(2006/11〜現行モデル) 取材日:2006/11/7
SUZUKI セルボ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り 収納&シート周り 荷室&試乗レポ]
ベーシックな「アルト」とかわいくて運転しやすい「ラパン」という2つのセダンタイプを持つスズキから、今度は上質感を追求した新型セダン「セルボ」が発売されました。 「セルボ」というネーミングは、新規格移行時に消えてしまった車の名前を復活させたものですが、今までの軽自動車の枠を超えた質感やデザインへのこだわりの強さなどは、まったく新しい流れを作る車と呼べる先進性があります。 では、実際にどんなところが新しいのか、早速紹介してくことにしましょう。 なお、グレードや年式によって装備内容は異なりますので、購入を検討される際は、必ずカタログ等でご確認ください。
フロントは、スズキにしてはずいぶん大胆なデザインを採用しています。 ヘッドライトは縦に大きく切れ込んでいて、表情はかなり鋭いです。 また、バンパー一体型のフロントグリルがとにかく大きくて、大型のメッキモールまで装備するなど、威圧感さえ感じるほどのフロントフェイスです。 バンパーの開口部もワイドで、今までのスズキ車にはなかった大胆さを感じます。 フロントガラスは傾斜が強く、ボンネットはセダンタイプとしてはやや短く、正面から見るとどのボディタイプに属するか微妙に思える車です。 グレードによってフロントのデザインは異なり、ターボ車はメッキモールにインタークーラー用のインテークが設けられていて、上級グレードにはさらにエアロパーツやフォグランプなども付いています。
写真で見るとリッターカークラスのコンパクトカーに見えてしまうほどの伸びやかで質の高いデザインです。 ボンネットのプレスラインがピラーへとつながっている巧妙なデザイン、ゆるやかなアーチを描くルーフ、リヤフェンダーのボリューム感など、軽自動車の枠内でデザインされたとは思えない造形が、軽とは思えない存在感を出しています。 もちろん、実際の寸法は枠内に収まっているわけなので、このデザインによって室内空間や視界は当然犠牲になってしまうのですが、それらを犠牲にした価値は十分にあると言えるエクステリアです。 ただ、ウインドウウォッシャーノズルがボンネット上にあるため、ボンネットに水跡が残ってしまう心配があるのと、ワイパーが室内からもけっこう見えて邪魔に思えるのが惜しいところです。 これらは他のメーカーの新型車ではほとんど解決されている部分ですし、質感にも影響する部分です。 全体のデザインにここまでこだわったのなら、もう一歩がんばって欲しかったという気はします。
ウエストラインとプレスラインがリヤに向かって高くなっていて、ルーフは逆にリヤに向かって低くなっているというスタイリッシュなサイドビュー。 フロントとリヤのガラスはかなり傾斜し、軽自動車ではあまり見ないシルエットですし、輸入コンパクトカーのような雰囲気さえ漂っています。 リヤドアガラスはそれなりに面積があるように見えますが、実は後ろの方が黒いガーニッシュでデザインされているために大きく見えるのであって、実際のガラス面積はけっこう小さいので、後席は包まれ感が強いです。 室内長は1840mmで、最近の軽としては広いほうではありません。 数値上は「アルト」と同じですが、実際にはそれよりも狭く感じます。 全高は1535mmで、セダンタイプとしては高いほうなのですが、デザイン優先であることに加えてホイールベースがほとんどのスズキ車に共通の2360mmであるため、どうしても室内空間に余裕を感じることはできません。 ただ、この車は心地よい包まれ感による上質さも狙っているので、これも演出の一つだと思えば納得できるかもしれません。
ボディの上半分が絞り込まれ、リヤガラスも小さめであるため、下半分にボリューム感があり、軽自動車らしくない印象のリヤ周り。 アンテナは、全車可倒式センターアンテナを採用しています。 グレード構成は非常にシンプルで、NAエンジンの「G」、ターボエンジンの「T」、エアロパーツや上級装備をプラスした「TX」という3種類のみ。 このページの写真の車は「TX」です。 ボディカラーは、ビーナスゴールドメタリックやジュエルパープルパールメタリックといったこだわりの新色から、ブラックやパールホワイトなどの定番色まで、全7色となっています。 最近の軽としてはやや少なめながら、都市の夜景に似合う色をチョイスしたというカラーラインナップは、どれも大人っぽい雰囲気で、上質なエクステリアデザインをより引き立ててくれます。
リヤビューはかなり個性的です。 逆台形でサイドまで回り込んだデザインのリヤガラスや、横長で上下3段に色分けされたリヤコンビランプなど、ユニークで新しい印象を与えるリヤビューとなっています。 パネルとパネルの間の隙間がなるべく目立たないようにデザインされていることも、滑らさと艶やかさが感じられる要因の1つでしょう。 軽自動車では、サイズの制約上リヤビューに個性が感じられる車というのが少ないのですが、この車は個性的かつプレミアム感が漂っていて、リヤビューにこだわる人にとっては魅力的な車と言えると思います。 なお、リヤワイパーは全車標準装備となっています。
では、エクステリアのパーツをもう少し細かく見てみましょう。
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