DAIHATSU ミライース
[外観 外装パーツ インパネ周り シート周り&収納 荷室&試乗レポ]
ヘッドライトは、内部がブラックアウトされているのが特徴で、キリッとしたデザインです。 マルチリフレクター式のヘッドランプはハロゲン式で、ディスチャージヘッドランプの設定はありません。 安い価格設定を実現するためだと思いますが、せめてHIDのオプション設定は欲しいところです。 フォグランプは、全車にディーラーオプションとして設定されています。
葉っぱをモチーフにしたというリヤコンビランプは、LEDが採用されています(ハイマウントストップランプもLEDを採用)。 最近は、軽でもLEDリヤコンビランプの採用が広がってきていますが、特にこの車のようにアイドリングストップ付きの場合は、エンジンをストップさせたままブレーキを踏みっぱなしにすることが多いので、バッテリーの負荷を減らすLEDリヤコンビランプは必須といえます。 燃費の面で有利なアイドリングストップ付きの車も、実はバッテリーの負荷が大きくなるため高性能バッテリーが必要というデメリットがあり、バッテリー交換の際には多額の出費が必要になってしまうということはあまり知られていません。 「イース」は、その点もしっかり考えられていて、LEDランプや減速時のエネルギー回生システムなどの採用によりバッテリーの負荷を減らし、1万円強の価格までバッテリーの価格を抑えることに成功しています。 燃費が良ければガソリン代は安くなりますが、その他の維持費が高くては(経済性の面で)エコカーとは言えません。 もともと維持費の安い軽自動車を専門に造っているメーカーだからこそ、こういった維持費の面までちゃんと考えて開発しているのです。
大きなメッキグリルには、「イース」だけの専用エンブレムが付いています。 ダイハツ車といえば楕円にDのマークですが、この車のエンブレムは葉っぱをモチーフにした専用デザインとなっています。 たかがエンブレムと思うかもしれませんが、これだけでずいぶん車の印象が変わるんです。 シンプルなデザインなのにどこか特別な存在感があるのは、このエンブレムの影響もかなりあります。 あの「コペン」でさえ普通のエンブレムなのに、わざわざ専用エンブレムにしたということは、やはりこの車はダイハツにとって特別な車なのです。 ちなみにリヤは普通のエンブレムですけどね。
ドアハンドルは、新型「ムーヴ」と同じデザインで、廉価グレード以外ではシルバー塗装となっていて質感も高いです。 ただ、やはり安っぽい鍵穴は相変わらずです。 装備面でちょっと気になるのが、キーフリーシステムについてです。 最近は軽でもキーフリーシステムが標準装備になっている車が多いのですが、「イース」の場合は、キーレスエントリーが標準で、キーフリーシステムは最上級グレードの「G」のみにメーカーオプションとなっています。 キーフリーシステムは、スマートドライブパックとしてパックオプションになっているので、付けると車両価格が4万円以上高くなってしまいます。 確かに、ドアミラーがキーフリー連動でオート格納されたり、プッシュスタートスイッチが付いたりと、魅力的なパックオプションではありますが、価格が安いのもこの車の魅力のひとつですので、そこは考えどころですね。 ちなみに、795,000円の「D」グレードでは、パワードアロックさえも付いていないのでご注意を。
ドアミラーは、「G」のみターンランプ付となります。 グレードによって電動格納式だったり手動式だったりと、細かく装備内容が違いますが、メーカーオプションのスマートドライブパックを選択した場合には、ドアロックに連動して自動的に格納されるオート格納式ドアミラーが装備されます。
こちらは、995,000円の量販グレード「X」のドアミラーです。 ターンランプはドアミラーではなくフェンダー部分に付きます。 この車はグレードによる外観の違いがあまりないのですが、ドアミラーターンランプ、メッキグリル、アルミホイールは、「G」だけの専用装備となっています。
この車の最大の特徴は、なんといっても32km/Lの超低燃費ですが、そのコア技術となるのが、この「新エコアイドル」です。 「エコアイドル」というのは、ダイハツのアイドリングストップ装置の愛称で、新型「ムーヴ」に初採用されました(アイドリングストップ自体は「ミラ」にもありました)。 「イース」の「新エコアイドル」は、「ムーヴ」のシステムをさらに進化させたもので、車が完全に停車する前からエンジンを停止します。 具体的には、停車前に時速約7kmになったときから、エンジンを停止させます。 一般的なアイドリングストップ装置では、停車してしばらくしてからエンジンが停止しますから、それだけでも停車のたびに数秒の違いが出ることになります。 また、渋滞中の繰り返し停車ではエンジンがストップしないようにしたり、エンジン始動時の振動を和らげたりと、快適性も「ムーヴ」のシステムより進化しています。
エンジンは、KF型の3気筒エンジンで、基本的には他のダイハツ車と同じエンジンなのですが、さすがに燃費重視の車なので、52馬力/6.1kg・mと、スペックはやや控えめになっています。 また、全体的な制御も燃費重視になっているようです(走りについては後の試乗レポートで詳しく触れます)。 この車の特徴のひとつとして、どのグレードを選んでも32km/Lという超低燃費が手に入るという点が挙げられます(4WD車は除く。以下同じ)。 30km/Lレベルのエコカーが各メーカーから発売されるようになってきましたが、一部のグレードに限られていたり、もともと車両価格が割高だったりと、実際に購入するにはまだハードルが高いというのが現実でした。 そんな中で、この車は、80万円を切るグレードでも、豪華装備のグレードでも、すべてで同じ燃費なんです。 とにかく安く乗りたい人も、豪華装備で快適に乗りたい人も、みんな32km/Lなんです。 そして、もうひとつの特徴が、実用燃費も良いということ。 今まではカタログ燃費には10・15モードの数値が使われてきましたが、今後は、より実用燃費に近いJC08モードというものに変わっていきます。 「イース」は、このJC08モードでも30km/Lなんです。 誰もが知っているハイブリッドカー「プリウス」が32.6km/Lですから、実用燃費はそれとほとんど変わらないレベルということになります。 それでいて、価格は「プリウス」のほぼ半額ですから、エコロジー&エコノミーという意味では、今のところ最強のエコカーと言えるでしょう。
タイヤサイズは全グレード共通で、155/65R14となっています。 燃費重視の車では、細く貧弱なタイヤを装着することが多いですが、この車は標準的なサイズで安心感があります。 燃費と引き換えに安定した走りが犠牲になるのではなく、従来の車と同じ感覚で運転できて燃費だけが良い車こそ、理想のエコカーですからね。 アルミホイールは、「G」のみ標準装備となります。
次は、気になるインテリアを見てみましょう。
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