取材日:2008/11/6
HONDA ライフ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]
ホンダの主力車種である「ライフ」が、フルモデルチェンジしました。 今回の新型は、フロント周りには歴代の面影が残っているものの、その他の部分については大胆なイメージチェンジを図っています。 こだわる部分には徹底してこだわり、切り捨てる部分はあっさり切り捨てることで、よりわかりやすい車を目指した新型「ライフ」。 早速、その魅力をたくさんの写真で見ていくことにしましょう。 なお、装備内容等はグレードや年式等によって異なりますので、購入を検討される際は、カタログなどで最新の情報をご確認ください。
5ページ目に試乗レポートを追加しました!(2008/11/18)
新型「ライフ」には、3つの顔が用意されています。 従来のグリルレスデザインを踏襲したカジュアルタイプの「G」、メッキ入りの大型フロントグリルを採用したオシャレタイプの「パステル」、そしてエアロバンパーや大型フォグランプなどで迫力を出したスポーツタイプの「ディーバ」の3種類です。 写真の車は、オシャレタイプの「パステル」です。 大きなフロントグリルは従来の「ライフ」にはなかったものですが、ヘッドライトやボンネットの形状などは旧型のイメージを残しているので、一目で「ライフ」だとわかりますね。 全体的に丸みのあるデザインなので、旧型より35mm高い1610mmの全高でも威圧感がありません。 「パステル」と「ディーバ」にはターボエンジン搭載車も用意されていますが、ターボ車の場合はボンネットに大きなエアインテークが付きます。 最近の車はターボ車でもボンネットにエアインテークを付けないのが主流なのですが、この車はあえてターボ車とNA車の差別化を図っています。
斜めから見ると、旧型と比べて後ろ半分が直線的になり、後席の居住性を優先させたデザインになっていることがわかります。 旧型でデザインを優先しすぎて居住性の面でライバルたちに遅れを取ってしまった反省から、新型は正統派トールワゴンといったイメージに路線変更しています。 居住性優先のデザインになったことで、存在感はやや薄れた感じがありますが、代わりに良好な視界や車両感覚のつかみやすさというメリットも生まれています。 ウエストラインを低くし、フロントドアの三角窓を拡大したことで、斜め方向の視界が飛躍的に向上し、開放感も増しています。 しかし、機能性を優先しすぎて、細かく見ていくと、コストダウンというか、質感の低さが目立つ部分が多いのが気になります。 樹脂製センターアンテナを廃止して、全車ピラーアンテナとなってしまったのもそのひとつで、メーカーオプションのHDDナビを付けないと樹脂製アンテナが付きません。 特に上級グレードを買う人は質感にもこだわると思うので、このへんはもう少し気を使って欲しいです。
サイドビューは、かなりイメージチェンジしています。 今までのライフとの一番の違いは、大きなリヤクォーターウインドウを設けたということ。 これによって、後ろ半分は「ゼスト」や「ステラ」に近い印象になっています。 また、Cピラーのみブラックアウトという手法も珍しく、ワゴンらしさを強調したエクステリアとなっています。 全体的になんとなくまとまりが悪い感じもするのですが、これも運転のしやすさや居住性を追求した結果です。 実際、ホイールベースは旧型と同じ2420mmなのに、室内長は200mmも拡大し、室内高も30mmも高くなっているのですから、その成果は出ています。 2005mmという室内長は、「ムーヴ」には及ばないものの、先に登場した新型「ワゴンR」や「ムーヴコンテ」を上回る数値で、デザインを大きく変更したことで室内の広さはライバルたちと同レベルにまで改善されました。 ただ、最小回転半径が4.5〜4.7mと、ホイールベースやタイヤサイズから考えると大きめなのが少し気になる点です。 ボディ下部にある後ろ上がりのプレスラインは、今までの「ライフ」にはない新たなキャラクターラインです。
前から見るとそうでもないですが、後ろから見るとかなり大きくなったように感じます。 ルーフの絞込みを抑え、よりスクエアになったリヤ周りは、まさに正統派トールワゴンといった感じ。 グレード構成は、ほぼ商用仕様の「C」、実質的なベースグレードとなる「G」、オートエアコンやキーフリーシステムなどを装備する「パステル」「パステルターボ」、エアロパーツやブラック内装などを装備する「ディーバ」「ディーバターボ」という6種類。 「ディーバ」「ディーバターボ」には、ディスチャージヘッドランプやテールゲートスポイラーなどを装備する「スタイリッシュパッケージ」も用意されています。 価格は全体的に旧型よりアップしていて、最上級グレードの「ディーバターボスタイリッシュパッケージ」では、1,554,000円という価格設定です。 旧型から改良されている部分も多いですし、ある程度の価格アップは仕方ないと思いますが、その最上級グレードの価格設定が、ライバルの「ワゴンR」や「ムーヴ」とまったく同じというのが気になります。 他2車と比べると装備や質感などで見劣りする部分が多いのに、わざわざ同一価格にしているところに、安易な値上げではないかという疑念を抱いてしまうのです。 もちろん、この車にしかない良さもたくさんあるわけで、価格分の価値があるかどうかは簡単には判断できませんが、ライバル3車がまったく同じ価格設定というのは、ユーザーの立場からするとどうも腑に落ちないですね。 ボディカラーは、新色が4色用意され、全12色。 グレードにより選べる色は限られますが、プレミアムホワイトパールのほか、プレミアムダークエメラルドパールやプレミアムクリスタルローズパールなどといった凝ったカラーも特別色として用意されています。
リヤビューは、個性的だった先代から一変してオーソドックスなスタイルに変更されています。 リヤコンビランプを小型化し、バックドア開口を大きくするなど、機能性重視のデザインになり、ナンバーもバックドアからバンパーへ戻され、先々代に戻ったような印象です。 しかし、リヤコンビランプからバックドアに続くラウンドしたプレスラインとバンパーの膨らみは、先代のイメージを受け継いでいて、実用性とデザイン性のバランスをうまくとっています。 「ワゴンR」や「ムーヴ」と比べると、バックドアガラスの面積が非常に大きいのが特徴で、外から見ただけでも後方視界がかなり良いことがわかりますね。 全高は、現行のトールワゴンの中では三菱「アイ」に次いでもっとも低い部類に入るため、余計にガラスの大きさが目立ちますね。 この車は、良好な視界の確保という点に非常にこだわっていて、その点ではライバル2車よりも多くの工夫がなされています。 次ページでは、そんな工夫の数々も具体的に見ていきます。
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