カーチェック

SUZUKI MRワゴン

[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート 荷室&試乗レポ]

消臭天井 快適性へのこだわりは、天井にまで及びます。
 この車は、軽自動車では初めて消臭天井と消臭シートを全車標準装備しています。
 車というのは、新車のときは接着剤などのニオイがしますし、使い続けていると不快なニオイもしてくるものです。
 しかし、この車の消臭天井は、タバコのニオイやアンモニア、さらにはホルムアルデヒドまでも吸着して分解してしまい、すがすがしい空気を長持ちさせてくれるというのです。
 すべてのニオイに効果があるというわけではありませんが、小さなお子さんのいる家庭やペットを飼っている家庭にとっては、これは注目すべき点かもしれませんね。
 アシストグリップは、回転収納式のものを運転席以外の3箇所に装備し、最後部にはラゲッジルームランプも装備されています。
 斜め後方の視界が悪いので、車庫入れはやや苦労するかもしれませんが、リヤウインドウは大きめなのでバックはしやすいです。

荷室 室内寸法を必要以上に確保していないぶん、ラゲッジスペースは広めで、旧型と比べても若干広くなっているようです。
 なによりも、開口部の幅が広がったのは大きな違いで、積載性が大幅にアップしています。
 最近はスペアタイヤを省略してパンク修理キットを装備している車も増えてきましたが、この車は床下にスペアタイヤを格納しています。
 リヤシートをスライドさせれば荷室の容量を増やすこともできますが、シートバックと荷室床の間には仕切り板があるので、シートをスライドさせても床面積は変わりません。
 この点は少しもったいない気がしますね。

荷室拡大 シートバックを倒せば、さらに荷室を拡大することができます。
 操作は、ショルダー部にあるレバーでロックを解除してから倒すという作業を左右やるだけなので、比較的簡単です。
 もちろん、ヘッドレストを外す必要もありません。
 しかし、レバーの操作感がイマイチで、特に元に戻すときは使いにくかったです。
 広さは十分に広く、また、段差もあまりないので、使い勝手は良いと思います。

ラゲッジサイドボックス 荷室の脇にも比較的大きな収納スペースがあります。
 収納に関しては何も問題ないでしょう。
 この写真だとわかりやすいと思いますが、荷室とシートバックには緩やかな段差があり、完全にフラットにはなりません。
 操作が簡単なぶん、ライフなどのように座面を落とし込むことができないので、最大積載容量に関しては標準的になっています。
 後面衝突に対する強化に関しては前述しましたが、テールゲートの操作感も旧型よりしっかりしている感じがしました。
 やはりリヤ周りの剛性が上がっているのでしょうか。

ルームランプ ルームランプはルームミラー付近にあり、きれいにビルトインされています。
 マップランプの装備はなく、ルームランプがマップランプを兼ねます。
 残念なのは、バニティミラーが運転席にしか装備されておらず、照明も付いていないということ。
 こういった部分で価格を抑えているのだろうと思いますが、グレードによっては両席照明付きとなるムーヴラテなどと比べると、ちょっとさびしいですね。
 この車は、収納や快適性にはかなりこだわっているのですが、照明に関してはずいぶん省略されている感じがします。
 まあ、すべてにこだわっていては価格が跳ね上がってしまうので仕方ないですか。

エンジン エンジンは、3気筒DOHCと3気筒インタークーラーターボの2種類。
 スペックを見る限りでは、エンジンに関しては旧型から変更はないようです。
 インタークーラーターボは、60馬力のライトプレッシャーターボで、パワーよりも自然なフィーリングや燃費を重視したエンジンで、64馬力エンジンは用意されていません。
 しかし、旧型も最初は同じようなラインナップで、後に64馬力エンジンを搭載したスポーツモデルが登場したので、新型に関しても同じく後で追加モデルが出る可能性は大きいと思います。
 エンジンのスペックは変わっていないのですが、車両重量は820kg(「X」の2WD)となっていて、旧型よりも20kgほど軽くなっていることも影響しているのか、カタログ燃費は、21.0km/L(同)と、旧型比で15%ほど向上しています。
 ミッションが全車ロックアップ機構付トルコンになっていることも燃費の向上に貢献しているようです。
 ちなみに、ミッションは全車4ATのみで、FFと4WDはすべてのグレードで自由に選べます。
 その他、メカニズム的にはあまり新しい要素はないのですが、それが逆に、室内装備によってどれだけ快適性が増したかというのを試す楽しみを増してくれます。
 まだ試乗車が用意されていなかったので、近いうちに試乗して快適性がどれだけ向上したかなどを体感してみたいと思います。

<ここから試乗レポート>

 やっと試乗車が用意されたので、試乗の感想をお伝えしたいと思います。
 試乗したのは、NAエンジンの「X」です。
 まず、エンジンをかけると、ヒュルヒュルという軽らしいエンジン音と3気筒エンジンらしい振動がシートから伝わります。
 エンジンが温まってくると音や振動も小さくなってきますが、やはり従来型と同じエンジンであるため、音や振動に関しては大幅に改善されたという印象はありません。
 しかし、歩道の段差を降りて走り出してみると、ボディ剛性が上がったような感じで、しっかりと落ち着いた感じの走りになっているように感じました。
 おそらく、リヤのピラーを太くしたことなどによって旧型よりも剛性が上がり、それが走りのしっかり感を出しているのだと思います。
 アクセルを踏んで加速すると、旧型と同じくけっこう勇ましいエンジン音が耳につきます。
 音量はやや抑えられている感じですが、やはり音質が耳障りなので、できればエンジンも改良してもっと上品な音にしてほしかったですね。
 また、これも旧型と同じで、加速がかなりゆっくりです。
 スピードがのってくれば問題ないですが、信号待ちからの加速時などは、どうしてもボディが重く感じてしまいます。
 ストレスのない加速を期待するなら、ターボ車を選んだほうがいいと思います。
 加速に関してはやや不満が残りますが、巡航時の快適性はハイレベルです。
 この車は基本的なメカニズムがワゴンRと共通であるため、乗り心地もワゴンRによく似ています。
 柔らかすぎないサスペンションは、フラット感がありながら路面の段差も軽く吸収してくれます。
 ロードノイズも小さめで、風切り音もほとんど気になりません。
 加速時は大きめなエンジン音も、巡航時は非常に静かです。
 やはりフロントドアの2重シールも効いているようですね。
 フロントの視界がとても良く、空調性能も優れているため、乗っていて気持ちいい車です。
 個人的に気になったのはシートの形状で、広々感を重視したベンチシートになっているため、サイドサポートがあまりなく、また、シートポジションがアップライトすぎる感じがしました。
 見晴らしは良いので街中では運転しやすいと思いますが、長距離や山道などでは疲れそうな感じがします。
 カーブでは、ロール量は不快なほどではないものの、FFのトールワゴンの特徴とも言える外側に引っ張られるような感覚があります。
 車の性質上仕方ない面はありますが、もう少しシートポジションやサイドサポートを工夫すればさらに安心感が増すと思います。
 操作系に関してはとても良くできていて、メーター内の大きなシフトインジケーターは見易さ抜群ですし、パワーウインドウのスイッチなどもちょうどよい位置にあります。
 シフトレバーもインパネシフトに変更したことで操作感がとても良くなりました。
 全体的な印象としては、とても優等生的な乗り心地という感じです。
 これといった特徴はなく、平均的な性能なので、初めて運転しても誰でも違和感なく乗れると思います。
 どちらかというと街中での快適性を重視した味付けのようですが、この車のキャラクターには合っている感じがしますね。

 いかがでしたか。
 毎日便利に使えて街乗り快適な車を目指したメーカーの意図がはっきりと伝わってくるような気がしませんか?
 ターゲットがはっきりしていなかった旧型と比べて、新型はターゲットを絞り込むことでより満足度の高い車に仕立てようとしていることがわかります。
 軽自動車は女性ユーザーの割合が多いため、どのメーカーも女性に受け入れられる車に力を入れています。
 比較的低価格で便利な機能を満載した新型MRワゴンは、ムーヴラテやライフなどの強力なライバルとなるでしょう。
 例年にないほどの新車ラッシュとなっているこの数ヶ月ですが、使い勝手のよい軽を探している人は、この車もチェックしておくべきでしょう。


  

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