取材日:2003/5/26 MITSUBISHI eKクラッシィ
eKワゴン、eKスポーツと好評のeKシリーズに、第3弾となる「eKクラッシィ」が追加されました。 基本部分はeKワゴンと共通ですが、専用部品や装備を追加して上質感を追及したモデルとなっています。 ここでは、eKワゴンとの違いを中心に紹介しますので、「eKワゴンのことをまだよく知らない」という方は、先にeKワゴンのカーチェックをご覧になることをお勧めします。
フロントマスクは、eKクラッシィの一番特徴のある部分です。 逆台形の大きなフロントグリルはバンパーと一体化され、上部にあしらったシルバーのガーニッシュの効果もあって、非常に堂々とした雰囲気です。 eKワゴンと同じに見えるボンネットも実は専用品で、中央部分の盛り上がりを強くし、フロントグリルを強調するデザインとなっています。 前に立ってみると、ボンネットがかなり盛り上がっている感じがするので、eKワゴンよりも大きなエンジンを積んでいるように思えます。(もちろん、軽なので実際には同じエンジンです)
縦長のフロントグリルでボディに厚みを持たせながら、バンパーの開口部はワイド感を強調するデザインになっていて、全体的に重量感のある雰囲気を漂わせています。 このあたりのテクニックはなかなかですね。 フロントグリルをライトよりも前に押し出すことで、立体感のあるフロントマスクになっています。 オプションのメッキグリルを付けて、さらに上質感を演出することも可能です。
斜めから見ると、フロントウィンドウのピラーからフロントグリルに伸びる、ボンネットの絶妙なラインがよくわかります。 フロントの造形だけを見ると、とても軽には見えませんね。 サイドパネルやルーフなどはeKワゴンと共通ですが、意外に違和感なくまとまっています。 最初から汎用性の高いデザインにしていたのかどうかはわかりませんが、クセのないシンプルな基本シルエットが功を奏しているようです。 ヘッドライトに専用品を使っているため、eKスポーツ同様サイドウィンカーはフロントフェンダーについています。 しかし、eKスポーツのようにクリアレンズは使わず、あえてオレンジのレンズでアクセントをつけています。 やることが細かいですね。個人的にはクリアでもいいのではないかと思いますが。
ボディカラーは全6色とやや少なめですが、ペールベージュソリッド(写真)やライトオレンジメタリックなど、あまり他車には設定されていない個性的な色もラインナップされています。 グレードは、写真の「L」のみのモノグレード構成で、2WDと4WDが選択できます。 あえて廉価グレードを設定しないのは、安さを求めるならeKワゴンがあるし、廉価グレードが存在するとeKクラッシィの「上質な車」というイメージが崩れてしまうからでしょう。
リアビューとサイドビューは基本的にeKワゴンとあまり変わらないので、斜め後ろからの写真のみ紹介します。 リアバンパーはeKワゴンと同じように見えますが、実はこれも専用品です。 反射板の部分を少しくぼませてアクセントにするとともに、フロントバンパーともイメージを合わせています。 さらに、専用の黒いサイドシルガーニッシュを付け、前後バンパーもこれに合わせて下部を黒く塗装してあります。 これは、他車とは違った落ち着いた雰囲気を出す演出ですが、ピッチやタールといった落ちにくい汚れが目立たないという利点も兼ね備えています。 また、エンブレムもリアウィンドウではなくバックドア下部に付けるなど、細かい部分まで変更してあります。 パッと見ではかわらないような細かい点ばかりですが、どことなく上品さが感じられるように工夫されています。 最近の三菱は本当にデザインにこだわりますね。
ヘッドライトも専用品です。 雨の中での撮影だったので水滴がついていますが、本当はキレイなマルチリフレクター式のライトです。 残念ながらHIDではありませんが、大きなライトは明るそうです。 eKワゴンではフロントとサイドのウィンカーが兼用になっていますが、eKクラッシィではそれぞれ独立させ、ヘッドライトの内側にセットしています。 扇型のオレンジはインパクトがあります。 車体中央寄りにアクセントを置くことで、フロントグリルを強調させる意味もあるようです。
標準装備のアルミホイールは、デザインはeKワゴンそのままですが、表面に切削加工を施したことで、キレイに輝きます。 サイズは13インチですが、全面がキレイに輝くため、少し大きく見えます。 乗り心地に関しては、トランスミッションが3ATではなく4ATになりましたから、高速走行時の静粛性は格段にアップしているでしょう。 もともと低速での静粛性は良い車なので、4AT化によって全体的に静かで上質な走りが味わえそうです。 これはぜひ一度試乗してみたいですね。
次はインテリアを中心に見てみましょう。
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