SUZUKI MRワゴン
[外観 外装パーツ インパネ周り 収納 シート周り 荷室ほか]
荷室は、室内長のわりにはまあまあの広さ。
シートをスライドさせると、ここまで広くなります。 旧型とは違い、2枚の板がスライドするようになっているので、ちゃんと床面積が変化します。 ダイハツ車と比べるとスライド量がそれほどでもないため、驚くほどの変化はないですが、左右独立スライドのおかげでフレキシブルに床面の広さを変化させられるので、荷室の使い勝手で困ることはないでしょう。 ただし、1ヶ月前に発売された新型「ムーヴ」には、荷室側から操作できるスライドレバーが設置されていますが、この車にはそれがないので、スライドさせる場合には一度リヤドアを開けてシート下のスライドレバーを操作する必要があります。 また、左右独立スライドなので、スライド操作を2度行う必要も出てきます。 その点では、新型「ムーヴ」のほうが荷室の使い勝手は優れていると言えます。 左右独立スライドの利便性か、スライド量&操作のしやすさか、どちらを優先するのかで、この2車に対する荷室の使い勝手の評価は変わってきますね。
シートバックを倒せば、このように荷室をさらに拡大できます。 段差もほとんどなく、大きな荷物も問題なく積めます。
これもスズキ車の特徴ですが、助手席のシートバックを前倒し(写真右上)できるので、車内の前から後ろまでの運転席以外をすべてフラットな荷室として使うことも可能です。
荷室の床下には、パンク修理キットが納められたアンダーボックスがありますが、仕切りがあるため容量はあまり大きくありません。 ところが、この車はちょっと変わっていて、廉価グレードの「G」だけに2段構造の大容量ラゲッジアンダーボックスを装備しています。 「G」には、スライドやダブルフォールディングなどができない簡易なリヤシートを採用しているため、荷室下のスペースに余裕があり、こういったユニークな装備を追加できたのです。 廉価グレードのほうが上級グレードよりも良い装備があるっていうのは、ちょっと珍しいですね。
バニティミラーは、両席照明付きで、サイズも大きいので使いやすいです。 ルームランプは、前後にひとつずつ装備されています。 マップランプの設定はなく、室内照明にはあまりこだわっていません。
この手の四角い車は、運転のしやすさも特徴のひとつで、このように運転席からボンネットがよく見えるので、車両感覚がつかみやすく、狭い路地などでも安心して運転できます。
新型「MRワゴン」のメカニズムの中で、もっとも注目なのが、このエンジンです。 ライバルのダイハツが新型エンジンに世代交代してからも、スズキはずっと従来のK6A型エンジンを使ってきましたが、今回、ついに新型エンジンを投入しました。 この新開発R06A型エンジンは、スペック上はK6A型とほぼ変わっていませんが、軽で初めて排気側にも可変バルブタイミング機構を採用(ターボは除く)し、燃焼効率を向上させています。 また、軽量・コンパクト化することで室内空間の拡大にも寄与していますし、騒音の低減により室内の静粛性の向上も実現しています。 あらゆる面でレベルアップした新世代エンジンなのです。 このエンジンを、ニュートラル制御搭載の副変速機構付CVTと組み合わせることで、25.5km/Lという低燃費を実現しています。 さらに、今後アイドリングストップ機構を搭載したモデルも登場する予定らしく、この新型エンジンの登場によって、軽自動車の世界でも燃費競争が一気に加速することになりそうです。 気になる走りについては、試乗の後に試乗レポートにてお伝えする予定です。
いかがでしたか? 新型「MRワゴン」は、単にデザインが大きく変わったというだけではなく、いろんなところが新しい車だということがおわかりいただけましたでしょうか。 「MRワゴン」という名前は、もともと「ミッドシップレイアウトによる広大な室内空間を持つワゴン」という意味のネーミングでしたが、結局ミッドシップではなくFFで市販されたため、「マジカルリラックスワゴン」という意味に変えて発売されました。 その「マジカルリラックス」という言葉がもっとも相応しく感じるのが、この3代目「MRワゴン」ではないかという気がしました。 軽自動車の新しい価値を発見できる車と言えるかもしれませんね。
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