軽自動車にもハイブリッドカーの時代がやってきました。
2017年2月に、スズキが新型ワゴンRを発売し、ついにグレード名に「ハイブリッド」と入るようになりました。
車にも、しっかり「HYBRID」のエンブレムが付きます。
実はスズキは以前から軽自動車にハイブリッドシステムを搭載していたのですが、「Sエネチャージ」という名前を使い、「ハイブリッド」という名前はグレード名などに使っていませんでした。
しかし、今回Sエネチャージをさらに進化させ、EV走行が可能になったことにより、堂々と「ハイブリッド」と呼ぶようになりました。
新型でハイブリッドになったのに旧型から少ししか燃費が良くなっていないのは、そもそも旧型がすでにハイブリッドだったからです。
新型ワゴンRでは、クリープ走行時に最大10秒までEV走行(つまりエンジンを止めてモーターのみによる走行)ができるようになり、マイルドハイブリッドながらハイブリッドカーであることを体感できるようになりました。
ただ、実際に試乗してみたところ、EV走行によるクリープは極低速であり、渋滞中のノロノロ運転などにはスピードが足りないので、結果的にアクセルを踏まねばなりません。
アクセルを踏むとエンジンがかかる仕様になっているので、結果的にEV走行ができるチャンスはほとんどありません。
また、EV走行中はまったく無音というわけではなく、モーターの音と車両接近警報の音が混ざってけっこう騒がしいので、EV走行をしているという感覚があまりなく、メーターの「EV」表示を見て実感するという感じです。
さらに、バッテリーが十分充電されてからでないとEV走行はしないので、近場の買い物などがメインで使う場合にはほとんどEV走行の機会はないと思われます。
ということで、まだまだ軽自動車のハイブリッドシステムは発展途上という感じなのですが、スズキがトヨタと提携したことで、今後どうなっていくのかが注目されます。
なお、余談ですが、スズキは過去にも軽自動車のハイブリッドカーを発売したことがあります。
「ツイン」という車でしたが、二人乗りで快適性も悪く、さらに価格も高いということで、ほとんど売れませんでした。
ただ、ガソリンエンジン仕様のツインは価格が安かったこともあり、そこそこ売れて、中古車市場では高値が付いています(というか、もともと安かったので、ほとんど値が下がっていないというほうが正しいです)。
ツインは正直失敗に終わりましたが、今度のハイブリッドシステムは価格的にも割高感がなく、燃費も良いので、いよいよ軽自動車にもハイブリッドが本格的に普及していくことになるでしょう。
現在はマイルドハイブリッドのみしかありませんが、バッテリーの小型化がさらに進めば、軽自動車にストロングハイブリッドやPHV(プラグインハイブリッド)が登場する可能性もあります。
すでに三菱がアイミーブという軽自動車のEV(電気自動車)を発売していますから、技術的には問題なく、あとは価格の問題だけだと思いますので、想像しているよりも早くPHVなどが登場することになるかもしれませんね。
なお、軽自動車のハイブリッドカーの一覧は以下のリンクから確認できます(常に最新の状態で表示します)。