HONDA ライフ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]
インパネのデザインは、非常に個性的です。 最近の軽は、インパネにボリュームを持たせたり、滑らかなデザインや異なる素材の組み合わせなどによって高級感を演出するのが当たり前になっています。 しかし、この車はそんな流れに逆行するかのように、素っ気無いほどに機能性重視のデザインです。 最初に写真で見たときには、ずいぶん安っぽいインパネだと思ったのですが、実際に見てみると、確かに高級感はありませんが、意外に上質な雰囲気なのです。 コンパクトなメーターとオーディオを一直線上に配置したことで、視線移動が少なく的確に情報が得られること、インパネに不必要なボリュームがないため、特に横方向に広がりを感じること、直線的に見えるインパネだが、実は緩やかな曲線を多用したデザインであること、それらすべてが総合的に上質感を作り上げているのです。 写真で見ると古臭く感じますが、実物を見ると斬新なデザインです。 インパネのカラーはグレードによって異なりますが、ディーバシリーズはブラック基調で、その他はベージュ基調となっています。 ステアリングホイールは、ディーバターボのみ合成革巻で、その他はウレタンとなりますが、グリップが太めでしっかりした握り心地です。 両席エアバッグは当然のことながら標準装備ですが、この車は運転席に世界初の連続容量変化タイプi−SRSエアバッグを採用しています。 これは、状況によってエアバッグの膨らみ方や時間などを調節することで、ドライバーが受ける衝撃を和らげるというものです。 さらに、オプションでサイド&カーテンエアバッグも装備することができ、サイドエアバッグは助手席乗員の状態によって展開を制御するという先進のシステムを採用。 パッシブセーフティにおいては、軽自動車トップレベルの安全性を確保しています。 もちろん、できればこれらの安全装備にお世話にならずに過ごしたいですが、万一のときの安心感も、この車の特徴のひとつといえるでしょう。
メーターのデザインは、非常にユニークです。 なんと、丸いスピードメーターが中央にあるだけ。 その他の情報は、液晶パネルに表示されます。 パステルは外気温表示付き、ディーバはさらに液晶パネルが大型化されデジタルタコメーターも表示されます。 メーターの周りのホワイトパネルには、各種警告灯やウインカーなどが表示されます。 パネルの色は、「G」はシルバー、ディーバはブラックになります。 全車平均燃費表示機能付きで、ECOランプも装備し、経済走行を意識できるようになっていますよ。 最近の軽はウインカーの音が電子音になっている車が増えていますが、この車は電子音ではありません。
オーディオも斬新です。 オーディオ機能そのものは、CDプレーヤー+2スピーカー(ディーバは4スピーカー)とシンプルなのですが、なんと、4.3インチの液晶カラーモニターを備えているのです。 このモニターは、オーディオの情報を表示できるだけでなく、大型アナログ時計やカレンダー機能なども備えている便利なもの。 こんなオーディオシステムを標準装備しているのは、軽ではこの車が初めてです。 そして、このオーディオシステムと、標準装備のバックカメラを組み合わせることで、軽初のバックモニター標準装備化を実現しているのです。 写真の画面は、展示車用のハメ込みイメージですが、実際にシフトレバーをリバースに入れると、このような感じでカラーモニターに車両後方の映像が出ます。 オーディオは若干ドライバーのほうを向いているので見やすいですよ。 画面はやや小さめですが、これがあるとないとでは大違いです。 バックがどうしても苦手という人は、ぜひこの車に試乗して、後方を映像で確認できる安心感を体験してみてください。 もちろん、目視やミラーによる確認も必要ですが、死角になっている部分を映像で確認できるようになれば、苦手意識を克服できるかもしれませんよ。 なお、オーディオにはAV入力端子も装備していますので、ビデオカメラやゲームなどを接続して楽しむこともできますよ。 もっと大きな画面やナビゲーションシステムが欲しいという人のために、メーカーオプションでHDDインターナビシステムも用意されています。 このシステムは、40GBのHDDを搭載したナビゲーションシステムで、ミュージックキャッチャー機能、ワンセグ機能、DVD再生機能などを採用したマルチエンターテイメントシステムとなっています。 ディスプレイはタッチパネル式の7インチワイドで、オーディオステアリングスイッチや車速連動ボリューム調整機能なども採用しているほか、ブルートゥース対応の携帯電話を使って地図更新や防災情報の入手なども可能という最新のシステムです。 もちろん、バックモニター機能も標準で付いていますよ。
シフトレバーは、旧型と同じくインパネシフトを採用していますが、よりコンパクトになっています。 ミッションは4ATで、オーバードライブボタン付きの従来型のシフトレバーです。 おもしろいのは、エアコンパネルのデザインです。 インパネにそのままディスプレイやボタンを埋め込んだようなデザインは、どこまでがエアコンパネルでどこからがインパネなのか区別がつかない感じで、今までの軽にはなかった雰囲気です。 丸型のスイッチはパールホワイトに塗装され、思わず触ってしまいたくなる感じです。 パステルとディーバは、アレルフリー高性能脱臭フィルター付きのフルオートエアコンが標準装備となっています。
これもまた非常にユニークな大型助手席トレイ。 昔の車は、このようにインパネ上に物を置くスペースが用意されていたものですが、最近は見た目を重視してこういったトレイを採用する車はほとんどなくなっています。 高級感はまるでないですが、その代わりに実用性は非常に高いです。 また、インパネ上部のボリュームが抑えられるので、助手席の人が圧迫感を感じることがなく、広々とした前方視界を確保できるというメリットもあります。 高級感を捨てて徹底して機能性を重視したインパネは、意外にも旧型より好印象でした。 ドリンクホルダーも、やっとエアコンの風を当てられる位置になりましたね。
グローブボックスは、かなり大容量です。
運転席側のドライバーズポケット。 ガムやメモ帳などを入れておけるスペースと、ドリンクホルダーがあります。 ステアリングの左側にも小さなポケットがあります。
ステアリングコラム下とその隣に、それぞれ収納ポケットを装備。 パステルとディーバにはキーフリーシステムが標準装備されているので、ステアリングコラムにあるツマミを回すだけでエンジンがかかります。 また、キーフリーシステム装備車には、イモビライザーやセキュリティアラームも標準装備となります。
センターにもポケットがあります。 引き出し式のポケット(写真右下)にはフックもついていて、これはナイスアイデア。 その隣には、電源ソケットがあります。
助手席に座ってみて感心したことがひとつあります。 助手席のフロアですが、足を置く位置にちょうどよい角度がつけてあって、しっかり足を踏ん張れるようになっているのです。 「ワゴンR」もそのような配慮がありますが、それとはまた角度や位置が違い、もっとドライバーに近い感覚で足を踏ん張れます。 運転席とは明らかに違うフロア形状になっているので、これは偶然ではなく、きちんと研究して作られたものだと思います。 軽自動車は、スペースが限られているため、どうしてもドライバー優先の作りになってしまいがちですが、最近はこうやって助手席の居心地にも配慮してくれている車が増えてきました。 ファーストカーとして使うには、助手席の居心地も大事ですから、これはうれしいですね。
次は、注目のシート周りを見ていきます。
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