カーチェック

NISSAN モコ

エンジン エンジンは、オールアルミDOHC・VVTエンジンで、スペックは54PS、6.4kg・mとNAエンジンの中ではなかなか高性能なものです。
 ちなみにターボ車は新開発のMターボエンジンで60PS、8.5kg・mとなり、ターボとしては控えめな扱いやすさ重視のエンジンになります。
 カタログ値では燃費は18.4km/Lとなっていますが、車両重量がそれなりに重いので実走行ではあまり良くないかもしれません。
 そのへんは、休憩所にあるMRワゴンのアンケートなどを参考にしてみてください。

試乗したMRワゴンターボT 今回取材した車はターボ車のモコ「T」でしたが、ナンバーがついていなかったので試乗ができませんでした。
 そこで、ひとまずほぼ同じ車であるMRワゴンのターボT(写真)の試乗レポを紹介しておきます。
 メカニズムについてはまったく同じなので、このままだと思ってください。
 モコのNAエンジンに試乗できる機会があれば、そのときに改めてレポートを追加したいと思います。

<ここからMRワゴン「ターボT」の試乗レポ> 
 NA(ターボなし)のエンジンは振動も騒音もそれなりの印象を受けたのですが、こちらのMターボエンジンはなかなか静かでした。
 アイドリングや信号待ち時の振動や音は今までのスズキ車に比べてかなり抑えられています。
 ドーッという低音がなくシュルシュルと軽い音なので心地よいですね。
 ロードノイズがかなり抑えられているのも室内の静粛性の向上に貢献しています。
 ターボの効きは本当にマイルドで、低速から高速までとにかくスムーズなので、大排気量車に乗っているかのような余裕の感じられるエンジンです。
 高回転でもあまり騒音がなくスムーズなのはDOHCのおかげでしょうか。

 サスペンションが柔らかくアルミホイールも装備しているので、乗り心地は非常に快適です。
 コーナリング時でも、155/65R13という少々軟弱なタイヤしにてはしっかりと踏ん張ってロールも少ないので安心感があります。
 ただし、道路の継ぎ目などではゴンと突き上げるような感触があるのがちょっと気になりました。
 全体の印象としてはとにかくマイルドで上質な走りで、前後に余裕のある空間の演出との相乗効果でまさにリラックスできる車となっています。
 軽であってもキビキビだけでなくゆったり乗れる車がいいという人には絶対にお勧めの車です。
<ここまで>

ラゲッジスペース ラゲッジスペースはとても使いやすくなっています。
 4人乗車時もスペースは必要十分ですし、後席がスライドできるので荷物の量にフレキシブルに対応できます
 また、シートをたためば他車同様に広大でフラットなスペースをつくることができます。

 と、ここまでは別に特徴はなさそうな感じですが、実は非常に工夫されていて驚くほど使い勝手がよくなっているのです。
 まずはヘッドレストの処理ですが、通常はシートをたたむ前にヘッドレストを取り外してそれをどこかに置かなければいけないのですが、MRワゴンの場合は写真右下のようにヘッドレストをワンタッチで折りたためばそのままシートをたたむことができます。
 これならヘッドレストの置き場所を探さなくていいし、いちいちまた取り出して付ける手間も要りません。
 また、シートの折りたたみはシートバックのレバーを引いて押し込むだけのワンモーションなので、簡単にすばやく荷物スペースを広げることができます。便利です。

シートアンダーボックス まだまだ工夫があります。
 助手席の座面を持ち上げると中にシートアンダーボックスというものがついていて、ここに洗車道具や汚れ物などを入れておくことができます。
 また、このボックスは持ち出して使うこともできるので、いちいち中身を移し替える必要がなくとても便利です。
 そしてさらに、このままシートバックを倒せば助手席からラゲッジルームまでフラットなフロアをつくることができるので、長尺物を積む時にはとても重宝します。
 やはり収納やシートアレンジ、そして質感といったインテリアに関するテクニックは今のところスズキが一番なのではないでしょうか。
 日産がOEMの供給元にスズキを選んだのには、このあたりの理由もあるように思います。

専用色のモコグリーン 今回取材した車はパールホワイトでしたが、このモコには「モコグリーン」という専用のメタリック色が用意されています。
 モーターショーに出品されていた、あの色です。
 その代わりに、MRワゴンのイメージカラーであるパールペールイエローとキプロスブルーメタリック、ミスティグリーンメタリックの3色は設定されず、全7色のバリエーションとなっています。
 あえてMRワゴンのイメージカラーを設定しないあたり、「これは単なるOEM車でなく、日産車なのだ」という主張を感じます。

 日産のゴーン社長は、軽自動車市場に積極的に参入していきたいという意向を示しているようですが、末端の営業マンたちはモコを売ることよりもモコを見にきたお客さんにマーチを売ることを考えているように感じます。
 実際、取材した営業所の営業マンも「同じ値段でマーチが買えますよ」と言っていました。
 各所で予定されている展示会もマーチと合同だし。
 車の仕上がりを見る限りでは、メーカーとしては軽も本格的に売ろうとしているように思えるのですが・・・。

 何度も言いますが、この車はスズキMRワゴンのOEM車です。
 しかし、OEM車がこれほど注目されたことがかつてあったでしょうか。
 日産初の軽自動車であることはもちろん、この車が今までの軽の常識を超えた車であることも注目される理由ではないかと思います。
 モコの発売を機に、今まで軽に興味がなかった人が軽の魅力に気付いてくれたらと、そんな期待も持ってしまう一台です。

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