取材日:2003/4/13
MITSUBISHI タウンボックス
eKワゴンのヒットに続き、日産への商用車のOEM供給も決まった三菱。 造りのまじめさや実用性の高さなどが徐々に世の中に浸透してきたという手ごたえを感じているのではないでしょうか。 その、日産にOEM供給される車「ミニキャブ」の乗用モデルがこの「タウンボックス」です。 日産が認めたその実用性とコストパフォーマンスの高さを、さっそくチェックしてみましょう。
直線基調でクセのない顔つきは、誰が見ても好感が持てる感じですね。 実は、デビュー当初はかなり個性的な顔つきだったのですが、マイナーチェンジでスッキリとした感じに変更されたのです。 メッキのグリルも高級感がありますし、バンパーもこれといって特徴のあるデザインではありません。 おもしろみがないとも言えますが、軽1BOXでは限界と言える全高1890mmの大きなボディは、近くでみるとかなりの存在感があります。 軽1BOXはなぜかファニーフェイスが多いのですが、この車はキリッと精悍なイメージで、フォーマルな場面も似合いそうですね。 フォグランプは全車オプションとなります。
斜めから見ると、どこか他の車とは違いますよね。 そう、フロントウィンドウのピラー(支柱)がブラックアウトされているのです。 だからどうなんだと言われると少し困ってしまうのですが、実はこれって非常に珍しいのです。 一部のセダンやオープンカーなどでは使われることもある手法ですが、1BOXでは珍しいケースです。 少なくとも軽1BOXではタウンボックスのみなので、やはり他の車とは違う独特の雰囲気が漂っています。 なんとなくフロント周りに高級感を感じませんか? この車は「LX」という中間グレードで、123万円という親しみやすい価格でありながらなかなかの質感を保っています。 サイドシルガーニッシュも標準装備され、高級かつスポーティな印象を受けます。 ちなみにベースグレード「SX」にはこれらの装備はついておらず、プライバシーガラスも装備されないので、外観の印象はかなり違います。 その他にもかなり装備に差があり、それでいて価格差は4万5千円しかないので、この「LX」は非常にお買い得と言えそうです。
フロントピラーがブラックアウトされていることで、極太のBピラーがとても目立ちます。 すべてのピラーをブラックアウトしてしまえば、全面のガラスがつながっているかのような伸びやかなイメージになるのですが、あえてBピラーを残すことで商用にも耐えうる力強さをアピールしているように思えます。 ホイールベースは2390mmと軽1BOXの中では平均レベルですが、最小回転半径は4.7mとライバル中では最も大きくなっており、小回りは苦手な車のようです。 ボンネットは最小レベルにし、フロントウィンドウを極限まで前方に押し出すことで、広大な室内空間を実現しています。 1890mmという室内長は軽1BOXナンバー1の広さで、非常に実用性の高いパッケージングになっています。 超ロングルーフによる迫力のボディは、もはや軽とは思えませんね。
斜め後ろから見ても、本当に軽の枠に収まっているのだろうかと思うくらいに大きく長く見えるボディです。 ボディカラーはホワイト、シルバー、ダークブルー、ブラックのオーソドックスな4色で、軽1BOXの中では最も少ないラインナップになります。 このあたりも本当に実用重視という感じで、おもしろみはないですね。 せめて1色くらいはタウンボックスのイメージカラーのようなものがあれば、知名度も少しは違ってくると思うのですが。
リアビューは、ずっしりと重い感じがしますね。 やはり、4連のリアコンビランプをバンパーに埋め込んだデザインが効いているのでしょう。 このバンパー埋込型リアコンビランプも、乗用軽1BOXでは唯一で、スポーティな印象を受けます。 この車、普段はあまり目立たない存在ですが、よく見てみると非常に個性的な車なんです。 リアウィンドウの形もちょっと変わってますね。 1BOXにしては若干絞り込みの効いたデザインなので、ライバル車に比べるとルーフの幅がやや狭く感じます。 リアワイパーのデザインが貧弱だったり、ハイマウントストップランプのネジが丸見えだったりといったところが気になりますが、この車の場合は逆にそれが似合っているような気もします。 どこかメカっぽさを感じるところもこの車の特徴ですね。
では、個性的な外装パーツを細かくチェックしてみましょう。
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