SUZUKI アルト
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室]
インパネのデザインは、旧型の面影はまったくなく、デザインはシンプルですが質感は大幅にアップしています。 デザイン面で特徴的なのは、1ページ目でも触れたように、センターパネルの上に飛び出た丸いエアコンの吹き出し口で、冷えにくい頭上周辺に素早く冷風を送るのに役立ちそうです。 また、旧型の暗く重々しい雰囲気から一転して、ベージュ色を基調としたツートーンカラーを採用したことで、非常に明るく落ち着いた雰囲気になっているのも注目です。 エアバッグはもちろん両席標準装備となっていますが、助手席側はエアバッグのフタ部分がインパネの一部としてデザインされているので、上質感があります。 「X」にはシルバールーバーリングやシルバーインナードアハンドルなどが装備されるものの、その他には特に高級感を演出しているような部分は見受けられません。 それなのにどこか上質な雰囲気が漂うのは、やはり無駄がなく柔らかなデザインの採用によるものでしょう。 特に驚くようなものはない代わりに、誰が乗っても気持ちいいインテリアに仕上がっていると思います。 「アルト」が目指しているのはまさにそういう車だと思いますので、このインテリアはなかなか良いと思います。 居住性という点でも、フロントウィンドウがやや立っているので前方に余裕があり、室内幅が40mm拡大されたことによって肩からドアまでの横方向の距離も「ラパン」より余裕を感じます。 フロントピラーがやや太めなのが気になりましたが、内側のデザインを工夫しているので、それほど視界の邪魔になるということはありませんでした。 ただ、ボンネットが丸くなっているので、フロントの感覚はつかみにくいです。 前がよく見えないと不安という人の場合には、「ラパン」のほうが運転しやすいかもしれません。 ミッションは、「X」および「Xセットオプション」がフロア4ATのみで、その他のグレードはフロア3ATまたは5MTから選べます。 オーディオはオプションとなっています。
メーターのデザインは非常にシンプル。 タコメーターの設定はなく、大きなスピードメーターが中央に配置され、視認性は抜群に良いです。 水温計も警告灯での表示に変更されたので、ちょっとさびしいくらいに何もありません。 唯一の特徴は、スピードメーターの周りについているシルバーリングで、これがほんの少しだけ質感をアップさせています。 燃料残量警告灯は全車に標準装備されています。 一部車種を除いて燃料タンクが30Lしかないスズキ車にとっては、これは必需品です。
収納に関しては、やはりセダンタイプなのであまり多いとは言えませんが、使い勝手はずいぶん改善されています。 まずはこのカップホルダー。 旧型ではセンターパネル部にあり、エアコンの風で保温・保冷ができるように工夫されてはいましたが、その影響でオーディオやエアコンの位置が低くなってしまい、特にカップホルダー使用時にはスイッチ類の操作がしにくかったのです。 新型では、エアコンの風での保温・保冷機能はそのままに、場所をハンドルの右脇に移動することで、この不満を解消しています。 ドライバーの手元の位置になるので、今までよりも使い心地も良く、使わないときは写真のようにすっきり収納できます。 プッシュオープン式などの凝った機構は採用していませんが、「アルト」は低価格も魅力の一つですから、これ以上コストをかける必要はないでしょう。 カップホルダーの下には、コインホルダーやチケットホルダー、アンダートレーなどが集中的に配置されているので使いやすいですが、カップホルダー使用時には使いにくくなりそうです。 エアコンのルーバーは、写真のように簡単にピッタリ閉じることができます。
センターコンソール部には工夫が見られます。 助手席用のカップホルダーを可動式にして横に配置したり、CDなどが入る大きなボックスを先端に設けたりと、フロアシフト車の弱点とも言える大きなセンターコンソールを逆に有効利用しています。 可動式のカップホルダーは「eKワゴン」に採用されているものと同様に、入れるものの大きさに合わせて調整できるので便利。 しかし、運転席のように保温・保冷はできません(風を足元に送れば不可能ではないですけど)。 シフトレバーやフロアカーペットなどもすべて明るいベージュ色に統一されているので、とても明るく上質な雰囲気です。 「ラパン」の場合は、シートの色が明るくてもフロアカーペットなどは黒いので、ここまで明るい雰囲気ではないのですが、「アルト」は徹底して明るくて落ち着くインテリアを目指しているため、非常に居心地が良いのが印象的です。
リヤ用のカップホルダーも2人分きちんと用意されています。 これもセンターコンソールをうまく利用したもので、「ラパン」と同じ手法をとっています。 使わないときには邪魔にならないように収納でき(この状態でも1人分は利用可能)、フタを開けると2人分になるという仕掛け。 他人の車に乗ったときに、飲み物を置く場所がないのって本当に困りますから、たとえ使う頻度が低いとしても、このような装備が用意されているのは助かります。 もう少し高い位置にあったほうが使いやすいですが、スペースに余裕のないセダンタイプでは仕方ないでしょう。
引き続き、収納などについてチェックしていきます。
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