カーチェック

ここでは、毎回1車種をピックアップし、雑誌等ではあまり触れられていない
デザイン、質感、使い勝手にこだわって徹底的にチェックしていきます。

(2006/2〜現行モデル)
取材日:2006/2/3

NISSAN モコ

[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート 荷室&試乗レポ]

 スズキからのOEMで販売されている日産の軽自動車「モコ」が、フルモデルチェンジしました。
 旧型と同様にスズキのMRワゴンとの兄弟車ということになりますが、新型は、より日産らしいオリジナリティを追求した車となっています。
 もちろん、豊富な収納や使い勝手の良さというMRワゴンの良さは、そのままこのモコにも当てはまります。
 大きくイメージを変えて、より上質で快適な車になった新型モコを、さっそく細かくチェックしてみましょう。
 なお、MRワゴンと共通の部分については、MRワゴンのカーチェックの内容をそのまま使っていますのでご了承ください。
 また、グレードや年式によって装備内容は異なりますので、購入を検討される際は、必ずカタログ等でご確認ください。

フロントフェイス エクステリアデザインは、MRワゴンが旧型の面影をまったく残していないのに対して、この車は一目でモコとわかるデザインになっています。
 旧型ではフロントグリルとバンパーのみがオリジナルデザインだったモコですが、新型ではさらにヘッドライトのデザインもオリジナルとなり、MRワゴンとはまったく違う印象のフロント周りとなっています。
 よく見ると、ボンネットにうっすらとプレスラインがあり、これもMRワゴンとは異なります。
 つまり、フロント周りはすべてモコ専用のデザインとなっているわけで、日産がこの車にかけている期待の大きさがわかる気がします。
 日産のコンパクトカーである「ノート」にもよく似た感じで、外観からはスズキが製造しているという印象はまったく受けないですね。
 MRワゴンの場合はターボ車にはエアインテークが追加されますが、モコの場合はターボ車もフロントグリルの形状はほぼ同じで、グリル内の処理が若干違うだけなので、外観上ではNAとターボの違いはフォグランプとアルミホイールの有無くらいです。
 「完成されたデザインなので、できるだけ余計なものは付けたくない」という日産のこだわりが感じられます。

斜めから ワンモーションフォルムを捨て、一般的なボンネット形状になった新型ですが、これは、歩行者障害軽減のためにエンジンとボンネットフードの空間を広げる狙いもあったのかもしれません。
 ヘッドライト部が盛り上がったボンネットは、旧型よりも運転しやすそうに見えますが、残念ながら運転席からボンネットはほとんど見えません。
 ごく普通のデザインになったのに、どこか他の車と違って見えるのは、フロントピラーがブラックアウトされているせいです。
 アルトなど一部の車種ではすでに採用されているアイデアですが、見慣れないものなのでやはり新鮮味はありますね。
 また、モコにはディーラーオプションでスタイリッシュパッケージというものが用意されていて、メッキ入りのエアロパーツで上質かつスポーティな車に仕上げることも可能となっています。

サイドビュー 滑らかなパネルで構成され、とてもきれいなサイドビュー。
 フロントピラーの傾斜は意外に強く、サイドウインドウの面積が小さくなったため、旧型よりも室内が狭く見えてしまいますが、実際には室内寸法は旧型よりも拡大しています。
 長さ1855mm、幅1280mm、高さ1275mmという室内寸法は、ライバルとなるホンダの人気車種「ライフ」とほとんど同じで、こういった部分からもライフをかなり意識して開発されたのではないかと想像できます。
 ほぼ同時期に発売されることとなった三菱の「アイ」は、旧型モコのようなワンモーションフォルムを採用し、非常に広い室内スペースを確保しているように見えますが、室内長ではこの車のほうが勝ります。
 全高は1620mmで、旧型よりも30mm高く、ホイールベースは2360mmで、旧型と同じです。
 サイズはあまり大きく変わっていないのに、旧型とはまったく違う車に見えるのは、ワンモーションフォルムをやめたことだけではなく、Cピラー(リヤドア後ろのピラー)が非常に太くなったことも影響しています。
 このデザインによって斜め後方の視界が悪くなり、後席がやや暗くなってしまっています。
 どうしてこんなデザインにしたのかと思ったら、後面衝突に対応するためのなだそうです。
 安全性にもこだわる日産が、後席に乗せた子供を万一のときにもしっかり守れるようにとスズキに注文をつけたのかもしれません。

斜め後ろ 丸みがあって、ボリュームのあるリヤバンパーは、重心が低く見えます。
 グレード構成はシンプルで、廉価グレードの「S」、充実装備の「E」、ターボエンジン搭載の「G」という3種類。
 「S」は、廉価グレードとはいっても、キーレスエントリーやスモークガラスなども標準装備していて、必要な装備はほとんど揃っています。
 収納やシートアレンジもほとんど上級グレードと同じでありながら、1,058,400円からという価格はなかなか魅力的です。
 ボディカラーは、MRワゴンと共通のラグーンターコイズメタリック、ミルクティーベージュメタリック、レイクブルーメタリック、シルバー、ブラック、マルーンブラウンパールのほかに、モコルージュとスノーパールホワイトというオリジナルの色を加えた全8色のラインナップとなっています。

リヤビュー  リヤデザインはかなりボリュームがありますね。
 フロント周りと違い、リヤ周りのデザインはMRワゴンと共通で、両車の違いはエンブレムのみ。
 あえてMRワゴンとは逆の位置にエンブレムを配置しているのがおもしろいです。
 旧型よりも天井の絞込みを少なくし、テールゲートもずいぶん大きくなったため、積載性は大幅にアップしています。
 テールゲートハンドルがガーニッシュの中に隠されていて、マフラーが斜め下に向いていることもすっきりしたリヤビューの演出に貢献しています。
 リヤワイパーは全車標準装備です。

 では、エクステリアのパーツをもう少し細かく見てみましょう。


   

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