SUZUKI アルト
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室ほか]
フロントシートは、柔らかめの座り心地です。 大きさは普通ですが、シートバックのサイドサポートがタイトぎみなくらいにしっかりしているのが印象的です。 全高は35mm高くなりましたが、室内高は10mm高くなっただけなので、実際に座ってみても頭上空間は旧型とほぼ同じです。 室内幅も、数値上は旧型と同じ1260mmで、「ミラ」と比較すると90mmも狭いので、確かに広さはあまり感じません。 しかし、控えめで柔らかなデザインのインパネやゆったりしたドアアームレストなどのおかげで、決して広くはないのにゆったりした気分が味わえるから不思議です。 シートリフターやシートベルトアジャスターは「X」のみに標準装備で、その他のグレードには設定されていません。 「ミラ」の場合は、標準装備のグレードが無い代わりに、全グレードにオプション装着が可能となっています。 どちらが良いかは考え方次第かもしれませんが、より正しい運転姿勢で運転したいという欲求はグレードとは関係ない気がするので、「アルト」も下位グレードにオプション設定されているとよかったですね。
リヤシートは、非常に柔らかい座り心地です。 リクライニングやスライドはできません。 座面が短く、形状も平坦なので、快適とは言えませんが、短距離なら特に不満はないでしょう。 室内長は1835mmで、数値上は旧型よりも5mm短くなっていますが、実際に座ってみたときには旧型よりも足元に余裕があり、膝がフロントシートのシートバックに当たるようなこともありませんでした。 詳しくはわからないのですが、シートバックを立たせることでヒップポイントを後退させ、足元のスペースを拡大しているのではないかと思います。 「ミラ」と比べれば165mmも短い室内長なので、さすがに広いとはいえないですが、普通に座るには必要十分なスペースです。 なお、「X」のリヤシートは、ヘッドレスト付きの分割可倒式となります。 この点では、上級グレードでもヘッドレスト無しの一体型となっている「ミラ」よりも使い勝手が良いですね。 ただひとつ後席で気になったのが、フロントシートのシートバックの生地です。 シート生地はベージュなのにシートの裏側の生地がブラウンなので、後席に座ったときに暗く感じます。 汚れに配慮して意図的にそうしているのかもしれませんが、フロントに座ったときの明るさとリヤに座ったときの暗さのギャップに違和感を感じました。
フロントドアトリムは、非常によくできています。 形状も非常に上質ですし、なんといってもドアアームレストが幅広で角度もちょうど良い具合に設計されているので、使い心地がとても良いのです。 生地も腕が当たる部分に広範囲に貼ってありますし、旧型との質感の差は歴然としています。 「アルト」が室内幅の数値にこだわらなかったのは、この上質な雰囲気を実現させるためだったのでしょう。 「X」ではインナードアハンドルがシルバー塗装されてさらに上質な雰囲気になってますよ。 ドアの開閉が旧型よりも軽くスムーズになっているのも印象的です。 新型は燃費をよくするために軽量化にも積極的に取り組んでいるので、その成果のひとつなのかもしれません。
リヤドアトリムもまたすばらしいです。 フロントと同じイメージに仕上げられていて、ドアアームレストの幅も角度もちょうど良いです。 先端が緩やかにカーブしているので、ちょうど手で包み込むような感じでリラックスして腕を置くことができます。 そして、自然に手を置いたところにちょうどパワーウインドウのスイッチがあるので、スイッチを探さずに自然に操作できます。 後席でもちゃんと生地を省略せずに貼ってあるところもいいですね。 このよくできたドアアームレストによって、空間としては平均的な後席であっても、どこか心地よい感じがするのです。 ただし、質感を優先したおかげで、肩周りの余裕はあまりなく、また、頭上空間もあまり余裕がないので、若干閉塞感があるのも事実です。 心地よく包まれるのが好きな人にとっては居心地のよい後席ですが、最近の広い後席空間に慣れた人にとっては、逆に居心地の悪い空間と感じるかもしれません。
後席用のドリンクホルダーは、足元に用意されています。 位置は旧型と同じですが、旧型が開閉式となっていたのに対して、新型は固定式となり、使い勝手を優先しています。 「ミラ」のようにドアポケットに内蔵されているほうが使いやすいと思いますが、ドアアームレストの使い勝手を優先させた結果でしょう。
カタログでは紹介されていませんが、フルフラットも可能です。 フロントがセパレートシートでセンターアームレストもないので、ベッドとして使うのは無理がありますが、小休憩程度ならなんとかなるかもしれません。
最後は、荷室などを中心に紹介します。
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