DAIHATSU ムーヴ ラテ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り 収納 シート及び荷室]
インパネのデザインは、楕円状のシルバーパネルが大きな特徴で、大きなメーターフードを設けて豪華さと重厚感を持たせた「ムーヴ」とは対照的なやさしく開放的なイメージになっています。 メーターも、エアコンの噴出し口も、ルームミラーも、インナードアハンドルも、すべて丸いデザインに統一し、徹底して「丸」にこだわっているところはコンセプトがわかりやすくて好感が持てます。 ステアリングのデザインも「ムーヴ」より良くなりましたし、何より明るいグレーのインパネは圧迫感がなくていいです。 オーディオも色や面を揃えてあるのでスッキリとしています。 これはインテリア全体に言えることですが、単にデザイン優先というだけではなく、質感や機能性もしっかりと確保されているのが特徴で、部分的には「ムーヴ」より優れるところもあるくらいなのには感心しました。 細かくはこの後紹介していきますが、単に「ムーヴ」をかわいくしただけの車ではないということは実車をチェックしてみるとわかると思います。 余談ですが、シルバーパネル部は、オプションで木目調やカラーパネルを装着すればガラリと雰囲気を変えることができます。 このへんは他社もすでに採用しているアイデアですが、前でも述べたようにホイールキャップも同色にコーディネイトできるというのは新しいアイデアで、なかなかおもしろいと思います。 さすがに木目調のホイールキャップは用意されてないようですが・・・。 そのほかにも、ソケットに差し込むとアロマが楽しめるオプションなども用意されています。 ミッションは全車コラム4ATのみで、パーキングブレーキは足踏み式となっています。 チルトステアリングは「X」以上に標準装備ですが、シートリフターがオプションとなっているのはちょっと残念です。
メーターは、シルバー塗装された丸いフードの中にちょっとクラシカルな感じの文字表示という、どこかで見たような気もしないでもないデザイン。 でも、よく見ると文字は絵の具で描いたような(?)モコモコと浮き出たデザインになっていておもしろいです。 ただ、数字が中心から弧を描くように書かれているので、ちょっと読み取りにくいです。 まあ、このへんは雰囲気優先ということで、許せる範囲でしょう。 「Xリミテッド」以上にはタコメーターが付きます(写真右下)。 狭いスペースにうまく2つのメーターを配置しています。 シフトインジケーターや燃料計なども液晶パネル内に収めたことで、このコンパクトなメーターデザインが可能となっています。 ホンダの「ライフ」も様々な情報を液晶パネルに表示するインフィメーションディスプレイを備えていますが、これからはこのような液晶表示が主流になっていくのでしょうか。 燃料計の表示がやや小さめですが、残量警告灯は全車に標準装備されているので問題ないでしょう。
一番右にあるスイッチ、今までの車では見かけなかったと思います。 これは、この車の注目の装備の一つで、プラズマクラスター付オートエアコンのモード切替スイッチです。 クリーンモードにすると、プラスイオンとマイナスイオンを放出して室内の除菌をしてくれ、イオンモードにすると、マイナスイオンを多く放出してリラックスできる空気で室内を満たしてくれるという優れもの。 ホコリなどをキャッチするクリーンエアフィルターも装備していますから、もしかすると家の中よりもキレイな空気になるのかもしれません。 これはなかなかの贅沢装備ではないでしょうか。
上の写真の続きになりますが、「ムーヴ」と同じくインパネ内にスッキリと収納されたカップホルダーは質感・機能性とも理想的と言えるでしょう。 普段は邪魔にならず、使うときにはワンプッシュで飛び出し、エアコンの風で保冷・保温ができるという優れもので、夜間でも使えるようにイルミネーションまで付いてます(「L」以外)。 これだけでもすばらしいですが、「ムーヴ」からさらに改良されているのには感心します。 まずデザインですが、「ムーヴ」よりも面積が大きくてプッシュしやすく、インパネとの連続性もさらに高まっています。 また、プッシュオープン時の動きが改良され、引っ掛かり感がまったくないスムーズな動きを実現していますので、手でアシストしてあげる必要もまったくありません。 これは展示してあった「ムーヴ」と比較してみても明らかに違いました(最近生産された「ムーヴ」は改良されているかもしれません)。 こういう細かい改良を重ねる姿勢はとてもうれしいし、他のメーカーも見習ってほしいと思います。
この車、価格的には量販グレードの「X」で、1,123,500円(2WD)(消費税込み)と、決して高くはない設定なのですが、装備の充実度はかなりのもので、コストパフォーマンスに優れた車だと思います。 例えば、オートエアコン(プラズマクラスター付)、CD/MDステレオ+4スピーカー、セキュリティアラーム、スモークガラス、ABS他、次ページ以降で紹介する豪華装備の数々がその「X」に標準装備されているのです。 この広い室内にこれだけの装備が付いてこの価格なら、デザインを抜きにして実用車として考えても十分に候補になり得ます。 これは個人的な意見ですが、デザインに凝った車でありながら、実際にはデザインにこだわらない人に支持されるのではないかという気がします。 女性か男性かにかかわらず、コストパフォーマンスや実用性を重視する人に注目されるべき車だと思います。 ただ心配なのは、このデザインが裏目に出て、「デザインだけの車」とか「女性向けの車」という固定観念で見られてしまうのではないかということ。 ここが、この車がヒットするか否かの大きなポイントになると私は思います。
ちょっと話が逸れましたので、その実用性の高さなどを引き続き見てみたいと思います。
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