DAIHATSU ミラココア
[エクステリア 外装パーツ インパネ・収納 シート周り 荷室・試乗レポ]
フロントシートは、全車センターアームレスト付きのベンチシートとなります。 座面も長めで全体的にゆったりした印象の座り心地です。 シートバックのサイドサポートはしっかりしていますが、左右のサイズを広めにとってあるので、包まれ感はあまりなく、広々感重視のシートです。 座り心地はしっかりしていて、外観から想像するほど柔らかいシートではありません。 頭上空間は、こぶし1つ分くらいで、トールワゴンタイプに乗り慣れた人であればやや圧迫感があるかもしれませんが、セダンタイプとしては標準的です。 この車は室内幅が1345mmもあり、「ラパン」と比べると110mmも広いので、さすがに横方向の余裕はあります。 高さの余裕よりも横方向の広々感を重視したい人には、この車は一見の価値があるでしょう。 なお、シートリフターやチルトステアリングなどのアジャスタブルパックは全車標準装備となっていて、アップグレードパック装着車には運転席シートヒーターも装備されるなど、ドライバーの快適性についてはしっかり考えられています。
センターアームレストは、ダイハツ車の中では小さめです。 幅も長さもあまりなく、腕を置くというよりは肘をかけるといった使い方になります。 高さはちょうどよく、肌触りも良いですが、収納ボックスなどはなく、ごく普通のアームレストです。
後席は、十分広いです。 室内長は1940mmもあり、ライバルの「ラパン」と比べると70mmも長く、さすがに余裕があります。 前席を普通のポジションにしてもこれだけ広いので、4人乗りでも膝がフロントのシートバックに当たることはありませんし、足先はフロントシートの下に入るので、窮屈さはまったく感じません。 リヤシートにしてはシートバックが高めで、横方向の広さもかなり余裕があるため、大柄の人でもゆったり座れます。 「ラパン」と違ってリクライニングはできませんが、シートバックがちょうどいい角度に設定されているため、特に不満は感じませんでした。 ただし、形状が平坦なため、左右のサポートがなく、左右の揺れに対しては体が落ち着かないと思います。 座り心地はフロント同様にしっかりしています。 頭上空間はフロントよりも余裕があるくらいで、ルーフがまっすぐなのでドア開口が大きく、乗り降りもとてもラクです。 「ミラ ジーノ」の後継車種として考えると、後席空間は大幅に改善しています。
「プラス」グレードは、より上質なシート生地になり、インテリアの雰囲気もがらりと変わりますので、グレード選びの際は、インテリアの雰囲気も必ず確認してください。
これは「プラス」グレードだけの装備になりますが、助手席のシートバックにティッシュポケットが装備されています。 上のファスナーを開けてそこからBOXティッシュをセットしておけば、シートバックそのものがティッシュボックスになってしまうという、とても便利な装備です。 これならティッシュボックスの置き場に困ることがなく、室内が片付きますし、後席にお子さんを乗せる機会が多い場合は特に便利ですよね。 助手席のシートバックですから、慣れれば運転席からも手を伸ばして使うことができるでしょう。
カタログには明記されていないようですが、フルフラットもOKです。 シートバックと後席の座面がかなりきれいにつながりますので、仮眠程度なら問題ないでしょう。
フロントドアトリムは、かなりよくできています。 ドアアームレストの幅が広く、形も緩やかにカーブしているので、とても使い心地が良いです。 肘が当たる部分を窪ませることでさらにゆったり感も増しています。 また、ドアポケットは深さはあまりないものの、幅はかなり広く確保してあります。 そして、なんといっても、この色使いがいいですね。 ブラックにベージュ、そしてメッキインナードアハンドルと、なかなかオシャレじゃないですか。 しかも、それぞれの表面処理がまた凝っていて、軽自動車のドアトリムとは思えない上質さを実現しているんです。 もしかすると、この車はドアトリムに一番お金がかかっているのではないかと思うくらいに、とにかくこだわりのある上質なドアトリムです。
リヤドアトリムも、すばらしいです。 フロント同様の色使いにメッキインナーハンドルやドリンクホルダーも装備。 そして、幅広のドアアームレストは、ちゃんと肘の当たる部分を窪ませています。 そして、ちょうど先端の丸みに手のひらがフィットする感じになるので、軽自動車のリヤドアアームレストとしては最高の使い心地です。 細かく見ると、ドアポケットは小さいし、パワーウインドウスイッチは壁面にあって使いにくいですし、不満な部分もあるのですが、そんなことが全部許せてしまうくらい、質感とアームレストの使い心地がいいんです。 サイドウインドウの高さがあって開放感もありますし、シートの形状が平坦なことを除けば、非常に快適な後席となっています。
上の写真を見ただけでは、ここまで私が褒める理由がわからないと思いますので、もっとアップの写真を撮ってみました。 これはフロントドアトリムのアップですが、上下で表面処理を変えているのがわかりますでしょうか。 しかも、他の軽自動車と違って、カチカチのプラスチックには見えない、本当に上質な表面処理が施されているんです。 言葉で表現するのは難しいのですが、高級車の弾力のあるドアトリムとそっくりの質感なんです。 私も思わず触って確かめてみたくらいです。 実車を見る機会があったら、ぜひドアトリムの質感に注目してください。
もうひとつ、素材感にこだわっているのが、この部分です。 インパネやドアトリムなどのベージュの部分なんですが、これ、柔らかい布が巻いてあるように見えますが、実はプラスチックなんですよ。 膨らみを持たせた柔らかなラインと、パイピング風のデザインをあしらったことで、クッション入りの柔らかい布のような質感を実現しているんです。 これによって、布を使わずにプラスチックだけでこれだけ上質なドアトリムに仕上がっているわけです。 常に視界に入るインパネにもこの処理を施したことで、インテリアに常に柔らかい雰囲気が漂っているのです。 ここも、実車を見るときにはぜひ注目してください。
さらに、シート生地にも、他車にはないこだわりが見られます。 座面とシートバックの角にわざわざコーナーパッチを付けています。 擦れ防止という意味も若干あるかもしれませんが、ほとんど遊び心だけでこんなところにコストをかけています。 また、オプションで同じ生地に同じコーナーパッチをつけたクッションまで用意されているなど、そのこだわりは半端ではありません。 ここまでインテリアの素材にこだわった車はなかなかありません。 この車は、機能や装備は平均的なものに止め、そのぶんのコストをインテリアの素材や質感にかけているのです。 ここは、「ラパン」との方向性の違いといえるでしょう。 なお、グレードによってはオプションでブラックインテリアも選べます。
「プラス」グレードのシート生地は、スエード調で肌触りがとても良いです。 車名のエンブレムや凝ったステッチなどの効果もあって、とても上質な雰囲気で、軽自動車のインテリアとは思えない空間を演出しています。 さらに、消臭機能付きの生地を採用することで、いつも心地よく過ごせるように配慮されています。 シートにわざわざ「Deodorant」というタグを付けるなど、視覚的にも気持ちよさを実感できるようになっているところに、こだわりを感じますね。
インテリアのこだわりはこんなところにも! 普通、トノカバーというのは、プラスチックなどの板でできていることが多いのですが、この車はなんとファブリックトノカバーを採用しています。 シート生地と同じ素材を使った布製のトノカバーで、室内の柔らかい雰囲気をうまく演出しています。 一般的に、トノカバーには、遮音板や荷物置き場としての役割もありますが、この車の場合はそういった機能面よりもインテリアの雰囲気を優先しています。 これでも荷室の目隠しとしての役割は果たすわけですし、おもしろいところに目を付けましたよね。 ちなみに、このトノカバーは、リヤシートのヘッドレストの支柱と荷室脇にあるロック部の計6箇所で固定されています。 通常のトノカバーと比べるとやや取り外しが面倒ですので、実際には外した状態で走ることが多くなるかもしれません。
最後は、荷室などを中心に紹介します。
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