WD車は4ATと5MTが選べるようになっているのですが、「RS」だけは2WDの5MTが選べます。 「RS」にはフロントスタビライザーも装備されており、スポーティな走りが楽しめます(この装備で113万円はかなりお買い得かも?)。 MTで走りを楽しみたいという人にとっては、特に気になる一台と言えそうです。 アヴィはフロントドアの2重シール構造(つまり、ふちゴムがドア側とボディ側に2つついていて、2重に音の進入を遮断してくれるということ)を採用しており、それがどのくらい静粛性の向上に役立っているかも気になるところですね。 静粛性はカローラクラスということですが、その実力はぜひ試乗で確かめてみてください。
<ここから試乗レポ>
期待していたRS(AT車)の試乗車がありましたので、早速試乗してきました。 まず、オレンジに光って出迎えてくれるメーターを見ながらエンジンをかけると、スターターの音がやや遠く感じ、しっかりとした剛性感が伝わってきました。 エンジン音は低音が強く、「ドーッ」という感じ。 シフトをDレンジに入れると、ブルブルという3気筒独特の振動が体に伝わります。 この点は、4気筒エンジンのムーヴカスタムRSと大きく違う点の一つです。 ディーラーから道路に出るときに歩道の段差があるのですが、ここでは「ドスン」というやや大きな衝撃を感じました。 これは、165/55R15という大きなタイヤサイズのおかげでバネ下(タイヤやホイール)の重量が重くなっているのが影響しているのではないかと思います。 しかし、道路に出て走り出してみると大きなタイヤは安定感のある走りを提供してくれ、カーブの連続でもなかなかのグリップを提供してくれます。 ムーヴに比べれば重心が低いので、カーブでのロール(車体の傾き)はそれほど気になりませんでした。 クイックなハンドル操作をしても収まりの良いサスペンションなので、レーンチェンジ(車線変更)でも不安はなさそうです。 スポーティなタイヤを履いているので路面からの突き上げ感はやや感じますが、タイヤサイズなどから考えればなかなかマイルドでフラットな乗り心地です。 また、やはり2重シール構造が効果を発揮しているのか、風切り音や外の音はほとんど聞こえず、ロードノイズも抑えられているので非常に静かで快適な室内空間でした。 エンジン音も不快な機械的ノイズはほとんどカットされ、巡航時は本当に静かです。 ただし、加速時には「ドーッ」という低音が大きくなり、静かな室内にその低音だけがこもります。 加速感についてはまったく不満なしで、アクセルを踏み込めば期待どおりの加速をしてくれます。 790kgの比較的軽いボディに、低速トルクのある扱いやすいターボエンジンの組み合わせなので、この加速性能に不満を感じる人はほとんどいないと思います。 高回転の伸びも非常に気持ち良いエンジンです。 もちろん、坂道でもグイグイ加速し、「ボディが重いなあ」なんて感じることはありませんでした。 「最近の軽は重いし、重心が高くて安定感がないし・・・」と思っている人にとってはかなりオススメの車と言えそうです。
全体的な印象としては、旧型に比べるとやや重厚で上質な乗り心地ですが、セダンタイプらしい軽快感も感じさせ、扱いやすい車という感じでした。 先に登場したムーヴと比較すると、安定感のあるキビキビとした走りや扱いやすさを優先するならミラアヴィRS、エンジンの静粛性・制振性やゆったりとした走りを優先するならムーヴカスタムRSかなという印象を受けました。 ミラはモデルチェンジによってボディが大きくなりましたが、走りもひとまわり大きくなり、大人の走りができるようになったように感じました。
いかがでしたか? 新規格になって4年が経過し、各社とも続々と新型を投入してきましたが、もっともベーシックなモデルであるミラがここまで進化したことで、今後はさらにレベルの高い車が登場してくることになりそうですね。 次ページ以降に、もうひとつのファミリー向けミラ「ミラ L」についての情報を追加しました。 アヴィとの違いを中心に紹介していますので、ちょっと雰囲気の違うミラもぜひご覧ください。
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