カーチェック

ここでは、毎回1車種をピックアップし、雑誌等ではあまり触れられていない
デザイン、質感、使い勝手にこだわって徹底的にチェックしていきます。

(2008/11〜現行モデル)
取材日:2008/11/26

SUZUKI ラパン

[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]

 2002年の登場以来、かわいいデザインと扱いやすいボディサイズで高い人気を保ってきた「ラパン」が、ついにフルモデルチェンジしました。
 7年近くもモデルチェンジをせずに販売していたため、さすがに装備やメカニズムに古さが目立ってきていましたが、今回のモデルチェンジで快適性や利便性が一気に向上しました。
 旧型のイメージをほとんどそのまま受け継いだデザインのため、あまり変わっていないように見えますが、実はまったく新しい車に生まれ変わっているのです。
 どこが変わって、どこが変わっていないのか、そして、新型の新たなこだわりとは何なのかを、たくさんの写真とともに、詳しく紹介していきます。
 なお、内容は取材日時点のもので、グレードや年式によって装備内容等は異なりますので、購入を検討される際は、必ずカタログ等で最新の情報をご確認ください。

 5ページ目に試乗レポートを追加しました!(2008/11/29)

フロントフェイス フロントマスクは、比較的大きく変わった部分かもしれません。
 全体的なシルエットはあまり変わっていないものの、ヘッドライトはかなり丸くなり、フロントグリルとヘッドライト周りが一体化され、段付きだったバンパーが滑らかになり、バンパー開口部はよりワイドに大きくなっています。
 また、前に立ってみると、旧型では平面的だったフロント周りが、新型では全体的にややラウンドして丸みを帯びています。
 ルーフの形状は相変わらず四角いですが、フロント回りはかなり洗練された印象になっていて、旧型で強調されていたレトロ感はほぼ無くなりました。
 フロントガラスが旧型よりやや前進してほんの少しボンネットが短くなっているのも、最近の車らしさを感じるところです。
 傾斜の少ない小さなフロントガラスと、軽自動車としては長めのほぼ水平なボンネットが醸し出す雰囲気はまさに「ラパン」そのものなのですが、新型になってデザインの方向性は少し変わった感じがします。
 新型は、旧型と違い最初からターボ車が用意されていますが、スポーツモデルの「SS」は同時発売にはなりませんでした。
 フロントグリルからヘッドライト周りまでを1つのパーツで構成したのは、おそらくフロントマスクを自由自在に入れ替えられるようにするためのもので、後に「SS」を追加したり、マイナーチェンジで大幅にフロントマスクを変えたりといったことが簡単にできるようにという意味があるものと思います。
 このデザインからは、後に追加モデルやオリジナルデザインの特別仕様車などが登場する可能性が高いと予想できます。
 また、フロントグリルのデザインなどは日産車に通じる雰囲気がありますが、スズキは日産に軽自動車をOEM提供しているので、もしかするとこの車も日産へのOEMを想定しているのかもしれませんね。
 なお、最上級グレードにはフォグランプが標準装備されますが、エアロパーツなどの装備はなく、外観上の違いはほとんどありません。
 エアロパーツが欲しい人は、ディーラーオプションで用意されていますので、そちらを装着しましょう。

斜めから 斜めから見ると、旧型より少し大きくなったようにも見えますが、寸法上は、全高が1510mmと、5mm高くなっただけです。
 この5mmというのも、タイヤのサイズが大きくなったことによる影響と思われるので、基本的にサイズは変わっていないと思っていいです。
 でも、なぜか大きくなったように見えます。
 これは、ロングルーフとロングホイールベースによる影響です。
 タイヤが大きくなったおかげで、弱々しさがなくなり、どっしりした感じになりましたが、キャビンが長くホイールベースも長いので、ダックスフンドのような胴長な印象になりました。
 旧型のウイークポイントであった居住性の悪さは大幅に改善されましたが、それと引き換えにレトロなイメージはずいぶん薄れています。
 室内の広さを重視するユーザーが多いので、これは当然の流れですし、歓迎する人も多いと思いますが、デザインに関しては旧型の雰囲気のほうが好きだったというユーザーも少なくないかもしれません。
 普通の車なら、洗練されて居住性も高くなって大歓迎というところですが、この車の場合には意見が分かれるかもしれませんね。

サイドビュー サイドビューは、同じに見えていろんなところが違います。
 まず、フロントドアガラスに新たに三角窓が設けられ、逆にリヤクォーターウインドウは廃止されています。
 そして、ドアハンドルは位置を高くしてグリップ式に変更し、給油口のキャップは角型から丸型に変更。
 さらに、Cピラーはブラックアウトとなり、ターボ車はさらにBピラーもブラックアウトとなるなど、様々なところが変更されています。
 そして、ロングルーフとロングホイールベースによって全体のバランスも大きく変わりました。
 2400mmというホイールベースは、現行のスズキのセダンの中では一番長く、たった40mmの違いですが、ずいぶん長くなったように見えます。
 最小回転半径は、旧型の4.2mから4.4mへと大きくなり、いろんな意味でひと回り大きく立派になった感じです。
 もちろん、このような多くの変更を加えたのにはちゃんと理由があり、質感、居住性、乗降性、空力性能など、すべてを向上させるためです。
 実際、大型化されたドアによって乗降性は良くなっていますし、リッターカー並みの質感やライバルたちにに負けない居住性、そして優れた空力特性などによる低燃費も実現し、車の完成度は飛躍的に高まっています。
 おそらく、初めて「ラパン」に乗る人は、トータルバランスに優れる新型「ラパン」をすぐに気に入るでしょうけど、旧型からの乗り換えを検討している人にとっては、あまりにも洗練されすぎて「ラパン」らしさが薄れたと感じるかもしれません。

斜め後ろ 斜め後ろからの眺めは、かなり旧型に近い印象です。
 リヤ周りが少しすっきりしたことと、リヤガラスがサイドまで回りこんだようなデザインになっていることが大きな違いで、それ以外はほとんど旧型のイメージを残しています。
 サイドのプレスラインもほとんど変えていないし、ほとんど垂直に立ったサイドウインドウなどは、まさに「ラパン」の特徴ですね。
 初代「ラパン」が登場したときには、ターボ車の設定がなく、その後ターボモデルや多くの特別仕様車が追加されましたが、新型は最初からターボモデルが用意されています。
 基本グレード構成は、ベースグレードの「G」、インテリアの装備が充実し、アルミホイールなども付く「X」、そしてターボエンジン搭載の「T」の3種類と、とってもシンプルです。
 さらに上級装備を求める人には、「T Lパッケージ」というグレードも用意されていますが、そこまでいくと140万円以上の高額車になってしまいます。
 105万円ほどの「G」でも装備は十分に充実していますので、そこまでがんばらずに、ベースグレードに欲しいオプションをつけて気軽にオシャレに乗るというのが、一番オススメかもしれません。
 どうしても上級グレードが欲しいという人は、後にスポーツモデルの「SS」が追加されるかもしれないということを考慮した上で購入を検討したほうがいいでしょう。
 「ラパン」といえば、豊富なボディカラーも人気の秘密です。
 新型ももちろんボディカラーは豊富で、新色のアロマティックアクアメタリックやチェリーピンクパールメタリックを含む全10色が用意されています。
 また、「X」には、ルーフとアルミホイールを白く塗装したホワイト2トーンルーフも4つのボディ色との組み合わせで用意されているため、全部で14通りのボディカラーが楽しめます。

リヤビュー リヤビューは、ちょっと印象が変わりました。
 基本的なレイアウトは変わっていないものの、バックドアのプレスラインやバンパーの段差がなくなり、ハイマウントストップランプがガラス内から外に移動しています。
 リヤガラスがサイドに回りこんだことで、室内が広く見え、全体にボリュームアップした感じです。
 フロント同様にレトロ感は薄れましたが、旧型よりもキュートなヒップになった感じですね。
 旧型と同様に、「SUZUKI」というエンブレムはなく、ガラスに小さくプリントされているだけ。
 「Lapin」というエンブレムも旧型よりコンパクトになり、とてもすっきりした印象のリヤビューです。
 この車の正式名称は、「アルト ラパン」ですが、実際には「アルト」の派生車種ではなく、独立した車種です。
 カタログの表紙にも、「アルト」の名前はありません。
 しかし、リヤガラスには、小さく「SUZUKI ALTO」とプリントしてあります。
 これは、おそらく、「ラパン」の販売台数を「アルト」の販売台数として計上するための策だと思います。
 まあ、そのへんは車業界のいろいろな事情があるということで、当サイトではわざわざ「アルト ラパン」と呼ばずに、「ラパン」と呼ぶことにしています。

 次は、旧型以上にこだわりの見られる外装パーツを細かく見てみましょう。


   

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