DAIHATSU ミラココア
[エクステリア 外装パーツ インパネ・収納 シート周り 荷室・試乗レポ]
インパネの雰囲気は、「ラパン」にそっくりです。 メーターフードの形状などに違いはあるものの、運転席に座ってみたときの感覚は「ラパン」そのもの。 エアコンの吹き出し口の形状や位置関係、オーディオ、エアコン、シフトレバーの配置など、ほとんどそのままです。 フロントウインドウの立ち具合やボンネットの見え方などもかなり似ているため、本当に「ラパン」に乗っているときとほとんど同じ感覚です。 正直なところ、最初は「ここまで似せていいの?」と思ってしまいました。 しかし、細部まで見ていくと、この車にはこの車なりのこだわりがあり、単なる真似ではないことがだんだんわかってきます。 例えば、サイドウインドウを縦方向に大きくして開放感を高くしたり、センターパネルに傾斜をつけてシフト操作をしやすくするなど、独自の工夫も見受けられます。 また、素材感に徹底してこだわっているのもこの車の特徴で、それぞれのパーツごとに凝った表面加工を施し、他の軽自動車にはない柔らかな質感のインテリアを実現しています。 IR&UVカットフロントガラスの採用によって、夏の直射日光による暑さを軽減するなど、見えないこだわりもあります。 なお、エアバッグについては、両席エアバッグが標準ですが、サイドエアバッグなどの設定はありません。 ライバル車の「ラパン」や「ライフ」はサイド&カーテンエアバッグも装備可能となっていますが、この車にはその設定はなく、安全装備においてはライバルに対抗する気はないようです。
ステアリングホイールは、車名のエンブレムが付いた専用デザインで、「プラスG」は本革巻きとなっています。 これは「ラパン」と同じ手法ですが、メーカーのエンブレムが付いたものよりもオシャレで、上質な感じになります。 また、本革はグリップも太めでサラッとした感触で気持ちいい手触りなので、高級感があります。 なお、他のグレードはウレタンとなりますが、ノーマルグレードに設定されているブラックインテリアパックを装備すると本革巻きになります。
メーターは、見やすい3眼式を採用。 スピードメーターだけをホワイト文字板とし、目立ちやすくしています。 ただ、文字が白色に光るため、ホワイト文字板との相性が悪く、視認性はあまり良いとは言えません。 メッキリングや洒落た字体などは好感が持てますが、もう少し色使いに工夫が欲しかったという気がします。 なお、全車に燃費効率の良い状態を知らせるECOインジケーターを装備しているほか、CVT車には瞬間燃費計を装備するなど、ECO運転をサポートする機能が付いていて、意識的に低燃費走行ができるように配慮されています。
オーディオは、最近のダイハツ車に共通のデザインです。 インパネとカラーを合わせ、ぴったり埋め込まれているので、とてもすっきりしています。 性能は、CDプレーヤー+16cm4スピーカーと一般的なレベルで、6スピーカー採用の「ラパン」や液晶カラーモニター採用の「ライフ」と比べると、特にこだわりは感じられないシステムです。 メーカーオプションのナビも用意されていません。 なお、4AT車の場合は、2スピーカーとなります。 こうやって見ていくと、この車はいったいどこにお金がかかっているのだろうと思ってしまいますが、それは、この続きを見てもらえばだんだんわかってくると思います。
エアコンは、CVT車はプッシュ式のオートエアコン、4AT車はマニュアルエアコンです。 スイッチ類は他のダイハツ車と共通です。 オプションでアップグレードパックというものが用意されていて、花粉除去機能付プラズマクラスターを装備することも可能です。 シフトレバーはストレートタイプで、マニュアルモードの設定はありません。 シフトレバーにシルバーの塗装が施されていて、質感はなかなか良いです。 普通はこういうところでグレード間の差をつけますが、「ミラ ココア」の場合は全車シルバー塗装が施されています。 この車が機能よりも質感を大事にしているということがよくわかる部分ですね。
収納に関しては、ごく一般的なレベルです。 運転席側には、プッシュオープン式のフタがついたドライバーズボックスを装備。 その上には、あまり使えない(?)コインホルダーを装備。 キーフリーシステム装備車は、写真のようにステアリングコラムにツマミがついていますので、電子カードキーを身につけておけば、このツマミを回すだけでエンジンがかかります。 しかし、これも、プッシュスタートボタンが全車標準となっている「ラパン」と比べると見劣りしますね。
カップホルダーは、エアコン吹き出し口の下にあるので、エアコンの風で保温・保冷ができます。 ただし、ダイハツお得意のプッシュオープン式ではなく、引き出し式です。 まさかこんなところまで「ラパン」の真似をしたということはないと思いますが、機能・装備面ではコストダウンを感じる部分が多く、「不景気の影響なのかな」と思ってしまいます。 カップホルダーの構造そのものは、今までのダイハツ車と同じく凝ったものとなっていますが、引き出し式のカップホルダーはダイハツ車では久々に見た気がします。 エアコンの吹き出し口にはメッキリングが付いていて、質感が高いです。 また、ぴったり閉じることもできるので、左右の座席で温度差をつけたいときなどでも大丈夫ですよ。
助手席側のカップホルダーも引き出し式で、ちょっとがっかりしたのですが、でも、新しい試みもありました。 インパネアッパーボックスなのですが、フタが回転格納式になっていて、開けたままにしても邪魔にならないようになっているんです。 容量は小さいですが、開けっ放しにしてトレイとしても使えるし、フタを閉めて収納ボックスとしても使えます。 これはなかなかのアイデアではないでしょうか。 また、グローブボックスはスローモーションオープン式となっていて、ゆっくり開くので質感が高いです。 さらに、アップグレードパック装着車には、夜間の使用に便利なグローブボックスランプも装備されます。 こういった部分にこだわるのがダイハツの特徴なんですが、カップホルダーだけが残念ですね。
足元には、2名分のカップホルダーとCDなどが入る大きめのロアポケットが装備されています。
最近の新型車には、ちょっとした変化が起きてきています。 それは、助手席の快適性の向上です。 以前の軽自動車は、運転席優先の設計になっていて、助手席に乗ると窮屈な思いをすることが多かったのですが、最近の軽自動車は助手席に乗っても快適です。 それは、単に空間が広くなったというだけのことではなく、例えば、インパネの形状を工夫して膝周りに余裕を持たせたり、フロアに傾斜を作って足を踏ん張りやすくしたりといった細かな工夫の積み重ねなんです。 この車も、グローブボックスを少し凹ませて膝周りの空間を広く取っているほか、フロアを傾斜させて自然な姿勢で足を踏ん張れるようになっています。 ですから、助手席に乗っても快適なんです。 センターパネルを手前に傾斜させていることや絶対的な空間の制約から、センターパネルに膝が当たってしまうことはありますが、左右に伸びやかなインパネデザインのおかげもあって、感覚的にはとても広々としています。 最新の軽自動車を見る際には、後席の広さだけでなく、助手席の快適性にもぜひ目を向けてみてください。 なお、この車はオプションが豊富で、特にインテリアのコーディネイトは何種類も楽しめるようになっていますので、その点でも助手席の人を楽しませてあげられるかもしれませんね。
次は、シート周りを中心に紹介します。ここがもっともこだわりを感じる部分ですよ。
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