HONDA ザッツ
前ページで説明したとおり、ベンチシートではなくセパレートタイプを採用したフロントシート。 このシートはすばらしいですよ。 座面は柔らかく快適性重視ですが、サイドのサポート部は硬くしっかりしていて体をしっかりとホールドしてくれるというオールマイティなシートなのです。 快適性とホールド性の両立という点では最近の軽の中でもかなり優秀なレベルだと思います。 街乗りだけでなく、ワインディングでも安心して乗れるという、ホンダらしい発想ですね。 そういった意味ではベンチシートにしなくて良かったのかもしれませんが、やはりシート間のスペースはもったいないです。 アームレストがないのは不満です。
リアシートは、フロントとはまったく違う座り心地でかなり硬いです。 この手の車はほとんどがそうなのですが、リアシートは快適性よりもシートアレンジに重点を置いているようです。 足元のスペースは標準的なレベルですが、フロントより少し高いヒップポイントやロング&ワイドルーフのおかげで大変見晴らしが良く、「これでシートのクッションが良ければかなり快適なのに」とちょっと残念に思いました。 リクライニングは9段階でかなりの角度まで倒せますから、フロントフルフラットの状態で仮眠などもできそうです。
フロントのドアインナーパネルはなんとクロス無し。 最近は軽でもクロスを贅沢に使って上質感を演出するようになっていますが、こちらはあえてその逆を選択し、クールさを強調しています。 ドアアームレストにメタリック塗装を使ってはいますが、やはり冷たいというか寂しい感じがします。 ドアスピーカーは17cmという大型のものがついていますが、それよりもMRワゴンのように高音専用のツィーターをつけてくれたほうが効果が大きいと思いますね。 ドアインナーハンドルがメッキなのは軽では珍しく、これは質感をアップさせていますね。
リアドアもフロント同様です。 ドアアームレスト部には取り外したシートピローを置けるように穴が開いているので、腕をのせるものとは考えないほうがいいようです。 パワーウィンドウスイッチはライフのものを流用しているようですが、これが壁面についていて使いにくいです。 やはりあまりリアシートの人のことは考えられていないようですね。 せっかく広い室内なのにもったいない気がします。
これはライフから受け継いでいるものですが、サイドシル部の段差がほとんどありません。 これによって、乗り降りのときに足がひっかかって靴が汚れたりサイドシルにキズがついたりといった心配がなくなります。 ドア開口部も大きいので乗り降りはとてもスムーズにできます。 しかし、一つ気になるは内装の色使いです。 クールさの演出に黒を使うのは悪くないと思いますが、せっかく広い室内が暗く重い雰囲気になっています。 広いけど開放感はないという感じなんです。 MRワゴンが明るい色使いで開放感を演出しているのに対して、こちらはそれよりも空間的な余裕があるにもかかわらず開放感やくつろぎ感があまり感じられないんですよね。 そういう演出なんだと言えばそれまでなんですけど。
ラゲッジスペースなどもチェックしておきましょう。
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