(2005/12〜現行モデル) 取材日:2005/12/20
DAIHATSU エッセ
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室]
軽自動車の高級化を進めるダイハツが、今度はシンプルで低価格が特徴の新型セダン「エッセ」を発売しました。 軽自動車の本質とも言える「安くて燃費が良い」というニーズに応える車というだけでなく、最低価格を「アルト」と同価格とするなど、低価格車に強いスズキのユーザーを奪おうとする戦略的な車でもあります。 低価格とは言っても、ただ安いだけの車ではなく、デザインや運転のしやすさなどにもこだわりが見られる興味深い車ですので、早速、その魅力をチェックしてみましょう。 なお、ここでは最上級グレードの装備内容を中心に紹介しますが、この車は特にグレードによって装備内容が大きく違っているので、購入を検討される場合などは必ずカタログや実車でよく確認してください。
※5ページ目に試乗レポを追加しました。 初めての方は1ページ目からこのまま順番にご覧ください。
フロントを見ただけで、この車がシンプルさを売りとした車だということはすぐにわかります。 ボンネットやバンパーにはプレスラインがなく、飾り立てたフロントグリルも設けていません。 唯一遊び心が感じられるのは、バンパー開口部のブロック状のデザインだけ。 角を丸めたデザインなので全体的にやさしい印象ですし、前に立って見ても他の軽自動車よりも小さく見えます。 最近の軽自動車は立派になって「軽に見えない軽」が増えましたが、この車は久しぶりに「誰が見ても軽」と思える車です。 フォグランプは標準では装備されず、4万円弱のオプションとなります。
やや長めのボンネットに立ったフロントウインドウ、そして段差の大きいサイドウインドウなどは、旧規格のセダンを思わせる懐かしさがあります。 ドアの下半分をやや膨らませ、リヤが斜めに傾斜しているため、台形のドッシリとしたボディに見えます。 ボディカラーは全部で8色あり、最近の車としては珍しくメタリック色は2色のみ。 メインとなるのは、アコースティックカラーと呼ばれる5色で、リーフグリーン、シーブルー、サンセットオレンジなど、自然をイメージしたやさしいカラーとなっています。 この車のおもしろいところは、そのボディカラーを室内でも楽しめるということ。これについては、後のページで詳しく紹介します。
ちょっと日本車ではないような雰囲気も漂うサイドビュー。 ピラーをブラックアウトしていないあたりは、ちょっとクラシカルなイメージもありますね。 ボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1470mmとなっていて、ミラやアルトなどよりも全高が低く、現時点ではもっとも全高の低い4人乗り軽自動車となります。 全高が低いということは、走行安定性も期待できますし、なんといっても洗車がラクという大きなメリットがあります。 洗車がラクというのは、本来、軽自動車の大きなメリットの一つなのですが、最近は洗車が大変な軽自動車も増えてきましたから、そういう意味でもこの車は軽自動車らしい魅力があると言えます。 ホイールベースは、2390mmとなっていて、ミラと同じ長さ。 ライバルとなるアルトやラパンよりもホイールベースは長く全高は低いので、走行安定性の面では有利と言えるでしょう。
丸みのあるバンパーがかわいいイメージ。 バックドアはやや小さめで、積載性よりもデザインを重視しているところが、シンプルだけど実用一点張りの車ではないこの車の特徴をよく表しているように思います。 アンテナはフロントピラー部にあり、手動式。 リヤワイパーは4WD車のみにしか装備されません。 グレード構成は、最上級グレードの「X」、量販グレードの「L」、廉価グレードの「D」、5MTのみの最廉価グレード「ECO」という4種類で、「ECO」以外は4WDも選べます。 写真の車は「X」で、質感も高く装備も充実していますが、廉価グレードでは装備がかなり簡素化されていて、グレードによる外観や装備の差が大きいというのもこの車の大きな特徴の一つです。 こういった部分からも、アルトとラパンの両方に対抗するために用意された車であることが想像できますね。 ノーマルではちょっと頼りないデザインだと思う人のために、フロント・サイド・バックドアに装着するエアロパーツもオプションで用意されていますが、やはり付ける人が少ないと予想しているのか、3点で約13万円とお値段はやや高め。
完全に台形に見えるリヤビューは、シンプルなのに強烈な個性を放っています。 「X」にはリヤドアとバックドアにスモークガラスが標準装備されますが、初心者でも安心してバックができるようにバックドアは若干薄いスモークになっているのが親切です。 この車は全体的にウインドウが大きく、特にバックドアのウインドウはかなり下まで延びているので、バックが苦手な人でも運転しやすいです。 キーレス装備車のバックドアにはキーシリンダーは無く、アウタードアハンドルで簡単に開けられます。 マフラーを斜め下に向け、後ろから直接見えないようにしているのも、やさしくすっきりとしたリヤビューを実現している一つの要素です。
次ページでは、エクステリアをもう少し詳しく見てみます。 また、他グレードのエクステリアの違いについても触れます。
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