SUZUKI ラパン
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]
フロントシートは、サイズが大きくなり、サイドサポートもしっかりしたため、旧型よりも包まれ感が増しました。 シートバックの高さは標準的ですが、座面は長めで、特に運転席のシートは左右がゆったりしています。 座り心地はややソフトで、どちらかというと街乗りでの快適性重視といった感じです。 シート生地は、立体的でざっくりした手触りの、ちょっと珍しい感じの生地です。 また、「Lapin」のタグがついているところもオシャレです(写真左下)。 この車には、シートリフターやチルトステアリングなどが全車標準装備となっています。 高級な装備が次々に採用されている最近の軽自動車ですが、意外にもシートリフターやチルトステアリングを全車標準装備している車はまだ珍しいので、これはうれしいですね。 旧型は、頭上空間に余裕を持たせるためにやや低めのシートポジションになっていましたが、新型は少しヒップポイントが上がって、運転姿勢がより自然になりました。 これによって頭上空間の余裕はやや少なくなりましたが、それが気になるという人は、シートリフターでヒップポイントを下げればいいので、そういった点でも便利ですね。
センターアームレストは、一人分としてはちょうどよい広さですが、二人で使うには幅が不足しています。 長さはまずまずですし、高さはちょうどよいので、一人用と割り切って使えばそれなりに心地よいアームレストです。 収納は、インパネに十分用意してあるので、ここはあえて使い心地を重視して収納ボックスは設けていません。
この車が最も力を入れている部分が、後席の快適性の向上です。 室内長は、なんと旧型より170mmも長くなっていて、1870mmという数値。 2000mm以上の室内長を持つ「ミラ」などと比べればまだ広いとは言えないレベルですが、旧型と比較するとひざ周りの余裕がかなり改善されています。 旧型では、前席の姿勢によってはフロントシートにひざが当たってしまうことがありましたが、新型ではその心配がなくなり、余裕をもって座れるようになりました。 また、シートの形状も立体的になり、特にシートバックの腰まわりの包まれ感は、今までの軽自動車にはなかった感覚です。 ただ柔らかいだけだった旧型の印象が払拭され、芯のあるクッションでお尻も腰まわりもしっかり包み込むシートに生まれ変わっています。 リクライニングも8段階で、セダンタイプにしてはかなりの角度がつけられるので、自然な姿勢で快適に過ごすことができます。 リクライニングレバーが腰部についていて、座ったままでもラクに操作ができるというのも旧型から受け継いでいる良いところです。 リヤシートにはスライド機構はなく、頭上空間もフロントよりさらに数センチ狭いので、驚くような広さはありません。 また、サイドウインドウが小さめで、室内幅もあまり余裕がないので、包まれ感が強くなっています。 しかし、後席シートベルトが義務化された今では、余裕がありすぎるよりも、このくらいの空間でしっかり包まれているほうが逆に心地よいのかもしれません。 いずれにしても、旧型で後席の広さに不満を持っていた人は、一度見てみる価値はありますよ。
フルフラットもOKです。 セダンタイプでも、やっぱり小休憩のときにフルフラットにできたほうが便利ですよね。 室内長が拡大されたため、フロントシートを一番前までスライドさせると、リヤシートとの間に隙間ができてしまうくらい、余裕があります。 フロントもリヤも、シート形状がやや立体的になったので、フラット感は旧型より薄れた感じがありますが、特に問題はないでしょう。
ドアトリムは、デザインが大きく変わりました。 そして、とてもユニークです。 いろんな部分が丸くなり、特にドアポケットが丸くなっているのが斬新です。 使い勝手は良いのか悪いのかわかりませんが、とにかくおもしろいアイデアですね。 ドアアームレストの幅は、旧型もやや狭かったですが、新型もそれほど大きくは改善されていません。 なるべくドアトリムを薄くしようとしている努力は見られるものの、室内幅の数値が物語っているように、旧型よりも特に室内が広くなったという印象はなく、機能的なものを期待するよりもデザインを楽しむほうが正しいです。 なお、フロントドアの上半分は2重シール構造になっていて、風切り音の低減を図っています。
フロントドアトリムの一番の注目点は、コレです。 これ、なんだかわかりますか? 実は、フォトフレームなんです。 購入時には、あらかじめウサギのマークが入っていますが、カバーを外して中に写真を入れれば、フォトフレームとして使えるということなのです。 子供の写真やペットの写真など、いつも見ておきたい写真をここに入れておけば、車に乗るたびに笑顔になれますし、安全運転の意識の向上にもなりますね。 これはおもしろいアイデアだと思います。 ちなみに、「T Lパッケージ」の場合、ドアスピーカーがオレンジのイルミネーション付きとなります。、
リヤドアトリムは、フロントと同じように生地が貼ってあり、質感はしっかり確保されていますが、アクセントカラーがなく、ドアポケットも普通で、フォトフレームもありません。 また、ドアアームレストもフロントよりさらに狭いので、使い勝手はあまり良いほうではありません。 しかし、ドアポケットがドリンクホルダーになっているので、旧型よりは使い勝手が良くなっています。 軽自動車の場合、リヤドアトリムにまであまりお金をかけることはありませんが、前席よりも後席のほうが退屈するので、後席にもフォトフレームがあったらおもしろいかなとは思いますね。 ドアスピーカーのイルミネーションはリヤにも採用しているのだから、イルミネーション付きのフォトフレームなんかもあれば楽しいかも・・・。 後席に乗り降りしてみて感じたのですが、ロングホイールベース化やロングルーフ化、そしてドア開度が80度まで拡大されたことなどによって、後席の乗降性がかなり向上しています。 全高の低い車なので、どうしても乗り降りが大変になるのですが、ドアに靴を当てることもなく、ルーフに頭をぶつけることもなく、スムーズに乗り降りができるようになりました。 トールワゴンに慣れてしまった人にはこれでもまだ辛いかもしれませんが、旧型よりは明らかに改善されています。
最後は、荷室を中心に紹介します。
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