NISSAN モコ
フロントシートは思いきって最近人気のベンチシートではなくセパレートシートを採用しています。 考えてみれば、中央部分に人が座ることはなく、横移動の時にちょっと利用するくらい。 それならそのそのシート間のスペースを他のことに利用したほうがいいという発想ですね。 シート生地はMRワゴンよりもさらに明るいイメージのタン色で、起毛タイプの上質なものとなっています。 また、もう一つのカラーもMRワゴンのブルーとは違い、明るい青緑色のターコイズが用意されていて、MRワゴンにある暗いインテリアカラーの設定はありません。 この色使いと質感、もはや軽のインテリアとは思えませんね。
ビニールがかかっていて写真が撮れませんでしたが、センターアームレストはよく出来ています。 運転に邪魔にならない大きさでありながら、しっかりと体を支えられる造りですし、ドアアームレストと高さをほぼそろえてあるので使い心地は上々です。 ミツビシのeKワゴンのように二人でゆったり使えるほど大きくはありませんが、使い勝手では負けていません。 収納時にはペンなどの小物を入れておけるポケットも使えます。
フロントシートはわりと柔らかめの座り心地ですが、リアシートは硬めに出来ています。 105mmのスライドができる上、スライド&ワンタッチダブルフォールディング機構を備えたシートで、足元の余裕は軽の中では最大級でくつろげます。 しかし、ルーフの絞りが大きくて頭上の横方向の余裕があまりないので、あくまで前後に広々といった感じです。 横方向の頭上空間では、最近発売されたラパンやザッツのほうが勝っています。 私としては、空間的な余裕よりもドアアームレストの位置がピッタリなことや色使いの明るさの方にくつろぎ感を感じました。 リアシートにもセンターアームレストを設けてあるので、これと併せれば本当にゆったりとした気分になれます。
これはフロントシートサイドラックという新しいアイテムです。 上で少し触れましたが、セパレートシートにしたおかげでシート間のスペースが生まれたので、ここにマガジンラックのようなものを設置してみようという試みです。 先端にあるのはカップホルダーで、写真では見えにくいですがそこから後ろにかけてネットが掛かっています。 ここに雑誌だの携帯だの(携帯用のポケットもついてます)ってなんでもつめこんでおけばいつでもスッと取り出せるというわけです。 ネットなのでキズもつきませんし、どんな形のものでも入りますからとても便利です。 収納にこだわるスズキならではのアイデアのおかげですね。
もう一つ、こだわりを感じる部分があります。 このアシストグリップ、回転収納式を採用しています。 小型車の上級車以上で採用されるような機構をわざわざ取り入れています。 普通、軽では固定式のものが使われますが、ネジが丸見えで質感が低かったり、ルーフの幅が狭い軽では頭のすぐ前にあって目障りだったりという難点があります。 モコでは、回転収納式を採用することで、普段はまったくネジなどが見えないすっきりした印象を与え、ルーフが狭くても圧迫感を与えないように配慮されているのです。 1ページ目で触れたとおり、ルーフの絞りが大きいため頭とルーフの余裕があまりありませんから、このような技を使って圧迫感を与えないように工夫しているのでしょう。
実は、実車を見てひとつ気になったことがあります。 カタログなどで見る限りでは、エスティマやオデッセイのようにフロントウィンドウがドライバーから離れた位置にあるので、さぞかし開放感があるのだろうと想像していたのです。 しかし、実車で座席に座ってみると、確かにフロントウィンドウの下部は遠くにあってゆったり感はあるのですが、ウィンドウがかなり傾斜していて意外に頭上近くまでピラー(ウィンドウの両端の支柱)が伸びてきている上、そのピラーが太くて結構目障りで開放感を邪魔しているのです。 実際に、MRワゴンのオーナーもこれはかなり気になっているようです。
おそらくは、ボンネットが短いために衝突安全性を確保するためにはピラーを太くしないといけなかったのでしょうけど、やはり軽でこのようなデザインは限界があるのかなと感じてしまいました。 もちろん、開放感がないと言っているのではなく、他の軽とはまったく違った感覚で、大きめのミニバンに乗っているかのようなゆったり感はあります。 これで天井の色が暗ければかなり閉塞感もあったのかもしれませんが、そこはインテリアを得意とするスズキがデザインしただけあって明るいグレー色を採用していますので、明るい感じになっています。 バニティミラーも大型で質の高いものになっていますよ。
次は走りとその他の装備です。
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