カーチェック

ここでは、毎回1車種をピックアップし、雑誌等ではあまり触れられていない
デザイン、質感、使い勝手にこだわって徹底的にチェックしていきます。

(2008/9〜現行モデル)
取材日:2008/9/18

MITSUBISHI トッポ

[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室他]

 セダンタイプの天井をそのまま高くして頭上空間を確保するというユニークなアイデアで話題となった「トッポ」。
 初代の「ミニカトッポ」から新規格になって「トッポBJ」へと進化した後、しばらくの間生産中止となっていました。
 しかし、その「トッポ」が、パーツの大部分を他車や旧型から流用するというカタチで復活しました。
 一度生産終了となった車が、数年後に同じパーツを使って復活するというというのは極めて珍しいのですが、数年の時を経ても、他社のトールワゴンとは一味違う雰囲気を持った魅力的な車であることは変わっていないようです。
 そんな「トッポ」の魅力を、たくさんの写真で早速見ていきましょう。

フロントフェイス フロントは、旧型と比べるとずいぶん洗練されたイメージになりました。
 どこかで見た顔つきだと思う人も多いと思いますが、実はヘッドライトやボンネットは「eKスポーツ」からの流用で、フロントグリルもマイナーチェンジ前の「eKスポーツ」と同じデザインになっています。
 フロントグリルはクリアスモークになっていて、中のメッキが透過することでヘッドライトとの一体感や高級感を出していますが、そのフロントグリルにうっすら見える6つの楕円は、もともとは「eKスポーツ」のアイコンでした。
 そうやって細かく見ていくと、この車が既存のパーツをうまく利用して作り上げられた車だということがわかります。
 しかし、フロント周りには、新たに設計された「トッポ」専用のパーツもそれなりに使われています。
 まずはフロントバンパーで、リップスポイラー一体型のスポーティなデザインで、開口も四角く大きくとってあるので、迫力があります。
 また、フロントフェンダーも専用デザインになっていて、「eK」よりもボンネットが幅広く見えるようにデザインされています。
 さらに、フロントグリルの下にメッキモールを設けることで、ヘッドライトとフロントグリルが横一直線になっているように見えるため、「eKスポーツ」とはまた違ったボクシーな雰囲気のフロントマスクになっています。
 前に立って見ると、他のトールワゴンのようにガラスが近くに押し迫っている印象がなく、やや普通車に近いようなスマートな印象を受けます。
 「eK」と比べると、フロント周りのボリュームは変わらないのですが、ルーフだけが縦に細く伸びたような印象です。
 写真でもフロントガラスが大きいことがわかると思いますが、正面に立つとドライバーが丸見えな感じです。
 フォグランプは一部グレードのみ標準で、他のグレードでは写真のようにバンパーに丸い形だけが付いていしまいます。

斜めから 斜めから見ると、この車の独特のスタイルがわかりやすくなります。
 他のトールワゴンはもっとウエストラインが高くて、ミニバン的な雰囲気なのですが、この車はウエストラインが低く天井だけが高い感じなので、ガラスが非常に大きくなっています。
 このあたりは、生産終了前の「トッポBJ」と同じ雰囲気ですね。
 いや、同じ雰囲気というより、まったく同じです。
 それもそのはず、この車、フロントピラーより後ろのパネルはすべて生産終了前の「トッポBJ」から引き継いでいるのです。
 つまり、フロント周りを隠してしまうと、かつての「トッポBJ」とまったく同じデザインということなのです。
 それにしても、意外に違和感なくまとまっていますし、思ったより古臭さはないですね。
 新たにデザインされたフロントフェンダーも、ブリスターフェンダー風のリヤのデザインとうまくマッチさせています。

サイドビュー サイドビューでは、さらにガラスの大きさが目立ちます。
 ドアサッシュが光沢のあるブラックでブラックアウトされていて、これもガラスの大きさを強調する効果があります。
 最近のトールワゴンはボンネットを短くしてキャビンをギリギリまで広くするのが主流ですが、この車は設計が古いこともあり、このタイプにしてはボンネットが長めです。
 しかし、1680mmという「パレット」や「タント」に次ぐ高さの全高によって、縦方向には十分な余裕があるので、感覚的にはキャビンは広々としています。
 基本的なメカニズムは「eK」がベースになっているので、ホイールベースは2340mmと、最近の軽としては短めです。
 「eK」自体が「トッポBJ」が現役だった頃のメカニズムを踏襲しているので、「eK」のフロントに「トッポBJ」のキャビンをそのままくっつけても無理なく車として成立してしまうわけです。
 同じメカニズムのまま小改良で乗り切っていることが、思わぬところで役に立ったということです。

斜め後ろ 斜め後ろから見ると、「トッポBJ」とほとんど見分けがつかなくなります。
 この角度で見える部分はほとんど「トッポBJ」のパネルをそのまま使っているのですから、当たり前ですね。
 グレード構成は、廉価グレードの「S」、スモークガラスなどが付いた量販グレードの「M」、HID、本革ステアリングなどが付いた上級グレードの「G」、ターボエンジン搭載の「T」という4種類。
 さらに、専用メッキグリル、専用メッキ入りフロントエアダム、専用サイドエアダム、ルーフスポイラー、ブラックメタリック専用センターパネルなどを装備した「ローデストG」「ローデストT」という上級モデルも用意されています。
 写真の車は「G」で、ドアサッシュブラックアウトやHIDなどが装備されたスタイリッシュな売れ筋グレードです。
 価格は、934,500円からという設定で、トールワゴンとしては安いと思えますが、実は「S」は3ATでスモークガラスやホイールキャップさえも装備されない廉価グレードなので、装備内容で考えると他のトールワゴンより特に安いということはありません。
 むしろ、既存パーツを多様して特殊な装備もないわりには割高ではないかとも思えます。
 メーカーの苦しい台所事情を考えるとやむを得ないのかもしれませんが、初代「eKワゴン」がヒットした理由のひとつに、割安な価格設定があったのは間違いないのですから、この「トッポ」も、既存パーツを多用したメリットを生かしてもっと割安感のある価格設定にしたほうが注目度がアップするのではないかと思います。
 ミッションは「S」が3ATで、その他は4ATのみ。
 全グレードに4WDの設定があります。
 ボディカラーは、定番のホワイトパールやブラックなどのほかに、ラズベリーレッドパールやオーシャンブルーメタリックといったきれいな色やイエローソリッドといった目立つ色まで全8色(ローデストは4色)を用意しています。

リヤビュー リヤビューは、ほとんど「トッポBJ」そのままですが、細かく見るといろいろと違いはあります。
 まず、バンパーのデザインが変更になり、リフレクターが丸くなっています。
 おそらくフロントのフォグランプスペースの丸をデザインの一部として認識させるための苦肉の策でしょう。
 「トッポBJ」にあったリヤバンパーの段差もなくなり、リヤワイパーもガラス上部に移動したので、リヤビューはかなりすっきりした印象です。
 リヤワイパーがガラス上部に設置されている車は珍しく、普通はガラスハッチを採用した車が構造上仕方なくこの手を使うのですが、この車はガラスハッチは採用されていません。
 「トッポBJ」ではガラスハッチのグレードも一時存在していて、そのときのパーツを流用したものと思われます。
 そのほかには、エンブレムが右下から左下に移動してるなど、本当に細かい変更点がありますが、リヤビューを見て新型だとすぐにわかる人はほとんどいないでしょう。
 バックドアは横開きを継承していますが、パネルそのものをそのまま受け継いでいるため、ドアハンドルの横に鍵穴がついています。
 最近の軽では防犯上やデザイン上の理由で運転席以外の鍵穴は廃止されているのですが、いくら新型といっても、旧型の部品をそのまま使っているために、こういったところに設計の古さが出てしまいます。

 次ページでは、エクステリアのパーツを細かく見ていきます。


   

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