SUZUKI　ＭＲワゴン

［外観　外装パーツ　インパネ周り　収納　シート周り　荷室ほか]

　デザインと快適性にこだわる人のためのトールワゴン「ＭＲワゴン」が、フルモデルチェンジしました。
　３代目となる新型は、従来の丸みを帯びたデザインから角型デザインへと大きくイメージチェンジしています。
　これは、単なるイメチェンではなく、実際にまったく新しい車に生まれ変わったのだということを多くの人に知ってもらうためのアピールでもあります。
　では、いったいどういうところが新しいのか、早速見ていくことにしましょう。

　なお、今回も従来とは違うページレイアウトとし、写真を大きく、文章は短めにしてお届けしています。
　また、内容については取材日時点のものであり、装備内容などはグレードによって異なりますので、あらかじめご了承願います。

　３代目「ＭＲワゴン」は、なんとも言えないファニーフェイス。
　初代「ＭＲワゴン」はかっこよさを前面に押し出した感じでしたが、２代目で親しみやすさが与えられ、そしてこの３代目で完全なユルキャラ系（？）の顔つきになりました。
　上からかぶせたようなボンネット形状やこのほのぼのとした雰囲気は、ダイハツの「ミラココア」に近く、両車はライバル関係と言えますが、ボディサイズで考えると「ムーヴコンテ」が直接のライバルになります。
　「ＭＲワゴン」は、日産「モコ」としても販売されますが、「ムーヴコンテ」もトヨタブランドでの販売が確定しているので、このライバル関係はスズキ対ダイハツのみならず、日産対トヨタということにもなるのです。

　もはや旧型の面影はまったくなく、完全な新型車といった感じのデザイン。
　実際に、新プラットフォームを採用しているため、今までのスズキ車とは中身が違います。
　その証拠に、ホイールベースは、今までのスズキ車には無かった２４２５ｍｍという数値。
　ダイハツの２４９０ｍｍには及ばないものの、スズキの軽としては最大値のロングホイールベースです。
　しかし、最小回転半径は４．２〜４．４ｍと、旧型とほぼ同数値となっており、ロングホイールベース化によって小回り性能が犠牲になっていないのはさすがです。
　また、見た目は変わってもボディサイズは旧型とほぼ同じで、全高は１６２５ｍｍとなっているので、旧型からの乗り換えも問題ないでしょう。

　サイドビューは、ボンネットが短く、ルーフがとても長いのが特徴です。
　フロントドアガラスが前後に長く、斜め方向の視界を確保しやすくなっているのも特徴のひとつ。
　外から見ただけでも想像できると思いますが、室内空間は旧型と比べると驚くほど広くなりました。
　ロングホイールベースとスクエアボディのおかげで、室内長はなんと２１２０ｍｍ。
　これは、旧型比で＋１８０ｍｍという驚くべき数値です。
　ちなみに、今までスズキでトップだった「パレット」が２０８５ｍｍで、１ヶ月前に発売された新型「ムーヴ」が２０７５ｍｍです。
　この車がどれだけ広さにこだわった車であるかがわかるでしょう。
　ただし、室内高は１２６０ｍｍで旧型より低くなっていますし、室内幅も１２８５ｍｍでほとんど変わっていませんので、広いのは前後方向だけです。

　グレード構成は非常にシンプルで、廉価グレードの「Ｇ」、量販グレードの「Ｘ」、ターボエンジンの「Ｔ」という３つのみです。
　ボディカラーも６色のみで、メーカーとしてはあまり力を入れていないのかと思ってしまいますが、この車は日産「モコ」としてのほうがよく売れるので、日産へのＯＥＭに力を入れるためにシンプルな構成としているのでしょう。
　グレードによる外観上の違いは、ドアミラーターンランプの有無、アルミホイールの有無、ドアサッシュブラックアウトの有無くらいです。

　あまり特徴がなく、なんとなく旧型のイメージも残しているように感じるリヤビューですが、ルーフアンテナを操作しやすいように右に寄せて設置したり、リヤワイパー用のウォッシャーノズルをパネル一体型にしたりと、細かな改良点がいくつもあります。
　ただ、ちょっと気になるのがリヤウインドウ上部のパネル（ハイマウントストップランプが埋め込まれているところ）で、写真ではわかりにくいですが、このパネルが表面の粗いブラックパネルになっていて、ここはどのボディカラーでもブラックになるので、ちょっと違和感があります。
　ずっと昔のウレタン未塗装バンパーを思い出す仕上がりで、ここの質感だけはどうにかして欲しいです。

　次は、エクステリアのパーツを細かく見ていきましょう。