MITSUBISHI eKクラッシィ
インパネは、基本的なデザインはeKワゴンと共通ですが、あまりお金をかけずに細かな改良を施すことで、ずいぶん上質なイメージに仕上げられています。 まずは、そのカラーリングです。 eKワゴンは明るいインテリアカラーが特徴ですが、インパネはやや暗めのブラウンでした。 これは、フロントウィンドウへの映りこみ防止のためやむを得ないのですが、やはりもっと明るい色の方が上質感は味わえます。 そこで、eKクラッシィはインパネにも明るいベージュを採用しながら、インパネ上部とセンターパネルのみブラックという2トーンカラーを採用しているのです。 これによって、明るさと落ち着きのある上質な印象になっています。 また、ステアリングは本革巻きとなっていて、明るいベージュ色の革を見ていると本当に高級セダンに乗っているかのような印象を受けます。 夜にはステアリングの向こうにある車名のプレートが発光するという演出もあり、特別な車に乗っているような雰囲気を醸し出します。
実は、変更されているのはカラーリングだけではなく、センターパネルも専用デザインになっているのです。 利便性を優先させて設けていた小物入れを思い切って無くし、丸みを帯びたやわらかいデザインに変更しています。 また、エアコンのスイッチや吹き出し口周辺のデザインまでもやさしく上質なイメージのデザインに変更されていて、ここだけ見ればコンパクトカーに匹敵する質感を確保しています。 カラーリングとセンターパネルのデザイン変更という最小限の変更で、インパネ全体の印象はかなり上質な感じになっています。 ただし、メーターは色使いを若干変更しただけで、基本デザインは同じ。 メーターのデザインは意外に質感を左右しますし、eKスポーツでは専用メーターを採用しているだけに、ちょっと残念です。
シート生地はベージュ色のスウェード調で、肌触りも質感も最高です。 これは完全に今までの軽の質感を超えていますね。 この生地で覆われた特大のセンターアームレストは、まさに高級セダン感覚です。 汚れや静電気など心配する部分も多いですが、軽でこれだけ明るく落ち着いたインテリアが実現できるのだという感動を覚えました。 最近の三菱の新型車(普通車)であるコルトやグランディスなどを見て、三菱はインテリアのセンスが格段に良くなったなと思っていましたが、その流れはしっかりと軽にも受け継がれているようです。 この車は2年前に発売されたeKワゴンがベースになっているので、インパネデザインなどにやや古さも感じますが、これから新たにデザインされる軽のインパネは、きっと今までの軽とは一線を画するデザインを採用してくれるだろうと、そんな期待を持ってしまいました。
ドアトリムももちろんベージュで統一。 インナードアハンドルはシルバー塗装され、上質で落ち着いたイメージ。(個人的にはメッキのほうが好きですが・・・) こだわりを感じるのは、eKシリーズの特徴であるスケルトンカップホルダーと脱着式ゴミ箱の色まで落ち着いたブラウンに変更しているところ。 eKワゴンではポップな印象のスケルトンブルーですが、落ち着きのある空間には不似合いだと判断したのでしょう。 細かいところまで徹底して雰囲気づくりをしているところはさすがです。 ただし、eKワゴン同様リアドアトリムには布は付いていません。
eKクラッシィは上質さと快適性にこだわった車です。 今まで紹介した内容でそれは十分感じ取れたと思いますが、最も注目すべき装備はこのフロントウィンドウです。 なんと、UV&ヒートプロテクトガラスを軽自動車で初めて採用しているのです。 このガラスは、中間層に赤外線カット剤を練り込むことで、紫外線だけでなく赤外線もカットしてくれるという贅沢なガラスです。 これによって、夏のじりじりとした太陽の暑さを軽減してくれるので、駐車中の車内温度上昇抑制やエアコンの冷房効率向上も図られるわけです。 オートエアコンとこのガラスの採用で、真夏でも本当にくつろげる空間が実現されるわけです。
いかがでしょう。 この車が「クラスを超える上質さを求めた車」だということがおわかりいただけたのではないかと思います。 実際に、実車を見るまではeKワゴンとあまり変わらないのではないかと思っていましたが、その明るいインテリアと隅々までのこだわりに、正直驚かされました。 きっと誰かを乗せたくなる、そんな車です。
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