MITSUBISHI パジェロミニ
インパネのデザインは、いかにも三菱という感じです。 ほとんど直線で構成され、プラスチックっぽさが目立ち質感もあまり高いとはいえません。 ちょっと厳しい言い方をすれば旧規格車レベルといえます。 これがセダンやワゴンならかなり気になりますが、この車の性格にはこのワイルド感がまた似合います。 クリーンエアフィルター付きのエアコンは操作しやすいダイヤル式を採用していますが、オーディオスペースが1DINしかなく、2DINのオーディオをつける場合はエアコンを下の予備スペースに移す必要があり、この場合は位置が低いので操作しにくくなります。 標準のオーディオは全車AM/FM付きカセットステレオ+4スピーカーとちょっとさびしいですが、オプションで用意されるMMCS(三菱マルチコミュニケーションシステム)は、インパネ上部に5.8インチワイドディスプレイを配し、ナビ、環境表示、走行状況表示など多彩な機能を搭載する上に10連奏CDチェンジャーまで付く豪華さです。 さすがはエレクトロニクス分野を得意とする三菱だけのことはありますね。
実用重視のインパネは収納ポケットを多数用意していて使い勝手は悪くないです。 インパネ上部、センターコンソール部、助手席に2つのポケット、運転席側にも同じく2つのポケット、そしてグローブボックスと、それぞれの容量は小さいですがこまごまと設置されています。 シフトは4AT、5MTともフロアシフトのみの設定です。 この車は2WDですが、4WD車はシフトレバーの後ろにもう一つレバーがつきます。 イージーセレクト4WDという、レバーひとつで2WD・4WDハイ・4WDローの3つの走行モードの切替えが可能なシステムを採用しています。 状況に応じて素早く切替えが可能な上、ぬかるみなどの悪条件でも4WDの威力を最大限発揮してくれる頼もしいシステムです。
大きなメーターは非常にシンプルで見やすいです。 レッドの指針はスポーティなイメージですが、全体的にはあまりおもしろみのないデザインですね。 やはりここも機能重視ということでしょうか。 トリップメーターは液晶のデジタル表示で質感・見やすさともマル。 それに、燃料残量警告灯がついているのは助かります。 軽はガソリンタンクが小さいので気が付くと「あ!ガソリンが!」なんてことが多いので、これは他社も積極的に採用して欲しいです。 ちなみにこの車は43Lのタンク容量を確保していますので、燃費が悪いことを考慮してもそれなりにロングドライブができそうです。
天井は明るいグレー色のクロスを採用していて、質感、開放感とも良いです。 頭上空間はセダンタイプ並みですが、スクエアなボディ形状のおかげもあるのか、閉塞感はありません。 運転席のバニティミラーは全車標準装備で、大きさや使いやすさ、質感とも良いですよ。 また、ルームランプが天井にビルトインされていて邪魔にならず、質感も高いのが気に入りました。 ルームランプはこの位置が一番良いですね。 軽に多いルームミラー付近の位置だと夜間は後席がよく見えないので、物を落としたときなどに探すのに苦労します。 軽でも最近は3人以上で乗ることも増えてきていると思うので、フロントにマップランプと天井の中央にルームランプというスタイルが一般的になってくれるとうれしいのですが・・・。
クロカンタイプは人気がありながら実際には売れる台数が少ないのですが、その理由の主なものが価格の高さ、燃費の悪さ、居住性の悪さ、そして5ドア車の設定がないことです。 クロカンタイプの中では唯一5ドアのテリオスキッドが一番売れているのを見ても、これはやはり重要な問題だと思えます。 しかし、実際に乗り降りしてみた印象は、意外にもスムーズでした。 もちろん、助手席をスライドさせる必要はありますが、適度な高さがあるのでそれほど腰をかがめて乗る必要はなく、別に面倒だとは感じませんでした。 限られたスペースにムリヤリ小さなドアを作った車よりはよほど乗降性は良いように感じましたよ。 この車は意外にも後席の快適性も考えてある車なんです。
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