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DAIHATSU ミラココア

[エクステリア 外装パーツ インパネ・収納 シート周り 荷室・試乗レポ]

荷室 荷室は、セダンタイプとしては平均的なレベルです。
 室内の広さのわりには、実用的な広さを実現していて、優れたパッケージングだと思います。
 日常の買い物程度なら困ることはないと思いますが、リヤシートはリクライニングやスライドができないため、荷室の広さが固定されていて、荷物の形状によっては困ることも出てくるかもしれません。
 荷室の床下にはアンダーボックスは装備されておらず、そのままスペアタイヤが収納されています。
 ここも、アンダーボックスを装備してパンク修理セットで対応している「ラパン」との違いのひとつです。

荷室拡大 大きな荷物を積むときは、シートバックを倒して荷室を拡大することが可能です。
 操作は、左右のロックレバーを引き上げるもので、ちょっと商用車っぽい感じもしますが、そこは愛嬌ということで。
 なお、「プラス」グレードの場合は、左右分割可倒式となります。
 さて、写真を見てわかると思いますが、実はこのとき非常に大きな段差ができてしまいます。
 セダンタイプではある程度仕方ないこととはいえ、かなり大きな段差なので、大きな荷物を積むのには不向きな車だということは了解しておいたほうが良さそうです。

後方視界 外観のところでも触れましたが、この車は運転のしやすさという点にもこだわっています。
 リヤラウンドガラスもそのひとつで、これがあることによって斜め後方の死角が少なくなっています。
 外側から想像するよりずっと小さな窓ですが、これがあるとないとでは安心感に大きな差がでます。
 「ラパン」にはこのリヤクォーターウインドウがないため、比較するとやはり安心感が違います。
 先に紹介したバックモニター内蔵ルームミラーも活用すれば、車庫入れもずいぶんラクに行えるようになるでしょう。

ボンネットの見え方 運転のしやすさの追求は、もちろんバック時だけではありません。
 前方視界や車両感覚のつかみやすさも重要な点です。
 その点も、この車はちゃんと考えられていて、このように運転席からボンネットがよく見えるので、車両感覚がとてもつかみやすいのです。
 ちょうど「ラパン」と同じ感覚で、車の挙動がよくわかりますし、車幅もつかみやすいです。
 また、サイドウインドウが大きめなので、横方向の視界も良好です。
 この運転のしやすさは、間違いなくこの車のセールスポイントのひとつであり、その点で「ライフ」のライバルでもあるわけです。

エンジン エンジンは、全車共通で、低速トルクの厚みや燃費の良さで定評のあるKF型。
 ターボエンジンの設定はなく、58馬力/6.6kg・mのNAエンジンのみ。
 ミッションは、グレードによってCVTと4ATがあり、CVT車は23.5km/Lと、なかなかの低燃費です。
 車重は800kg前後で、全体的に走りのメカニズムに関して特筆すべきことはなく、平均的な性能ですが、実際の乗り心地は、快適性に関して見えない部分でいろいろとこだわっているようです。
 乗り心地に関する詳細は、この後の試乗レポートで詳しくお伝えしています。

<ここから試乗レポート>

 試乗したのは、最上級グレードとなる「プラスG」です。
 このグレードにはキーフリーシステムが標準装備されているので、エンジンスタートはキーを身につけていればステアリングコラムのツマミを回すだけでOKです。
 まず、停車時の振動ですが、ほんの少しボディがブルブルと震える感じはありますが、たっぷりサイズのシートがうまく振動を吸収してくれるので、体に対しては不快な振動は伝わってきません。
 歩道の段差を下りて幹線道路に出ますが、このときのショックは非常に柔らかく吸収してくれます。
 その後、アクセルを踏み込むと、「ヒュイーン」というCVTの甲高い音とともに、エンジンの回転数が3000回転以上まで一気に上がります。
 基本的なメカニズムは最近のダイハツ車と共通なのですが、この軽い吹け上がりの感覚は他車とは違う独特のものです。
 少しアクセルを踏んだだけで、あっという間に3000回転(坂道では4000回転)まで回りますので、スタートダッシュはとても軽やかです。
 回転は一気に上がりますが、発進時に「ガツン」というショックはなく、走り出しはあくまで優しくスムーズで、このあたりの制御はとても上手くできていると思いました。
 車重は、セダンタイプとしては決して軽いわけではないのですが、このスムーズな発進のおかげで、非常に軽い車を運転している感じがします。
 また、加速が軽やかなことに加えて、CVTの甲高い音が他車よりも特別目立つので、「え?ターボ車だったっけ?」と思わず錯覚してしまいます。
 ただし、その3000回転以上の伸びはあまり感じられず、その後の加速は鈍化します。
 つまり、街中での発進・停止の繰り返しではターボなど必要ないと思えるくらいに気持ちよく軽やかに加速しますが、一定以上の速度や上り坂などでそれ以上の加速を望もうとすると、ストレスを感じてしまうのです。
 短い試乗の中でも、この車は、かなり明確に街乗り重視の味付けがなされているということがわかります。
 次に、足回りに関してですが、直線の一般道を走っている限りではなかなか快適です。
 ロングホイールベースのおかげで細かい揺れが抑えられていて、フラットでゆったりした乗り心地ですし、タイヤサイズの関係もあり、ゴツゴツ感やロードノイズといった不快な要素もほとんど感じられません。
 外観から想像するほどフワフワした足回りではなく、柔らかいながらもしっかりと揺れを抑えるサスペンションなので、全体的にレベルの高い優等生的な乗り心地です。
 エンジン音も、高音も低音もほどよくカットされた心地よいサウンドになっています。
 加速中も極端にノイズが大きくなることはなく、ボンネットが長くエンジンがあまり室内側に侵入していないとういことが静粛性という点で有利に働いているようです。
 また、エアコンのコンプレッサーの音を低くして、耳障りにならないように工夫していることも静粛性の高さに貢献していて、細かく見ていくと、単に既存のメカを流用しただけの車ではなく、細かい部分までこだわった車であることがわかります。
 直線道路ではとても快適なこの車ですが、カーブになると、やはりスタビライザーなどを装備していないシンプルな足回りであることから、ロールもそれなりにありますし、踏ん張り感はあまりありません。
 全高があまり高くないので、トールワゴンタイプのように上半身が外側に引っ張られるような不安定感はありませんが、オーバースピードでカーブにさしかかると、ロールしながらアンダーステアが発生してヒヤッとします。
 もちろん、一般的な流れに乗って走っていれば何も問題はないですが、急カーブの前などでは十分に減速して走るように心がける必要があるかもしれません。
 視界に関しては、やはり実際に運転してみてもとても運転しやすい車という印象でした。
 フロントピラーが邪魔にならず、交差点やカーブでも斜め方向が見やすいですし、後方視界もしっかり確保されているので、不安に思うことがありません。
 もちろん、バックカメラが装備されていることによる安心感もとても大きく、どんな状態のときでも常に安心して運転できる車という印象でした。
 また、「ラパン」との比較という点で考えると、運転感覚や乗り心地は似た感じがしますが、室内が一回り広く、「ミラ ココア」のほうが大きな車を運転している感覚で、その点でも安心感がありました。
 また、発進の軽やかさという点でも「ミラ ココア」のほうが好印象で、こちらのほうが女性受けするのではないかという気もしました。
 ただし、CVT特有の「ヒュイーン」という音がかなり目立つことに関しては、気になる人も多いかもしれません。
 他に目立つ騒音がないため、結果的にCVTの音が目立ってしまっているということだと思いますが、これを騒音と感じる人と快音と感じる人とでは、この車の快適性に関する印象がまったく違うものになる可能性もあります。
 「ラパン」と「ココア」は、止まっているときは似た感覚でも、走ってみると意外に違いが大きいので、この2車で迷っている人は、展示車だけで決めてしまわずに、実際に試乗してみたほうがいいかもしれませんね。

 いかがでしたか?
 「ミラ ココア」は、第一印象では、他の車のいいとこ取りのような車に思えましたが、細かく見ていくと、いろんなところにこだわり、独自の雰囲気を持つ新しいジャンルの車であるということがわかってきました。
 メカニズムも、カタログを見ただけでは特にこだわりがないように思えますが、実際に運転してみると、この車に相応しいチューニングが施されているようで、街中で気持ちよく走れる車を目指していることがハッキリわかります。
 この車は、「ミラ ジーノ」「ムーヴ ラテ」「ソニカ」という3車種の生産終了に代わって登場した車ですが、その3車種分の穴埋めをするのに十分な魅力を持つ車だと思います。
 この「ミラ ココア」は、「見て心地よく、走っても心地よい」という、心地よさに徹底してこだわった車だということができるでしょう。


  

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