(2004/11〜モデル) 取材日:2004/11/29
DAIHATSU ミラ ジーノ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]
ダイハツの代表車種「ミラ」の上級モデルとして登場し、存在感のあるデザインが人気の「ミラ ジーノ」(以下、「ジーノ」)が、ついにフルモデルチェンジしました。 2代目となる新型は、初代のイメージを上手に残しながらも、さらに上質でモダンなデザインと広い室内を両立した車で、またまた人気を集めそうです。 早速、その魅力を細かくチェックしてみましょう。 なお、撮影の都合上複数のグレードの写真を使っています。 また、内容や他車との比較などは取材日時点のものですのであらかじめご了承ください。
フロントは、初代のメッキリング付き丸型ヘッドライトや大型メッキグリル、そしてメッキバンパーという特徴をすべて踏襲したデザインで、誰が見ても「ジーノ」とすぐわかります。 しかし、それでいて、やや楕円型で大型化されたヘッドライト、さらに大きく目立つようになったフロントグリル、やさしい表情にうまく溶け込んだ違和感のないメッキバンパー、うねりの効いた滑らかな形状のボンネットフードなど、クラシカルな雰囲気だった初代に比べると明らかにモダンな印象が増しています。 最近はモデルチェンジで旧型の面影がほとんどなくなってしまう車も多いのですが、この車はしっかりと初代のコンセプトを貫いていますね。 ちなみに、初代でフロントグリル内にあったダイハツのマークはボンネットに移動し、フォグランプもフロントグリル内には装着されなくなりました。 おかげでフロントグリル内はすっきりしましたが、ちょっとガバッと開きすぎなような気もします。 ま、それだけ存在感も増しましたけどね。
斜めから見ると、軽快さが特徴だった初代と比べてかなりドッシリとした印象を受けます。 両端が盛り上がったボンネットや傾斜を抑えたフロントウィンドウなどは「ジーノ」の特徴で、新型でもそれはしっかりと受け継がれていますが、90mmも高くなった全高や飾りを廃してハリのある面で構成されたサイドパネルなどが初代よりも一回り大きくボリュームを増したような印象を与えます。 初代では、ヘッドライトがボディ先端に飛び出し、バンパーも飛び出ていましたが、この車ではフロント部分がフラッシュサーフェス化(段差や角のない滑らかな面とする処理)されたので、クラシカルな印象はかなり薄れました。
横から見て一番印象的なのは、ボディの厚みが増し、キャビンスペースが拡大されたことです。 これはそのまま居住空間の拡大へとつながっていて、室内長は旧型より130mm長い1850mmとなり、これは直接のライバルとなるスズキの「ラパン」よりも150mmも大きい数値です。 ダイハツは「ミラ アヴィ」で室内長1915mmというセダンタイプでは限界とも思える数値を実現していて、それに比べれば若干劣ることにはなりますが、旧型よりもさらに丸みを増したリヤデザインを採用しながらこの数値を達成しているのには驚きます。 「ミラ アヴィ」はフロントウィンドウがかなり傾斜しているため、感覚的には「ジーノ」のほうが広い印象さえあります。 実は拡大されたのは室内長だけではなく、室内幅が55mm、室内高が70mmも拡大されているので、旧型に比べると明らかに広くなっています。 デザイン面では、Bピラー部のドアサッシュをブラックアウトすることで視覚的にもキャビンが広く見えるように工夫されています。 ドアサッシュやBピラーがボディ同色だった旧型と比べると、クラシカルなイメージだけでなくモダンなイメージも取り入れようとしている姿勢がうかがえます。
斜め後ろからの眺めは、リヤ周りの丸いデザインがとにかく目立ちます。 ちょっと日産のコンパクトカー「マーチ」に似た印象です。 ルーフも丸くなっているので、後席の頭上空間は若干犠牲になっていますが、実用上は問題ないレベル。 軽自動車の限られた枠でこれだけキュートなリヤビューが実現できるなんて、恐れ入ります。 同じくリヤビューに立体的なデザインを採用したスバルの「R2」は、デザインのために後席の居住性がかなり犠牲になっていますが、この車は居住性もしっかり確保されているのがすばらしいです。 このキュートなデザインを際立たせるボディカラーは、全部で9色。 最近では10色以上というのも珍しくはないのですが、この車は色数よりも色の質にこだわっているのが特徴で、すべての色がメタリック塗装で、白や赤などのソリッドカラーは一色もありません。 ソリッドカラーではこのハリのあるボディラインの良さが十分に伝わらないと考えたのでしょう。 ダイハツのこだわりはそれだけではなく、この車の塗装にはプレミアムクリアコートという新開発のクリア塗装を採用し、より輝きを増した艶やかなボディを実現しているのです。 ダイハツは「コペン」にもクリアコートを2回施すダブルクリアコートを採用していて、塗装にひときわこだわりを持っているメーカーです。 「コペン」も「ジーノ」も、他車とは一味違った存在感を感じるのは、デザインだけでなくこういった塗装へのこだわりがあるからでしょう。
サイドビューとこのリヤビューの写真は「ミニライト」というグレードです。 段差のないフロントとは対照的に、リヤ周りは立体感のあるデザインを採用しているのがおもしろいですね。 最大の特徴は3次元曲面で構成されたリヤウィンドウですが、ボディよりも飛び出たリヤコンビランプはややエッジの効いたデザインとなっていて、その対照もおもしろいです。 縦長のリヤコンビランプやバックドア中央に配置されたナンバーとその上のメッキモールなど、基本的なデザインは旧型のイメージを残していますが、全体の印象はまったくと言っていいほど違うもので、そこにクラシカルなイメージはほとんどありません。 バンパーに埋め込まれたメッキモール(「ミニライト」以外)からは高級感さえ感じられます。 唯一クラシカルなイメージがあるのは、ボディサイドからリヤコンビランプにつながるショルダー部(?)の盛り上がりくらいでしょうか。 バックドアの鍵穴は最近の流行に反してあえて残してあります(これもクラシカルに見せる演出?)が、メッキモールの裏にバックドアハンドルがあるので通常はキーを差し込む必要はありません。 車名のエンブレムのデザインも変更され、これもモダンなイメージになりました。 マフラーエンドは目立たないように斜め下を向いてますので、マフラーカッターつけたい派はちょっとさびしいかも。
では、エクステリアのパーツ類をもう少し詳しく見てみます。
|