MITSUBISHI　アイ

[外観デザイン　外装パーツ　インパネ周り　シート　荷室＆試乗レポ]

　エアコンパネルの下は、引き出し式のカップホルダーとトレイがあります。
　トレイの手前側はペットボトルのキャップを一時的に置くスペースなのだそうで、これはなかなか気が利いていると思います。
　ムーヴなどのようにプッシュオープン式になっているわけではなく、質感という点ではごく一般的ですが、トレイは適度な容量があるのでコインポケットなどとしても使えそうです。
　灰皿やシガーライターは標準では装備されず、このトレイの下に電源ソケットが一つ装備されています。

　助手席側の収納は、引き出し式のカップホルダーと小さめのトレイ、そして比較的大容量のグローブボックスという構成です。
　カップホルダーはエアコンの風で保温・保冷が可能ですし、サッと物が置けるトレイも便利ですが、使い勝手や全体的な収納容量は平均的。
　この写真ではわかりませんが、トレイの上側にはシークレットボックスがあり、ティッシュボックスや車検証などを収納できます。
　フタを閉めた状態でもティッシュが取り出せる構造になっているのは便利です。
　この車はインテリアカラーを２種類から選ぶことができ、写真の車はレッドインテリアのものです。
　もう一つのグレーインテリアを選ぶと、この赤い部分はグレーとなり、もう少し落ち着いた雰囲気になります。
　エアコン吹き出し口のシルバーリングのアクセントは、なかなか良いですね。

　フロントシートは、シートバックの高さはそれほどでもないですが、全体的なサイズはゆったりしていて、体にぴったりフィットして包み込んでくれるような上質な座り心地です。
　セパレートタイプなのでウォークスルーは困難ですが、そのぶんフィット感が良くなっているので納得できます。
　クッションは、あたりは柔らかいですがコシのあるもので、また、座面の高さもちょうどよく自然な姿勢で座れるので、長時間乗っても疲れにくいと思います。
　特に、助手席はちょうど床の斜めの部分に足を踏ん張ることができ、体が安定します。
　一般的なトールワゴンタイプのような広々感はないですが、落ち着いてくつろげる雰囲気のフロントシートです。
　「Ｍ」以上のグレードには運転席ハイトアジャスターが標準装備されます。
　ちなみに、グレーインテリアを選択するとシートカラーがグレー（といってもブラックに近い濃いグレーです）になります。

　リヤシートは、非常に快適です。
　軽自動車のリヤシートは、シートアレンジや空間を優先するあまり平坦なものになってしまうケースが多いのですが、この車はフロントと同様に体にぴったりフィットするシートになっています。
　座面高もちょうどよく、自然な姿勢で座れるのでストレスを感じません。
　リクライニングも１６段階で細かく調整でき、この写真の角度まではＯＫです。
　この車は、「リヤミッドシップレイアウトによって広い室内を実現した」とよく紹介されていますが、実際には居住空間はそれほど広いわけではありません。
　頭上空間もそれほど余裕はないですし、タントなどのようにリヤシートで足を投げ出すようなこともできません。
　また、フロントシート下に燃料タンクがある関係などから、軽自動車にしては珍しく後席の足元がフラットではありません。
　しかし、空間の余裕以上に、座り心地の良いシートと自然な着座姿勢という基本的な快適性が確保されているため、居心地はとても良いのです。
　フロントシートの下にきちんと足が入りますし、遠くまで伸びるフロントウインドウを見ていると、大きな車に乗っているような感覚になります。
　広大な空間というのも魅力的ですが、こういった居心地の良さというのも、人を乗せるときには重要なポイントになるのではないでしょうか。

　フロントドアトリムは、円をモチーフにしたデザインがユニークで、ドアハンドルも円をモチーフにしています。
　ちょうどムーヴラテが同じようなデザインを先に採用しているので、新鮮味はありませんが、メーターのデザインとも似たイメージですし、まとまりは良いと思います。
　ドアポケットはデザイン優先でやや使いにくそうですが、ドアアームレストは高さがちょうどよく、使い心地はとても良いです（トリムが布貼りじゃないので、冬はちょっと冷たい感じがしますが）。
　これで、センターアームレストが装備されていえれば言うことなしなんですけどね。
　パワーウインドウスイッチの操作性も非常に良く、この車は全席ワンタッチ式のパワーウインドウを採用しているので、すべての窓を閉めて駐車するときなどにとってもラクです。
　また、パワーウインドウを車外からリモコンで閉める機能、ドアミラーを格納したまま走ると３０ｋｍ／ｈ以上で自動的に展開する機能、ヘッドライトを消し忘れてもドアを開けると自動的に消灯する機能など、便利な機能を満載して日常使いのストレスを軽減する配慮が見られるのもうれしいところです。

　リヤドアトリムもフロントと同じイメージのデザインで、ドアアームレストもフロントとほぼ同じ使い心地なので、後席の居心地は良いです。
　また、パワーウインドウスイッチもドアアームレスト上に配置されていて操作しやすいです。
　しかし、ドアポケットやドリンクホルダーなどは装備されていないので、後席で飲み物を飲むときには不便です。
　センターコンソールにも後席用の収納は装備されていないため、後席の人は飲み物をずっと手に持ったままということになってしまいます。
　せっかく居心地の良い後席なので、できればセンターコンソールの後ろ側などに最低でもひとつはカップホルダーを装備して欲しかったですね。

　最後のページでは、荷室などを中心にチェックしていきます。