カーチェック

ここでは、毎回1車種をピックアップし、雑誌等ではあまり触れられていない
デザイン、質感、使い勝手にこだわって徹底的にチェックしていきます。

(2008/9〜現行モデル)
取材日:2008/10/1

SUZUKI ワゴンRスティングレー

[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]

 スズキの人気車種「ワゴンR」に、新たに上級車種として「スティングレー」が登場しました。
 今までは、「RR」がイメージリーダーとして設定されていましたが、4代目となる新型ではその「RR」が廃止され、新たに設定された「スティングレー」がその役目を受け継ぐことになりました。
 歴代の「RR」は、スポーティなイメージを濃くしていましたが、近年、走りよりも広さや高級感を求めるニーズが高まってきたため、新たに「スティングレー」をトップモデルとして設定することで、「ワゴンR」に高級車としてのイメージを定着させようとする狙いがあるようです。
 旧型のモデル末期になって急遽追加された「スティングレー」は、どこか後付け感のあるデザインで、普通の「ワゴンR」との差別化もやや中途半端な感じがありましたが、今回は最初から正式にラインナップされたため、デザインのまとまりがよく、普通の「ワゴンR」との差別化もしっかり図られ、スズキのフラッグシップカーとして誰もが認める高級車に仕上がっています。
 スズキが本腰を入れた先進の高級車「スティングレー」について、早速細かく見ていくことにしましょう。
 なお、グレードや年式によって装備内容等は異なりますので、購入を検討される際は、必ずカタログ等でご確認ください。

フロントフェイス 最近のスズキ車は、縦長ヘッドライトが特徴ですが、この「スティングレー」は例外です。
 最近は、フロント周りのイメージを統一してメーカーごとの個性を強調する傾向が強まっていますが、この車だけは横長のヘッドライトとそれとつながったクリアタイプのフロントグリルを採用しています。
 このデザインには、ライバルメーカーの「タントカスタム」の成功が大きく影響していることは間違いないでしょう。
 ヘッドライトとフロントグリルは旧型のイメージを踏襲していますが、すべてが直線的だった旧型と比べると、全体的にゆるやかにラウンドしたフォルムが新型の特徴です。
 また、ヘッドライトとフロントグリルは旧型よりも薄くなってバランスが良くなっています。
 バンパーの開口部は上下に大きく拡大され、ヘッドライトもやや釣り目になったため、旧型よりも押し出し感の強い、かなり迫力のある顔つきになりました。
 左右の絞込みが強くなり、凹凸も極力抑えられたフォルムによって、旧型よりもやや小さく見えますが、そのぶんかたまり感が強く洗練されたイメージになっています。
 小さく見えるのにはもうひとつ理由があり、新型はルーフが前に向かって下がっているので、フロントから見ると実際に小さいのです。
 大きく見える車としては他に「パレット」があるので、「ワゴンR」はよりスタイリッシュに先進性を感じるデザインに変えてきています。
 広さの追求は「パレット」と「タント」に任せ、「ワゴンR」と「ムーヴ」はある程度の広さを維持しながらどれだけスタイリッシュなデザインを実現できるかを競う段階に入ってきたようです。

斜めから 斜めから見ると、よりスタイリッシュになったことがわかりやすいでしょう。
 旧型では、既存のボディに無理やりフロント周りを後付けしたため、全体のバランスにやや不自然さがありましたが、今度はむしろこの「スティングレー」をメインにデザインされているため、フロントからリヤまでシャープなイメージが貫かれていて、不自然さがまったくありません。
 水平基調のいわゆる箱形フォルムだった旧型と比べて、傾斜が強くなったフロントガラスと後ろ上がりのルーフによって、前傾姿勢でスポーティな印象に変わっています。
 全高は、普通の「ワゴンR」よりも15mm高い1675mmですが、これはおそらく樹脂製のルーフアンテナが後ろのほうについていることによる違いで、ボディそのものの形は同じです。
 旧型と比べると40mm高い全高ですが、デザインの関係でフロントから見たときは小さくなったように見えます。
 フロント周りのデザインにはグレードによる違いはなく、どのグレードでもこの迫力のフロントマスクが手に入ります。

サイドビュー フロントビューは、ぱっと見では旧型と見分けがつかない人もいるかもしれませんが、サイドビューは旧型とははっきり違います。
 ルーフとウエストラインが後ろ上がりになっただけでなく、ボンネットとフロントガラスのつながりの良さや狭くなったサイドウインドウの上下幅など、全体のバランスが大きく向上しています。
 ヘッドライトやリヤコンビランプのサイドへの回り込みも大きくなり、前後に伸びやかな印象になっているので、旧型よりも全長が伸びているように見えます。
 実際には、ホイールベースが40mm伸びているだけで、全長はもちろん変わっていません。
 歴代「ワゴンR」の特徴であった大きなリヤクォーターウインドウも廃止して、前後のドアを大型化しているため、横から見ると「ワゴンR」というイメージではなく、まったくの新型車のようです。
 センターピラーをブラックアウトしてサイドウインドウの伸びやかさを強調しているのも歴代の「ワゴンR」には見られなかった手法で、フロントとリヤは旧型のイメージを踏襲しながら、サイドビューは大きなイメージチェンジを図っています。
 15インチにサイズアップされたタイヤも車格アップに貢献していますね。
 ホイールベースの延長によって、普通の「ワゴンR」は最小回転半径がやや大きくなりましたが、「スティングレー」は旧型も4.4mと大きめだったので、新型も変わっていません。
 ただし、15インチタイヤのグレードでは4.6mと、スズキの車としては大きめの最小回転半径になっています。
 ダイハツの4.7mと比べればまだ小さいものの、歴代の「ワゴンR」の感覚で運転すると、ずいぶん小回りが効かなくなったように感じます。
 この点は、新型の数少ないマイナスポイントのひとつかもしれません。

斜め後ろ フロントから見ると小さくなったように見えますが、リヤから見ると大きくなったように見えます。
 後ろ上がりのデザインなので当然そう見えるわけですが、張りのあるサイドパネルのデザインやサイズアップされたタイヤなどによってワンランク上の車に感じるというのも大きく見える一因でしょう。
 グレード構成は、NAエンジンの「X」、ターボエンジンの「T」、6エアバッグ、ハイグレードオーディオ、室内LEDイルミネーションなどの付いた最上級グレード「TS」というシンプルな構成です。
 ミッションは、「X」のみCVTと4ATが選べますが、その他はCVTのみで、このCVTが走りを大きく進化させています。
 今までCVTの採用にあまり積極的でなかったスズキですが、フラッグシップモデルがCVT中心となったことで、今後は他車もCVTをメインに展開していくものと思われます。
 ボディカラーは、新色のルナグレーパールメタリック(写真の車の色)を含む全8色で、鮮やかなレッドパールやブルーパールのほかに、微妙な色の変化が楽しめるミステリアスバイオレットやスパークブラックなど、こだわりのラインナップ。
 先進的なデザインをより強調できるように、個性的なボディカラーが豊富に用意されています。

リヤビュー リヤビューは、余計な飾りのないすっきりしたデザインと控えめなリヤコンビランプが「ワゴンR」らしい雰囲気を残しています。
 サイズで見ると旧型よりも40mm縦長になっているのですが、実際に見た印象はむしろ幅広になった感じです。
 若干ラウンドしたリヤウインドウや丸みのある面構成などによって、角型のトールワゴンという印象が薄れていることが、幅広に見える要因かもしれません。
 バックドアハンドルやエンブレムの位置などは、ほとんど旧型のままですが、リフレクターをバンパー下部に移動してリヤコンビランプを小型化したことで、重心が低く安定した印象のリヤビューになっています。
 もちろん、「ワゴンR」ならではの使い勝手の良さもしっかり受け継ぎ、荷室開口幅は1055mmとクラストップレベルです。
 旧型までは、上級グレードにはマフラーカッターが装備されていましたが、新型では完全に廃止されています。
 オプションでもマフラーカッターやスポーツマフラーなどの設定はなく、どうしてもマフラーにこだわりたい人は、市販のスポーツマフラーとそれに対応したバンパーの加工などを考える必要があります。
 この車に限らず、最近の軽はマフラーのテールパイプを斜め下に向けて目立たないようにするのが主流です。
 これからの車はクリーンなイメージが大切ですし、排ガスを排出しない車が主流になれば将来的にはなくなってしまうパーツなので、マフラーは徐々に目立たなくデザインされるようになり、一部の高性能車を除いて、車のパーツとして重要視されなくなってきています。

 では、「スティングレー」ならではのクオリティの高いエクステリアのパーツを細かく見てみます。


   

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