カーチェック アルトラパン(HE33S)
(2015/6〜)
取材日:2015/6/4

SUZUKI アルトラパン(HE33S)

 かわいいとして人気のラパンが、フルモデルチェンジして三代目となりました。
 ここでは、豊富な写真で新型ラパンの魅力を紹介していきます。

 なお、装備内容などはグレードや年式により異なることがありますのでご了承ください。
 また、2015年より1ページにまとめて表示するレイアウトに変更しています(各画像をクリックすると拡大画像と説明が見れます。javascriptをonにしてお楽しみください)。

ラパンといえば、四角いボディに四角いライトが特徴で、特別仕様車で丸型ライトを採用したりしていましたが、三代目では丸型ライトが標準になり、さらにかわいいフロントマスクになりました。 歴代ラパンの特徴であるネオレトロな感じは継承されているものの、バンパー下部やフェンダーをブラック樹脂とするなど、レトロ感をより強くしたのが三代目ラパンの特徴です。 水平基調でボンネットが長くフロントウインドウが立っている基本フォルムは歴代ラパンから引き継いでいますが、ルーフの塗り分けなどが二代目までとは変わっています。 独立したトランクリッドを持つようなリヤ周りのデザインは、昔のダイハツオプティに近いイメージですが、こちらは普通のハッチバックです。
歴代ラパンの中でもっとも丸いデザインになり、リヤコンビランプも丸型になりました。 指輪をイメージしたという丸型ヘッドライトは、上級グレードではハイ/ロー切替式のディスチャージヘッドランプを採用。 ブレーキランプにLEDを採用したリヤコンビランプ。 ワイパーがボンネット上に飛び出ていて、あえて視界の邪魔をするのは歴代ラパンの伝統です(笑)
ドアハンドルはメッキで高級感があります。鍵穴やリクエストスイッチもドアハンドル内に埋め込んですっきりさせています。 花をイメージしたというアルミホイール。かわいいですね。タイヤサイズは、155/65R14で、乗り心地重視です。 フロントのエンブレムにうさぎマークが入っているのも歴代ラパンの特徴ですが、そのエンブレムの下になんとフロントカメラが! サイドミラーの下にもカメラがついています。
バックカメラはバックドアハンドル部に埋め込んであり目立ちません。 いろんなところにカメラが付いている理由はこれです。4台のカメラにより自車を真上から見たような視点で見ることができる全方位モニターをオプション設定しているのです。 ラパンといえば、いろんなところにうさぎマークが隠れていて、それを見つけるのも楽しみのひとつですが、三代目ラパンは、いままで以上に多くのうさぎが隠れています。しかも、隠れている場所が『こんなところに?』というところばかりです。実車を見る機会があったら、ぜひ探してみてください。 かわいいインパネデザインも歴代ラパンの特徴ですが、三代目は新しい試みが見られ、さらにかわいさと使い勝手の良さがアップしています。
置時計をイメージしたというメーターは、ホワイトの盤面に文字が浮いているように見える凝った作りになっています。液晶のマルチインフォメーションディスプレイには、記念日などを楽しいアニメーション付で知らせてくれる機能もあり、さらに音声まで付いていて、乗るほどに車に愛着がわきます。 フォトフレームをイメージしたというメーカーオプションナビの画面は、スマホのようにタッチやスライドで直感的に操作できるほか、スマホと連携も可能で、USB端子や外部入力端子も備えます。この高機能でデザイン性も優れているメモリーナビが、全方位モニターとセットで約12万円というのは、かなりお得だと思います。 新型のインテリアの一番の特徴が、この木目調テーブルです。その雰囲気はまるで部屋のテーブルのようで、車内なのに自分の部屋にいるような落ち着きを感じることができます。 木目調テーブルの下には、このようにティッシュボックスとドリンクが置ける引き出しが付いていて、まさに『机』です。見た目もかわいいですが、使い勝手も良さそうですね。
運転席側のドリンクホルダーは、なんと500mlの紙パックが置けます。ラパンのメインユーザーである若い女性たちの意見を取り入れたということで、『これはうれしい!』と思う人も多いのでは? オートエアコンは、お肌に優しいナノイー搭載。もちろん、アイドリングストップ中も冷たい風を出してくれるエコクールも採用。操作しやすいインパネシフトは、シルバーの縁取りで質感も高く、かわいいさと上質さを併せ持っているのも新型ラパンの特徴です。 メーカーオプションナビ装着車は、ステアリングスイッチも付きます。携帯電話をBluetooth接続すれば、ステアリングから手を離すことなく通話することも可能です。 センターロアポケットは2段に分かれていて使い勝手がよく、運転席周りの収納は充実しています。メーカーオプションナビ装着車は、ここにUSB接続端子や外部入力端子も装備しています。
グローブボックスの容量は標準的です。 フロントシートは非常に素晴らしいです。まずサイズがゆったりで、シート形状も体を包み込む高級ソファのような感じです。そしてクッションも厚みがあり懐の深い座り心地。本当に部屋のソファに座っているかのような印象です。個人的には、今まで見た軽の中でもっとも快適なシートだと感じました。運転席シートヒーターがほぼ全グレードに標準装備というのも嬉しいです。 センターアームレストも非常に幅広です。これも、軽の中ではもっとも幅広なのではないでしょうか。上級グレードでは、収納ボックスもついています。 新型ラパンにもやっとエネチャージが採用され、フロントシートの下にはエネチャージ専用のバッテリーが置かれています。
非常に快適なフロントシートと比べて、リヤシートの快適性はデザインのせいでかなり犠牲になっていて、座高の高い大人だと頭が天井についてしまいます。座り心地は柔らかいですが、フロントシートのような包まれ感もないですし、最近の軽の中ではやや窮屈な印象の後席です。シートのスライドやリクライニングもないので、ロングドライブでは後席は疲れるかもしれません。やはりこの車は二名までで乗るのがベストなのかもしれません。 ラパンはもともと運転しやすい車ですが、新型はさらに運転のしやすさに磨きをかけ、インパネも旧型よりも低く設定して前方視界を良くしています。 フロントドアトリムは、デザインはオーソドックスですが、ボリュームのある上質なシート生地と同じクロスを広範囲に採用していて、質感は高いです。明るいインテリアカラーのおかげもあり、優しい印象です。スピーカー部が波打ったデザインになっているのがおもしろいです。なお、フロントドアガラスにはUV&IRカットガラスを採用し、直射日光の暑さを軽減しているというのもうれしいところです。 リヤドアトリムもフロントと同様のイメージになっていて、フロントと同じ生地のクロスを採用していて質感は高いです。
ラパンには、思わず『かわいい!』と言いたくなる演出が多数見受けられますが、ルーフにもそんな演出があります。よく見ると、ルーフがキルト調になっているのです。これはかわいいですね。なお、ルームランプは中央にひとつのみです。 バニティミラーは、メインターゲットが女性ということもあり、大きめで照明付のものが付いています。ここを開けるたびにうさぎのマークが現れるというのもいいですね。 荷室は、コンパクトタイプの軽としてはやや広め。ラパンは歴代荷室がやや広めで、室内長が2mを超えた三代目でも、荷室はそれほど犠牲になっていません。 荷室の床下には、ラゲージアンダーボックスがありますが、パンク修理キットなどが収納されているため、収納スペースとしてはあまり使えません。
リヤシートがスライドしないので、荷室を広げるにはシートバックを倒すしかありません。この状態での段差はほとんどありませんが、室内高はそれほどないので、大きな荷物を積むのには適していません。 三代目ラパンは、かわいいさだけでなく、安全性、快適性、経済性も大幅に進化しています。その中でも、実際に所有してもっとも実感できるのは、やはり燃費の良さでしょう。なんと、35.6km/Lという、ハイブリッドカー並みの低燃費を実現しています。

新型アルトラパンは、かわいいデザインだけでなく、安全性、快適性、経済性すべてにおいて大幅に進化した画期的な車となっています。
ファミリーカーとして使うには厳しい部分もありますが、一人で毎日動き回るには最高の相棒と言える存在になるでしょう。
スペース重視の軽ばかり増えている現状では、こういった車こそプレミアムなのかもしれません。
見た目はかわいい車ですが、実は先進の装備を満載したハイテクカーでもあり、それでいて価格は身近で毎日気軽に乗れて経済性も高い。
単に『女性向けの車』というだけで片付けてしまうのはもったいないような、非常によくできた車だと思います。


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