SUBARU R1
インパネの収納に関しては基本的に「R2」と同じで、カップホルダーはインパネ内にすっきりと格納されています。 プッシュオープン式となっているのは良いのですが、操作性や質感はあまり良くありません。 プッシュしてもその後手で引き出さなければならず、若干ガタつく感じもあります。 この点が「R2」から改良されていないのがちょっと残念で、ダイハツの「ムーヴ」などと比べるとまだまだという感じですね。 グローブボックスは小さく、またその上のトレーも中途半端な大きさなので、正直なところ、収納に関しては使い勝手の良いインパネとは言えません。 デザインに関しては非常に良いと思うのですが、使い勝手に関してももう少し工夫が欲しいところです。
インパネポケットの上側に小さな穴がありますが、これはインパネシャワーライトというもので、カップホルダーやドアポケット内をオレンジ色に照らしてくれるもの。 間接照明の落ち着いた雰囲気が味わえるとともに、夜間の使い勝手も非常に良く、これは便利です。 ON/OFFスイッチも付いていますので、状況に合わせて使えますし、少し見にくいですがマップランプの代わりとしても使えます。 インパネポケットは夜間でも見えるので便利ですが、大きさが中途半端ですし、フタがないので入れるものは限られそうです。 右下にあるのは運転席用のカップホルダーで、こちらは引き出し式。 もう少し高い位置にあったほうが使いやすいのですが、仕方ないですかね。 その隣にあるのがインパネシャワーライトのスイッチで、HIDをオプションで付けるとこの隣に光軸調整スイッチが付きます。 ただ、このスイッチが運転中は見えにくいんですよね。 デザイン重視なのはわかりますが、やはりもう少し操作性なども考慮してほしいです。
フロントシートは、幅はあまりありませんが、シートバックの高さがとても高く、体全体をしっかり支えてくれます。 「R2」よりもクッションの厚みがあるように感じられ、特に背中はふんわりと気持ちよく包まれる感じ。 懐が深いというか、何か優雅な雰囲気があります。 ガッチリとホールドされているという感じはないのですが、特に上半身の不安定感がないのが印象的で、長距離でも疲れにくそうです。 シート生地はレッドとブラックの2トーンで、素材もジャージとトリコットのコンビとなっています。 デザインも座り心地もスペシャルティカーらしいという感じがしました。 注目なのは、オプションで用意されているレザー&アルカンターラセレクション。 なんと、シート表皮がレザー&人工スエードとなり、ステアリングホイールやシフトノブも本革巻き、そしてアルミペダルまでセットになっているのです。 そして、これだけの豪華装備が実質52,500円のアップで付けられるのですから、これは付けなきゃ損って感じですね(ただし、単体では付けられず、濃色ガラス+HID装着車のみに設定)。 せっかく室内空間を犠牲にしてまでデザインや雰囲気にこだわるわけですから、私なら豪華なレザー仕様で決めたいです。 軽でこんな豪華な雰囲気が味わえる車はなかなかないですからね。 ちなみに、体が密着する部分は人工スエードになっていて滑る心配もないので、「革シートは滑りやすいからイヤ」という人でも大丈夫ですよ。 ただ、ステアリングホイールのデザインがそのままっていうのは個人的にちょっと不満です。
この車、一応4人乗りですが、現実には1人で乗るパーソナルカーとして使われることを想定しているようです。 それを表している装備の一つが、この助手席水平可倒機構です。 助手席のシートバックをこのように完全に前に倒すことができるので、シートバックをテーブル代わりに使うことができるのです。 まとまった収納スペースがないので、このように物が置けるスペースがあるのはありがたいですね。 また、この車にはセンターアームレストが装備されていませんが、このシートバックを(ちょっと距離が遠いですが)巨大なアームレストとして使うこともできます。 カップホルダーやネットなどがセットになったパッセンジャートレーというオプションをシートバックに付ければ、さらに使い勝手が良くなります。 また、座面と背もたれの間にわずかな隙間ができ、ここに外から見られたくないものを一時的に隠しておくことも可能。 リヤシートも倒せば長尺物を積むこともでき、かなり便利な装備です。 ただ一つ残念なのは、操作が2段階でやや面倒なこと。 シートバックに操作の説明がありますが、使う頻度の高そうな装備ですから、説明不要のワンタッチ操作にしてほしかったです。
さて、気になる後席の居住性はどうでしょうか。 結果から言うと、大人がきちんとした姿勢で座ることはほとんど不可能です。 まず、天井の高さがとても低く、背もたれの角度が垂直に近いので、よほど座高の低い人でない限りは、背もたれに背中をつけると首を曲げて座ることになります。 また、前席でゆったりとした姿勢をとると、後席は足が入りません。 前席を前にスライドして、前席背もたれを垂直近くまで立てれば、なんとか後席に人を乗せることができますが、前席の人も後席の人も窮屈な思いをすることになります。 実際に人を乗せる場合は、前席のシートバックにしがみつくような姿勢で乗ってもらうのが一番良さそうです。 座面のクッション自体はそれほど悪くないので、お尻が痛くなってしまうといった心配はないと思います。 それから、これは3ドアの宿命でもありますけど、やはり乗り降りが辛いですね。 助手席水平可倒機構を使えば乗り降りしやすくなりますが、この操作が面倒なので結局スムーズな乗り降りはできそうにありません。 やはり後席は「非常時に短距離を我慢して乗ってもらう」という使い方になりそうです(その場合でも3人乗りが限界?)。 もちろん、これだけデザイン重視でありながら後席があるというだけでもありがたみはありますけどね。
次は、荷室の使い勝手などを中心に見ていきましょう。
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