HONDA Nボックス
[外観 外装パーツ インパネ周り シート周り&収納 荷室ほか]
荷室は、軽最大級の居住空間を実現し、リヤシートスライドも装備してないことも考えると、かなり広いです。 しかも、床面がかなり低いので、積載能力はとても高いです。 スライドがないため荷室容量をフレキシブルに変化させることはできませんが、4人乗車でも常にこれだけ確保されているわけですから、まったく問題ないでしょう。 どうしても足りないときは、シートバックを倒すか、座面をチップアップさせるという手段がありますからね。
これだけ低い床面でも、ラゲッジアンダーボックスはしっかり装備されています。 このスペース効率の高さには本当に驚かされますね。 スペアタイヤは装備されず、代わりにパンク修理セットが装備されています。
ドアトリムもかなりこだわっています。 普通車並みに上半分ほとんどがクロス貼りとなっていて上質感があり、また、メッキインナードアハンドルやグロスブラックパネルなど複数の素材を惜しみなく投入することにより、今までの軽自動車よりもワンランク上の上質感を実現しています。 ドアアームレストの幅も十分にありますし、肘の当たる部分をえぐってゆとりを持たせるなど、すべてのポイントをしっかり押さえていますね。 ドアポケットも大きめでドリンクホルダーもついてますし、完璧といっていいほどの出来です。 ただひとつ文句があるとすれば、グロスブラックパネルのフィット感がイマイチで、いかにも後付けっぽい感じがするので、ここだけ気をつけてくれれば、並みの普通車よりも高級なドアトリムと言えるレベルですね。
スライドドアなので、リヤドアトリムは平面的です。 しかし、柔らかな曲線がデザインされていて、他の軽と比べれば質感が高いですね。 パワーウインドウ周りが若干安っぽいかなという印象はありますが、軽のスライドドアのトリムとしてはよくできていると思います。
天井にはマップランプを装備。 おもしろいのは、サンバイザーがかなり手前のほうについているということ。 この手の車は、天井が高いのでサンバイザーに手が届きにくいため、そこに配慮したものなのでしょう。 この車は特にフロントウインドウが立っているので、ルーフの先端までの位置が遠く、普通の車と同じ位置につけると本当に手が届かなくなる恐れがありますからね。 また、フロントクォーターウインドウも大きいので、横に回したときにもこの位置じゃないと機能しないですね。
かなり大きなサンバイザーなのに、バニティミラーはけっこう小さめ。 全グレードに両席標準装備なのはうれしいですが、照明付きじゃないのがちょっと残念。 夜に使うときはマップランプを照明として使うことになりそうです。
1BOX車みたいに乗降グリップがついてますので、後席の乗り降りもラクラクです。
この車にはバックカメラがパッケージオプションで設定されていますが、実はバックカメラがなくても他の車よりも安心なんです。 バックドアのハイマウントストップランプの室内カバーにミラーが取り付けてあって、これで後ろの死角となる部分が確認できるようになっているんです。 これはなかなかのアイデアですね。 最近は車外に複数のカメラを装備してドライバーを支援する車も増えていますが、この車のようにミラーをうまく利用することで、コストをかけずに死角をなくすというのも、エコノミーやエコロジーの観点からは重要じゃないでしょうか。 コストをかけていないから、全グレードに標準装備できるわけで、これは本当に運転する人のことを考えているなと感心しました。 フロントピラーのサイドビューサポートミラーと合わせて、運転な苦手な人の味方となってくれること間違いなしです。
エンジンは、DOHC3気筒で、58馬力/6.6kg・mというスペック。 アイドリングストップを採用し、この大柄なボディながら24.5km/L(10・15モード)という低燃費を実現しています。 また、注目すべきは、ターボがほとんど売れないこの時代に、あえてターボエンジンも新開発したということ。 2600回転という低い回転域から10.6kg・mという高トルクを発するエンジンで、パドルシフトと合わせることで、980kgという重い重量でもストレス無く走れるように配慮されています。 今まで、広さか走りかという2択を迫られていた軽ユーザーも、この車ならその両立が可能というわけです。 ただし、ターボ車にはアイドリングストップが採用されておらず、燃費も21.0km/L(同)となりますので、その点は注意が必要です(大柄なボディのターボ車としてはこれでも十分に低燃費ですけどね)。
いかがでしたか。 実際の走りについては、また別途試乗レポートを追加したいと思いますが、こうやって見てみただけでも、この車が他のライバル車とはずいぶん違う車だということがわかっていただけたかと思います。 「Nボックス」の「N」には、まったく新しい軽自動車という「New」などの意味が込められているそうですが、まさにその想いが詰まった車だということを感じることができました。 軽自動車に対しての取り組みが不十分であったことをメーカー自ら認め、本気で巻き返しを図る決意をして送り出した「Nボックス」。 この車が、今後発売される軽のレベルをまたひとつ引き上げることになるのは間違いないです。
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