MITSUBISHI トッポ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室他]
新型「トッポ」のインテリアで一番特徴的な装備がこれです。 インパネは「eK」、その他は「トッポBJ」からの流用ですが、実はシートだけは新たに専用設計されたもので、その特徴的な部分がこのドリンクホルダーなんです。 運転席と助手席の間に埋め込まれたドリンクホルダーは、ちょっとユニークです。 ホンダの「ゼスト」など、この手法を採用している車は他にもあるのですが、少数派であることは間違いないです。 使い勝手は悪くないと思いますが、ウォークスルー時は邪魔になるかもしれませんね。 実は、ドリンクホルダーをここに設けたのには理由があります。 「eK」の場合はドアにドリンクホルダーがあるので、インパネにはドリンクホルダーがありません。 ならばこの車もドアにドリンクホルダーをつければよかったのですが、それもできないのです。 「トッポBJ」はインパネにドリンクホルダーがあったので、ドアトリムにはドリンクホルダーがありませんでした。 つまり、ドリンクホルダーのない「eK」のインパネと、ドリンクホルダーのない「トッポBJ」のドアトリムを同時に使ってしまったので、ドリンクホルダーがまったくなくなってしまったのです。 そこで、新しく設計したシートにドリンクホルダーを設置するしかなかったということなのです。 最終的にはなんとか解決できていると思いますが、やはり複数の車からの既存パーツの流用というのは、いろいろなところにしわ寄せが来てしまうということです。
後席用にも1人分のドリンクホルダーはありますが、これは正直いって使いにくいです。 フロントシートの間の床面にあるので、位置が低く、かなり遠いです。 「eK」では、リヤドアアームレストに立派なドリンクホルダーがついていて、非常に使い勝手がよいのですが、この車は「トッポBJ」のドアトリムを使っているので、ドアトリムにドリンクホルダーがありません。 こういったところに、どうしても設計の古さが出てしまいます。 後席の居住性は「eK」よりもかなり良いだけに、これはもったいないですね。
フロントシートは、「eK」よりもかなり柔らかめになっています。 また、座面もシートバックもサイドサポートがかなりしっかりしています。 座面の長さも長めになっていますし、新しく設計されただけあって、フロントシートはなかなか快適です。 運転席ハイトアジャスターが全車標準装備となっているのもうれしいですね。 メーカーによってはオプションとなっている場合もあるので、これは他の車と比較するときのひとつのポイントとなるでしょう。 また、着座ポイントもセダンタイプに近い感じで、一般的なトールワゴンタイプとは感覚が違います。 トールワゴンタイプの運転が苦手という人は、この車も一度見てみるといいかもしれません。 フロントシートでおもしろいと思ったのが、運転席と助手席でシートの形状が違うということです。 フロントシートは座面までサイドサポートがしっかりしているのに対し、助手席は座面が平坦になっているのです。 ですから、運転席と助手席で座り心地が違います。 購入を検討する際には、運転席だけでなく、助手席にも座ってみたほうがいいと思いますよ。 写真ではビニールがかかっていてわかりにくいと思いますが、シート生地はちょっと硬めの立体感のあるもので、色は紫っぽい感じで大人の雰囲気という印象です。
センターアームレストは、1人用としてなら大きさは十分で、高さも高めで使い心地はよいです。 収納などはありませんが、柔らかくて気持ちいいです。 「eK」に乗ったことがある人は、それと同じだと思ってください。 ただ、シート生地と色や材質が合っていないのが気になります。 肌触りはよいのですが、できればシート表面の生地と合わせて欲しかったですね。
リヤシートは、なかなか快適です。 「eK」のリヤシートと似ているように見えますが、それよりも座面がかなり柔らかくなっています。 座面もシートバックも平坦なデザインなので、包まれるような感覚はありませんが、行儀よく自然な姿勢で座れるシートです。 フロントシートをかなり後ろにスライドさせても、写真のようにひざ周りはずいぶん余裕があります。 カタログによれば室内長は1900mmとなり、「トッポBJ」よりも165mmも長くなっているのですが、どうやらこれはインパネの形状や測定方法による変化であって、実際の広さはあまり変わっていないようです。 最近は2000mmを超える室内長を持つ軽も珍しくなくなってきたので、感動するほどの広さではありませんが、十分な足元スペースと、十分すぎる頭上スペースによって、広さに関してはまったく不満はありません。 「eK」と比べても、特に頭上空間はこぶし2つ分くらいは違います。 カタログ上でも、後席の頭上空間は145mmの違いがありますが、実際にそれを体感できました。 ちなみに、「トッポBJ」と比較しても25mm高くなっています。 その頭上空間にプラスして、大きなサイドウインドウが圧倒的な開放感を生んでいるので、上半身の広々感はかなりのものです。 シートの機能としては、かなり細かくリクライニングができるので、それなりに快適ですが、スライドができないのが残念なところです。 「ミラカスタム」のようにセダンタイプでリヤシートスライドができる車もあるのですから、後席が一番重視されるトールワゴンタイプの車でシートスライドができないというのは、他車と比べて大きなマイナス点になるでしょう。
フルフラットは、もちろんOKです。 フロントのヘッドレストを外せばきれいにリヤシートの座面とつながります。 フロントシートのサイドサポートが強めなことやアームレストがあまり大きくないことなどから、フラット感はイマイチですが、普通の休息程度なら問題ないでしょう。 シートが柔らかめなので、クッション性はよいです。 この車の最大の特徴であるクラストップの室内高1430mmを満喫するには、フルフラットにしてゴロ寝するのが一番いいかもしれないですね。
フロントドアトリムは、前述したとおり「トッポBJ」のものをそのまま使っています。 しかし、これが意外によいのです。 最近は生地を貼らずにプラスチックだけのドアトリムでコストを抑える車もありますが、この車はかなり広範囲に生地が貼ってあります。 また、ドアアームレストが高めでセンターアームレストとの高さもだいたい合っているので、とても使い心地がよいのです。 ドアアームレストの幅がもう少しあれば、かなり快適になりますが、この状態でも「eK」よりよくできているように感じました(こっちのほうが設計は古いのに・・・)。 ドアポケットは小さめですが、インパネの収納が増えているので問題ないでしょう。 あとは、スピーカーのデザインをどうにかしてもらって、インナードアハンドルをメッキにするなどすれば、質感もかなりよくなりますね。
リヤドアトリムは、生地を省略する車が多いのですが、この車はきちんと生地が貼ってあります。 ドアアームレストも、フロントより幅が狭いものの、位置はちょうどよいですし、パワーウインドウスイッチもちゃんとアームレスト上に配置されていますので、使い勝手も質感も一応合格点です。 これで「eK」のようにドリンクホルダーがついていればかなり良かったのですが、旧型のをそのまま使っているから仕方ないです。 ドアポケットが小さく、スピーカーのデザインが古いなど、改良して欲しい点は多々ありますけどね。
では、荷室やその他の装備なども見てみましょう。
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