DAIHATSU ミライース
[外観 外装パーツ インパネ周り シート周り&収納 荷室&試乗レポ]
荷室はやや狭いかなといった感じですが、セダンタイプで居住空間をしっかり確保すれば、このくらいになってしまうのは仕方ないですね。 シートがスライドすれば問題ないのですが、この広さで固定されているので、不満に思うことも出てくるかもしれません。 ハイブリッドカーではないので、荷室が犠牲になるようなこともなく、他の一般的なセダンタイプとまったく同じ使い勝手です。 価格もほぼ同レベルですし、燃費性能と引き換えに犠牲になっているものが何もないという状態なので、これは本当にうれしいですね。 シートバックのロック解除レバー(写真左上)が工夫されていて、操作しやすくなっているのも良いですね。
リヤシートのスライドやリクライニングができないので、荷室を広げるにはシートバックを倒すしかありません。 シートバックを倒したときの段差は、多少気になるかなといった程度で、実用上は問題ないでしょう。 ただ、床板がペラペラなので、あまり重い荷物は載せないほうがいいかもしれません。
走行用の特別なバッテリーを必要としないので、荷室の下にはアンダーボックスを装備する余裕まであります。 細かく仕切られていて、容量はあまりないですが、外から見られたくないものを収納するときなどに便利ですね。 ちなみに、スペアタイヤは装備されておらず、代わりにパンク修理セットが装備されています。 これもおそらく、軽量化のためでしょう。
バニティミラーは、全グレードに両席装備となっていますが、照明は付きません。 また、マップランプなどの装備もなく、室内照明はルーフ中央のルームランプ1つのみです(写真左下)。 ダイハツは、室内のランプが充実している車が多いのですが、この車は珍しく1つのみで、ここで一番コストダウンしている感じがします。
「G」には、VSCが標準装備されています。 VSCとは、横滑り防止装置のことで、カーブなどで車両が安定性を失ったときに、エンジンやブレーキなどをコントロールすることで横滑りを防止してくれるというものです。 事故を未然に防ぐシステムとして非常に有効なのですが、軽ではもちろん、普通車でも標準装備している車はまだまだ多くありません。 それが、112万円の車に標準装備というのは驚きです。 現在の軽は普通車と同じ基準で衝突安全性が確保されているとは言っても、事故に遭わないのが一番ですから、こういった事故を未然に防ぐ装置が装備されているというのは非常にありがたいですね。 写真の一番左のスイッチがVSCのスイッチで、機能をOFFにすることも可能となっています。 アイドリングストップのスイッチもあり、こちらもON/OFFが切り替えられるようになっています。 右下に丸いスペースがありますが、ここには、オプションのスマートドライブパックを選んだときにエンジンスタートボタンが装備されます。
この車は、オーソドックスなセダンタイプなので車両感覚がつかみやすく、運転もしやすいです。 斜め後方の視界も、このとおり死角が少ないので、バック時も安心です。 また、リヤ周りのウインドウ用にIRカットフィルムというものが純正オプションで用意されていて、紫外線だけでなく赤外線もカットして暑さを和らげることができるので、夏の暑さが気になる人は、検討してみるといいかもしれません。
さて、ここからは試乗レポートです。 試乗したのは、量販グレードとなる「X」です。 まず最初に感じたのは、加速のふんわり感です。 パワーが控えめになっていることはわかっていたのですが、どんなアクセル操作をしてもふんわり加速するように制御されているような、そんな感じです。 車両重量が730kgしかないので、もっと軽快な走り出しを期待していたのですが、まったく想像と違いました。 でも、逆に言えば、誰が運転してもスムーズで燃費の良い運転ができる車となっているようで、この車はそれで良いのかもしれません。 ある程度スピードが出てくると、そこからはさすがに軽量ボディのメリットが出てきて、軽快に加速していきます。 発進時のふんわり感さえ慣れてしまえば、走りそのものには不満はありません。 静粛性については、エンジン音はかなり静かですが、ロードノイズが大きいのが惜しいところです。 ミッションの音は、今までのダイハツのCVT車の金属的な「ヒュイーン」という音ではなく、「ヒューン」というモーターのような音が常に鳴っている感じで、ガソリンエンジン車なのにハイブリッドカーや電気自動車に乗っているような感じで、不思議な感覚でした。 ブレーキのタッチもふんわりした感じですが、減速時のエネルギー回生に関しては、不自然な感じはなかったです。 アクセルを戻すたびにメーターに「CHARGE」の文字が出るので、「ああ、節約してるな」と実感できます。 加速や減速は全体的にふんわりした印象ですが、足回りはやや硬めで、しっかりした走りです。 加速はふんわりでも、乗り心地はふんわりではありません。 車高が低いということもあり、トールワゴンのような揺すられ感もないですし、走りは非常に安定しています。 印象としては、ドライバーにとっては少々退屈かもしれませんが、同乗者にとっては非常に安心感のあるドライブが楽しめるのではないかといった感じです。 ところで、試乗を終えて帰る途中で気付いたのですが、試乗中一度もアイドリングストップが働きませんでした。 アイドリングストップが働くには、一定の条件が満たされる必要があるのですが、一度もストップしないとなると、エコアイドルスイッチがOFFになっていた可能性があります。 うっかり確認し忘れていたので、アイドリングストップを体験しないまま試乗を終えてしまったのです。 これについては、後日もう一度試乗して確かめたいと思いますが、みなさんも試乗される際にはエコアイドルスイッチがONになっていることを確認するようにしてくださいね。
いかがでしたか? 電気モーターのアシストなしでハイブリッドカー並みの超低燃費を実現した画期的な軽自動車「イース」。 私もついエコアイドルスイッチの確認を忘れてしまうほど、今までの軽とはちょっと違う感覚の乗り物なんです(笑)。 写真で見るとそれほど特別な雰囲気は感じられないかもしれませんが、誰もが普通に乗れる格安のエコカーが登場したということは、自動車業界にとってはかなり衝撃的なことのはずです。 ボディの小さな軽自動車は、材料も少なくて済むので環境にやさしいですし、部品代などの維持費も安く済むのでお財布にもやさしい車です。 エコロジー+エコノミーで誰でも乗れる真のエコカーに、あなたもぜひ乗ってみてください。
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