軽自動車のエンジンは、規格で660cc以下と決められています。
この規格は、平成10年の規格変更以降ずっと変わっておらず、どんなに広く大きくなっても、どんなに快適装備が増えても、どんなに安全性能が増えても、エンジンは660ccのままです。
広さや装備などがどんどん進化するにつれて、軽自動車の重量も当然重くなっていくわけですが、エンジンの排気量に制限があるため、どうしても車両重量に対してパワーが不足していってしまいます。
それを解決する手段として、ずっと昔から軽自動車に取り入れられているのが、ターボエンジンです。
ターボとは、過給機の一種であるターボチャージャーというものを搭載したエンジンのことで、排ガスでタービンを回し、その力で多くの空気を強制的にエンジン内に送り込むことで、実際の排気量よりも大きな排気量のエンジンと同等のパワーを得ることができます。
つまり、非常に簡単に言えば、660ccのエンジンに1000cc分の空気を無理やり詰め込むことで、1000ccのエンジン並みのパワーを得ようという原理です。
以前は普通車でもターボエンジンによる強力なパワーを売りにした車も数多くありましたが、パワーよりも低燃費の車が注目されるようになり、ターボ車はほとんど姿を消すことになりました。
しかし、軽自動車だけは、限られた排気量で快適な走りを実現するためにターボ車がほとんどの車種に設定され続け、その流れは今でも変わっていません。
最近になって、普通車でも、ターボにする代わりに排気量を小さくして燃費や排ガスを抑えるという「ダウンサイジングターボ」の流れが加速してきて、ターボ車が徐々に復活してきていますが、軽自動車はずっと昔からダウンサイジングターボの考え方が貫かれているのです。
そういった意味でも、軽自動車は世界的に見ても先進性のあるエコカーだと言えるでしょう。
一般的に、同じ排気量であればNAエンジン(ターボ付でないエンジン)のほうがターボエンジンよりも燃費が優れますが、走行状況によってはターボエンジンのほうが低回転で走ることができて燃費面や快適性の面で有利になることがあるほか、最近はターボエンジンの高効率化が進み、NAエンジンとそれほど変わらない燃費のターボ車も登場してきています。
軽自動車に走りや快適性を求めるなら、軽自動車選びの際にターボ車の有無は必ず確認しておくべき項目でしょう。
そこで、軽自動車全メーカー全車種について、ターボ車の有無を一覧にしてみました。
これで、どの車種にターボがあるのかを簡単に比較できますので、軽自動車購入の際の参考にしてください。