DAIHATSU ムーヴ ラテ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り 収納 シート及び荷室]
フロントシートは、全車ベンチシートを採用しています。 「ムーヴ」のシートよりも丸みを帯びたデザインですが、大型アームレストを装備する点などは共通です。 「ムーヴ」よりも若干小さめの感じもしましたが、ホールド感はなかなか良かったです。 よく見ると、背もたれ部分にちょっと変な縫い目がありますよね。 なんとなく笑ってる顔に見えるような・・・と思ったら、やっぱりそれを狙ったデザインのようで、スマイルベンチシートというのだそうです。 シート生地も家庭にある布製のソファのような感じで、なかなかおもしろいと思いました。 シートカラーは、アイボリーとアプリコットの2種類で、どちらも明るい感じで落ち着きます。 最近はダイハツも明るいインテリアカラーに積極的に挑戦していて、これは好感が持てます。 ボディカラーによっては2つのカラーのどちらかを自由に選ぶことができるほか、ターボエンジンの「RS」でも明るいインテリアカラーのままというのがいいですね。 「スポーツグレードはブラックインテリア」という固定観念を持ったメーカーもあるようですが、私は明るいインテリアカラーのスポーツグレードも好きなので、こういう車がもっと増えて欲しいと思っています。
リアシートは、デザインに若干違いはあるものの、基本的に「ムーヴ」と同じです。 包まれ感はありませんが、とにかく広くてくつろげます。 スライド量は250mmで、左右一体となります。 シートの色が明るいので、「ムーヴ」よりも閉塞感が薄くなり、さらに広くなったような印象を受けます。 ルーフが丸いので、天井の広さでは「ムーヴ」より若干劣る感じがしますが、やさしく明るいインテリアはとにかく心地よいです。 スペース的にも、視覚的にも、ゆっくりくつろげるリアシートです。 余談ですが、シート中央のプラスチックの部品までちゃんとシートと同色にしてあるのはさすがです。
ラゲッジスペースは、居住空間を広くしたしわ寄せで若干狭くなっています。 しかし、日常の買い物程度なら十分ですし、シートをスライドさせれば広くなるので心配要りません。 このあたりは「ムーヴ」と共通です。 ただ、デザイン優先のバックドアのおかげで、若干開口部の幅が狭くなっています。 ちなみに、この下にはラゲッジアンダーボックスがあり、工具など細かいものを収納できます。
シートバックを倒せば、このとおりフラットな荷室を作れます。 操作は簡単で、レバーを引いて前に倒すだけのワンモーション。 ヘッドレストを外す必要もありません。 段差もないですし、スペース的にも問題ないでしょう。 こうやって見てみると、非常にバランスが良いというか、抜け目のない車だと思いますね。 広さ、装備、使い勝手と、どれをとっても平均点以上の出来で、これといった不満も見つかりません。 一番の注目はやはりデザインなのでしょうけど、私はむしろインテリアの使い勝手などの細かい努力に興味がわきました。
今回は試乗ができませんでしたので、軽くスペックなどに触れておきたいと思います。 エンジンは全車3気筒で、64馬力のDOHCターボと、58馬力のDOHCの2種類。 燃費、最小回転半径、燃料タンク容量など、基本的な部分は「ムーヴ」と同等ですが、世界初の触媒早期活性化システムを採用し、環境性能を向上させています。 また、防音剤の見直しなどによって遮音性も向上させているということなので、静粛性についても期待できます(これは試乗で確かめてください)。
「ムーヴ」の派生車種であり、まるっきりの新型車というわけではないので、今回は少しボリュームを落として紹介するつもりでしたが、結局長くなってしまいました。 正直言うと、実車を見るまではあまり興味がわかなかったのですが、特にインテリアを細かくチェックしているうちにずいぶん印象が変わりました。 単に女性受けを狙ったデザインだけの車なのではなく、コストパフォーマンスも、実用性も、そして遊び心も、すべてを満たしてくれる車だという気がしました。 デザインは好き嫌いが分かれると思いますが、インテリアの出来の良さやメーカーの細かい改善意欲などについては、実車を見ていただければ誰もが納得できるのではないかと思います。 一応女性をターゲットに開発されたようですが、男性でも、そしてファミリーカーとしても、一度はチェックしてみる価値のある車だと思いますよ。
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